目を背けたくなるほどの強烈な承認欲求を描く異色の“セルフラブ”ストーリー『シック・オブ・マイセルフ』が10月13日(金)より全国順次公開。このたび、著名人コメントと追加場面写真が解禁された。
現代を生きる女性たちの心を掴んだ『わたしは最悪。』が記憶に新しい北欧ノルウェー・オスロから、破滅的な自己愛を映し出した異色の“セルフラブ”ストーリーの怪作が誕生。少なからず誰もが持つ承認欲求を切り口に、何者にもなれない主人公が嘘や誇張を重ね、人に注目されるための術を追い求めるあまりに自身を見失っていく様を、シニカルにそして極端なまでにコミカルに映し出す。脚本・監督を務めたクリストファー・ボルグリは本作が長編 2 作目。早くも次回作『Dream Scenario』がA24 製作×ニコラス・ケイジ主演×『ミッドサマー』アリ・アスタープロデュースで製作されることが発表され話題を呼んでいる今後注目の新鋭。度が過ぎ滑稽なまでの自己顕示欲を全身で体現するのは現在北欧を中心に話題作への出演作が続く注目の俳優クリスティン・クヤトゥ・ソープ。
このたび、本作をいち早く鑑賞した著名人から、嫌悪、共感、賛辞の入り交じるコメントが到着した。クリープハイプの尾崎世界観は「好奇心が、嫌悪感を軽々と超えていく。こんな体験をさせてくれるこの映画を、全力で承認したい。」と本作を絶賛。でか美ちゃんは「どこか心当たりがある後ろめたさから、彼女を馬鹿にすることも、憐れむこともできなかった。」と痛々しすぎるヒロインへの複雑な思いを吐露した。『バービー』のアラン役が記憶に新しいマイケル・セラは「『The Worst Person in the World(わたしは最悪。)』の制作陣による新作だが、本作の方がそのタイトルにふさわしい。」とコメントしている。
その他、アリ・アスター、ISO、小谷元彦、五所純子、坂口涼太郎、SYO、ジェラシーくるみ、ジョン・ウォーターズ、樋口毅宏、ブレット・イーストン・エリス、マイケル・セラ、MINAMO、山井祥子、ゆっきゅんからのコメントが解禁された。コメント全文・一覧は以下にて。
また、血まみれのシャツで佇むシグネや、病院の廊下で尻を露出し自撮りするシグネなど、主人公の衝撃の姿を捉えた4枚の場面写真が追加で解禁された。
『シック・オブ・マイセルフ』は10月13日(金)、新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショー。
著名人コメント一覧 *敬称略・五十音順
アリ・アスター|映画監督
悪魔のようなクリエイターによる、グロテスクで底意地の悪い作品だ。
ISO|ライター
ナルシシスト世界大会王者が如き堂々たる態度で自己顕示欲をブン回し、
クラウチングスタートで破滅へと飛び込んでいくシグネの道化っぷりに戦々恐々。
なんと性格の悪い映画や…と思わず声に出しつつも、臭いものほど意外と旨いもの。
突き詰めた醜悪さに気付けば夢中になり、腹の底から邪悪な笑いが込み上げてくる。
だがふと自分の中にもプチ・シグネがいることに気付き、
立ち行かなくなる彼女の姿にじわじわ湧き上がる居心地の悪さもまた一興。
尾崎世界観|クリープハイプ
あのヤバイ人を見ながら、絶対にこうはなりたくないと息を止める。
それなのに、目、耳、鼻、口から噴き出す喜怒哀楽を抑えきれない。
そして、好奇心が、嫌悪感を軽々と超えていく。
こんな体験をさせてくれるこの映画を、全力で承認したい。
小谷元彦|美術家・彫刻家
誰もが無意識に眠らせているイド(承認欲求や支配欲など)を抑圧から解放するとどうなってしまうのか。
そこから出現する怪物は夢の産物か、現実の産物か。
五所純子|文筆家 『薬を食う女たち』
ヒロインは正しく悩むだけが能じゃない。
自分を愛そう、自分で癒そう、自分で自分を価値づけよう、自分で、自分を、自分で、自分を、自縄自縛の、自家中毒で、自己破滅をかえりみず。
偽装の痣は、手のひら返しの美のモードに棘を刺しつつ、美への逆襲でも忠誠でもあったが、真実の徴となれば、自分のつくりだした夢が自分に対立してうろたえる。
現代人の、ショートカットされる転落、迂回するセルフラブ。
坂口涼太郎|俳優
吐き気がするほど痛快。
たぶん、誰でもえぐられる。
人間が一番見せたくないけど所有している感情を原液のままで処方してくれます。
あなたもエスカレートする前に受診してみて。
SYO|物書き
イタくて、痛い。でも他人事と一笑できない。むしろ泣けてくる。
制御不能の承認欲求モンスター? いや、これこそ僕らの正体だ。
最高に醜悪で、極限に切実。そして…引くほど面白い。完璧かよ。
ジェラシーくるみ|しがないOLコラムニスト
自分のことを上手く認められない人間は己の看板となるような「自分らしさ」に執着し、みだりに他人と自分の間に線を引きたがる。できるだけ太く、濃く、自分だけが際立つような線を引いて、自己の存在を確認したがる。
私は彼女の危うさを笑えない。どうしようもなく猛烈に「自分らしさ」というまやかしの慰めを欲するときがあるから。
本当に特別な存在は、特別扱いされなくても特別なのに。人から英雄扱いされなくても、自分の物語の主役は自分なのに。
ジョン・ウォーターズ|映画監督
相当にイカれてる!
でか美ちゃん|タレント
ある意味着実に「なりたい自分」へ近付いていくシグネのことを誰が笑えるのだろう。どこか心当たりがある後ろめたさから、彼女を馬鹿にすることも、憐れむこともできなかった。爛れた心を全員に無視された先の地獄。
……ところで私のこのコメント、どうですか?良くないですか?SNSで話題になって試写の連絡がいっぱい来ちゃうかも。私のオススメは観たくなるってよく言われるんです。みんなから言われます。ホントなんだから。
樋口毅宏|ハードボイルド育児作家
病気っぽさを売り物にした作り手や作品は反吐が出るほど嫌いだけどこれは完全に別格。
病める現代を切り取った、史上最悪のブラックユーモアムービー!
ブレット・イーストン・エリス|小説家
陽気なのにゾ―っとする。
マイケル・セラ|俳優
「The Worst Person in the World(わたしは最悪。)」の制作陣による新作だが、本作の方がそのタイトルにふさわしい。
MINAMO|セクシー女優
どんなものよりもこの夏私は1番怖いものを見た。最初から感じる重い違和感に段々と耐えられなくなる。次々に依存先を変える彼女に終わりは無い。彼女の恍惚とした表情、その目の動きは果たして人間の顔なのか。全てが気持ち悪い。気持ち悪くて、とてもいい。
山井祥子|エレガント人生 (芸人)
大人が注目されるには“なにか”が必要だ。経歴や容姿や収入など、秀でているものがなければ、取り沙汰されることはない。それでも幸せに生きられる者もいるし、幼児のように一挙手一投足に注目されたいと望む者もいる。簡単に手に入る注目は、劣悪なドラッグのようだ。
この作品は、痛々しいまでにリアルである。
ゆっきゅん|DIVA
才能や実力ではなく、嘘や問題のある行動で他人の気を引くシグネの姿はどれも滑稽でかなりイタいものだが、理想の自分になるために必要な季節を命懸けで生きているのだよなーと思うと、こうなるしかなかった痛切さが、なんか、笑い事ではなかった。
シック・オブ・マイセルフ
2023年10月13日(金)、新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほかロードショー
脚本・監督:クリストファー・ボルグリ
出演:クリスティン・クヤトゥ・ソープ 、エイリック・セザー、ファニー・ベイガー
2022年|ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・フランス| 97分 |COLOR |ノルウェー語・英語|原題:SYK PIKE|字幕翻訳:平井かおり
配給:クロックワークス
© Oslo Pictures / Garagefilm / Film I Väst 2022
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