ホアキン・フェニックス主演、リドリー・スコット監督による映画『ナポレオン』が12月1日(金)に全国の映画館で公開。いよいよ明日に公開を控える本作から、圧倒的スケールを誇る“アウステルリッツの戦い”についてリドリー・スコット監督が語る特別映像が解禁された。見渡すばかりの雪と氷の世界で、“軍師”ナポレオンによる「まるでオオカミ」「無駄がない」戦略とは?
本作はアカデミー賞®作品賞受賞の『グラディエーター』や『オデッセイ』などを手がける巨匠リドリー・スコット監督と『ジョーカー』のアカデミー賞®俳優ホアキン・フェニックスが、『グラディエーター』以来の再タッグで挑むスペクタクル超大作。歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオン。英雄と呼ばれる一方で、悪魔と恐れられた男の真の姿を壮大なスケールで描く。
本作ではナポレオンの有名な戦いの数々も映像化。圧倒的な迫力で描かれる戦闘シーンは本作の見どころの一つ。今回解禁された特別映像では、ナポレオン史上最も華々しい功績をあげたとされる“アウステルリッツの戦い”についてリドリー・スコット監督が語っている。
凍てつく氷の湖の先で睨みあうロシア軍と、ナポレオン率いるフランス軍。ナポレオンは10キロほど離れた場所から敵の出撃を待つ。敵に優位だと思わせたら左翼から数千の歩兵が、そして右翼からは騎兵隊がなだれこんで、敵を湖に追い込んだ。気づいた時にはもう遅い。そこへ打ち込まれる大砲の雨。大砲は湖の氷を打ち破り、敵を次々と湖に沈めていく。人も、馬も、武器も、全ては氷の下に…。この“アウステルリッツの戦い”についてリドリー・スコット監督は「無駄がない。まるでオオカミだ」と語る。
手掛けたのは特殊効果スーパーバイザー、ニール・コーボールド。2度のアカデミー賞®(スコット監督の『グラディエーター』、『ゼロ・グラビティ』(13)を含む)に輝いた第一人者だ。コーボールドは「『ナポレオン』を引き受けることは当然だった。特殊効果スーパーバイザーにとっては夢物語であるリドリー・スコットの大作です」と語る。
しかし、『ナポレオン』は難題の山。大砲の爆発、倒れる馬、斬首、凍てつく湖の上で馬が氷を突き破る戦闘シーンなどスケールも桁違いなシーンの数々が登場する。「リドリーは戦いの最中は、混乱を見せたいのです。多くの血、飛び散る血や泥、役者にこびりつくように濡れた泥、四方八方から飛んでくるもの、多くの煙などを使って、彼は観客を戦いに引き込みます」とコーボールドは語る。
特にアウステルリッツの戦いで、彼の手腕が発揮された。まず、雪で凍った湖そのものを作り上げることから始まった。「リドリーの典型ですが、今まで私が手がけた中で最大の雪のエフェクトでした。最初にロケ地を見た時は、200〜300エーカー(※約80万~120万平方メートル、東京ドーム約8.6個~17.2個分)の単なる広大な野原でした。ここを氷の湖に変えて落ちるようにするためには、大きな穴を掘り、傾斜をつけ、固めることが必要でした。ロジャー・ホールデン率いるグリーンチームは素晴らしい仕事をし、氷の湖の表面を再現してくれました。そこを私の雪氷チームが氷で固めたのです」。
スコット監督と過去4作品で協働した調馬師ダニエル・ナプロス曰く、重要なのは実際の馬ができることと、機械仕掛けの馬を使う必要がある場合とを見極めることだと言う。本作では安全な範囲内で、できる限り実際の馬を起用している。馬が走れるように、雪の層の下に子どもたちの遊び場の下に敷くようなゴム製のマットを敷いた。ナプロスによれば、馬はスロープを下って水に入ることができ、泳ぐ訓練もでき、スロープを上がって水から出ることもできる。しかしこのアウステルリッツの戦いのシーンでは、馬が氷を突き破って落下する様子を表現するために、ナプロスは再びコーボールドにバトンを託した。
コーボールドは機械仕掛けの馬を使い、スタント用のタンクを作った。「私たちは30メートル×40メートルのタンクを地面に掘り、そこを氷に人が落下するFXエリアとして使いました」と説明する。そしてトラップドアのような仕掛けを作り、8台のカメラで、1〜2テイクですべてを撮影。「数回しか撮影しないようにセットアップするのに時間がかかりましたが、50から60回の撮影ができました。信じられないほど効率的な作業方法です」。スコットが多くのカメラを回しているため、コーボールドのチームメンバーは必然的に兵士の衣装を着て撮影に挑んだのだという。
リアルさと特殊効果の相乗効果が、とてつもない氷上の戦いの再現を可能に。実際の迫力は大きなスクリーンで確かめてみよう。
『ナポレオン』はいよいよ明日12月1日(金)全国の映画館で公開。
ナポレオン
2023年12月1日(金)全国の映画館で公開
STORY
1789年。自由、平等を求めた市民によって始まったフランス革命。マリー・アントワネットは斬首刑に処され、国内の混乱が続く中、天才的な軍事戦略で諸外国から国を守り皇帝にまで上り詰めた英雄ナポレオン。最愛の妻ジョゼフィーヌとの奇妙な愛憎関係の中で、フランスの最高権力を手に何十万人の命を奪う幾多の戦争を次々と仕掛けていく。冷酷非道かつ怪物的カリスマ性をもって、ヨーロッパ大陸を勢力下に収めていくが――。フランスを守るための戦いが、いつしか侵略、そして征服へと向かっていく。彼を駆り立てたものは一体何だったのか?
・原題:Napoleon
・US公開日:11月22日予定
・監督:リドリー・スコット(『グラディエーター』『オデッセイ』)
・脚本:デヴィッド・スカルパ(『ゲティ家の身代金』)
・出演:ホアキン・フェニックス(『ジョーカー』『グラディエーター』)、ヴァネッサ・カービー(『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』)
公式サイト www.napoleon-movie.jp
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