社会の何処にも居場所のなくなってしまった9歳の少女を繊細かつ強烈な描写で描き、ベルリン国際映画祭やドイツ映画賞など世界各国で37冠に輝いたノラ・フィングシャイト監督の長編初監督作品『システム・クラッシャー』が4月27日(土)より全国順次公開。このたび日本版ポスタービジュアルならびに予告編映像が解禁となった。
“システム・クラッシャー”とは、あまりに乱暴で行く先々で問題を起こし、施設を転々とする制御不能で攻撃的な子供のこと。助けることができない子供たちを指す言葉だ。本作は、幼少期に父親から受けたトラウマを背負い、手の付けようのない暴れん坊と化してしまった9歳の少女ベニーの物語。監督・脚本は、本作が長編映画デビュー作となるノラ・フィングシャイト。ホームレスのための避難所生活を描いたドキュメンタリーの撮影中、初めて“システム・クラッシャー”と呼ばれる子供がいることを知ったことから、教育支援学校、緊急収容センター、児童精神科病棟などの関係者と綿密に取材を重ね、現場を体験しながら5年間のリサーチを経て脚本を執筆し、映画化した。

今回解禁となった日本版ポスターは、子供も大人も関係なく悪態をつきまくる嵐のような9歳の少女ベニーを真正面から捉えたカット。キャンディーを頬張りながらも、その罵りようときたら大人顔負け。その怒りとは裏腹な愛の渇望を訴える視線が、作品と同様に人々を射貫く一枚だ。

あわせて解禁された予告編には、中指を突き立て捲し立て続けるベニーの絶叫が満載。でも本当はただ、ママと一緒にいたいだけ…。そんな願いも社会の理不尽にぶち当たるとすぐに忘れてキレ散らかしてしまう。家族もお手上げの状態で、このままではどこにも居場所が無くなってしまう。見知らぬおじさんに悪態をつくベニー、学校に行きたくないと刃物を振り回すベニー、鎮静剤を打たれ動けなくなったベニー、9歳児の過酷な現実に目を覆いたくなる映像も多数だが、それでもママを呼び続けるベニーのやまびこが切ない予告編となっている。
バックで流れるニーナ・シモンの「Ain’t Got No, I Got Life」は、なにも持ちえない自分という絶望と、それでも命と自由だけはあるという不屈の希望を歌った、映画本編でも流れる屈指の名曲。ニーナ・シモン自身もアメリカが持っていた様々な矛盾や問題、そして自身の置かれた環境や家族や自分自身への怒りをストレートにぶつけ、一時は音楽業界からも忌避された過去を持つ伝説のアーティスト。本作の主人公ベニーと重ね合わせることで、より胸に響く。
『システム・クラッシャー』は4月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
システム・クラッシャー
2024年4月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
STORY
9歳の少女ベニーは、幼少期に父親から受けたトラウマを背負い、手の付けようのない暴れん坊と化してしまう。その怒りようといったら烈火のごとく、里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行こうと問題を起こして追い出されてしまう。そんなベニーの願いはひとつ、「ただ、ママのもとに帰りたい」。しかし、母はベニーに対して愛情は持ちながらもどのように接していいのか皆目見当がつかず、施設へと押し付け続ける。このままでは何処にも居場所がなくなってしまうという中、非暴力トレーナーのミヒャは、自分とベニーの二人きり森深くの山小屋で3週間の隔離療法を受けさせることを提案。はじめは文句を言い続けていたベニーだったが、徐々にミヒャへ心を開き始め、ある変化が…。
監督・脚本:ノラ・フィングシャイト 撮影:ユヌス・ロイ・イメール 音楽:ジョン・ギュルトラー
出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ
原題:Systemsprenger 英題:System Crasher 日本語字幕:上條葉月 後援:ゲーテ・インスティトゥート東京
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション 配給:クレプスキュール フィルム
2019年/ドイツ/ドイツ語/カラー/125分/ビスタ
© 2019 kineo Filmproduktion Peter Hartwig, Weydemann Bros. GmbH, Oma Inge Film UG (haftungsbeschränkt), ZDF




