“桁違い”の映像美と石岡瑛子の衣装に注目！　ターセム監督の伝説的ファンタジー『落下の王国 4Kデジタルリマスター』予告編解禁

2008年の日本公開以来、国内では配信されることなく、“幻”とされ続けてきたカルト的ファンタジー大作『落下の王国』の4Kデジタルリマスター版が、11月21日（金）より全国公開。このたび予告編＆場面写真が解禁された。

『ザ・セル』で鮮烈なビジュアル世界を築き上げ、世界を驚嘆させた“映像の魔術師”ターセム監督。彼が構想26年、撮影に4年を費やし、自らの私財を投じて完成させた一大プロジェクトが、ついに4Kデジタルリマスターで蘇る。オリジナルの劇場公開版でカットされたシーンが新たに追加され、より濃密で没入感あふれる体験を実現した。

本作は、CGに頼らず13の世界遺産、24ヵ国以上のロケーションを巡って撮影された“本物”の映像によって構築されている。万華鏡を覗き込むかのような鮮烈な映像美は、観る者の心を奪う。物語は、事故で大怪我を負ったスタントマンの青年ロイが、自殺のための薬を手に入れるべく、入院中の少女アレクサンドリアに思いつきの冒険譚を語り始めることから展開。6人の勇者が悪に立ち向かう【愛と復讐の叙事詩】は、やがて二人の運命をも揺さぶる物語へと発展していく。

この壮大な自主制作映画には、デヴィッド・フィンチャー、スパイク・ジョーンズといったハリウッドの巨匠たちが製作をサポート。さらに、フランシス・F・コッポラ監督作『ドラキュラ』でアカデミー賞®衣装デザイン賞を受賞し、2008年北京オリンピック開会式の衣装も手掛けた故・石岡瑛子が参加。民族文化や建築、ファッションなど多彩なエッセンスを融合させ、唯一無二の美術世界を創出している。とりわけエヴリン姫の赤を基調としたドレスは、石岡ならではの遊び心と先鋭的な感性を象徴する衣装として際立っている。

このたび解禁された予告編では、ベートーヴェン《交響曲第7番》の旋律に乗せて、少女の想像力が描き出す幻想世界が鮮やかに広がる。白装束に身を包んだ人々の神秘的な舞い、ピチョーラ湖を背景にしたヒロインの登場、さらにはタージ・マハルやナミブ砂漠、フィジー諸島といった絶景の数々。現代では再び撮影することすら困難なスケールで織り上げられた映像体験が、観客を迷宮のような映像世界へと誘う。

また、解禁された場面写真では、石岡瑛子による独創的な衣装美術の真髄を垣間見ることができる。チャンド・バオリの階段井戸で撮影された幻想的なシーンや、「この世のものとは思えない青」と称されるパンゴンツォ湖での印象的なカットは、本作が“映画”という枠を超えた美術品であることを雄弁に物語っている。