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ジャン=リュック・ゴダール、濱口竜介、ヴィム・ヴェンダースなど、世界の映画作家たちに絶大なる影響を与え続けているフランスの巨匠ロベール・ブレッソンの傑作5作品が、2026年4月18日(土)よりユーロスペースにて公開されることが決定した。上映作品は『ラルジャン』『スリ』『少女ムシェット』『バルタザールどこへ行く』『白夜』。あわせて、5作品のポスタービジュアルおよび場面写真、そしてジャン=リュック・ゴダール、濱口竜介のコメントが解禁された。

映画監督ロベール・ブレッソンの名前を知っている人も多いだろう。その名前はどんなイメージを抱かせているだろうか、難しい映画を撮る人だと思われていないだろうか? ブレッソン映画は、その特徴で説明されることも多かった。職業俳優を使わない、出演者に演技をさせない、伴奏音楽を使わない、必要なもの以外は登場させない――禁止事項ばかりということか?これでは難しそうな印象になるのも無理はない。本当にそうだろうか。それらの特徴は禁止事項ではなく、すべてを提示してわたしたちの感覚を縛り付けるのではなく、観客の感性を強く信頼しているからだと言えまいか。ひとたび映画館の暗闇でスクリーンに向き合えば、いろいろなものが見え、そして聞こえてくるだろう。『スリ』の手の動き、『バルタザールどこへ行く』の少女の迷い、『少女ムシェット』の囚われる視線、『白夜』の輝き、『ラルジャン』の抗えない悪……。

今回の上映にあたり『スリ』『バルタザールどこへ行く』『少女ムシェット』『ラルジャン』には、新たな字幕翻訳を作成。また5作品すべてを、現在ある最新のレストア版にて上映する。

コメント

ドストエフスキーがロシア文学であり、モーツァルトがドイツ音楽であるように、
ブレッソンがフランス映画なのだ。
―――ジャン=リュック・ゴダール

身震いするほど恐怖することと、打ち震えるほど感動することは両立する。
信じられない人は、ブレッソンのたどり着いた極北『ラルジャン』を見てほしい。
ただし大画面と、大音響で。
―――濱口竜介(映画監督)

上映作品

ラルジャン 2Kレストア

高校生が軽い気持ちで使った一枚の偽札が、巡り巡って燃料配達員イヴォンの手に渡り、そこから雪崩のように悪が突き進む。題名の『ラルジャン』(L’Argent)とは、フランス語で金(かね)を意味する。原作はトルストイの中篇小説『にせ利札』。ブレッソンはこの小説で描かれる悪の連鎖を、透徹した眼差しで見つめた。本作は、撮影当時、すでに80歳を超えていたブレッソンの長篇13作目にして遺作であり、映画史上に屹立する最高傑作である。

1983年 カンヌ国際映画祭 [創造大賞]
1983年 カイエ・デュ・シネマ誌ベストワン
1984年 全米映画批評家協会賞 [監督賞]

監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン | 原作:トルストイ『にせ利札』 | 撮影:エマニュエル・マシュエル、パスカリーノ・デ・サンティス | 音楽:J.S.バッハ「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903」 | 出演:クリスチャン・パテイ、カロリーヌ・ラング、マルク=エルネスト・フルノー、ヴァンサン・リステルッチ、シルヴィー・ヴァン・デン・エルセン、ミシェル・ブリゲ

1983年 | フランス・スイス合作 | フランス語 | カラー | 85分 | 1.66:1 | モノラル | 原題:L’Argent | 日本語字幕:高部義之 | 配給:エタンチェ、ユーロスペース © 1983 Marion’s Films


スリ 2Kレストア
優れた人間は法を犯す自由があると考える青年ミシェルは、スリの技に魅了され自ら破滅の道を進む。ドストエフスキーの『罪と罰』をもとにブレッソンが描く魂の遍歴。前作『抵抗』に続き本作でも職業俳優は使われていない。撮影当時16歳だったジャンヌ役のマリカ・グリーンは、これを機に俳優となる。元スリで奇術師のカッサジが指導したスリのシーンは、最小限のカメラワークと緊密な編集で、官能的ともいえる手の美しさを画面に刻み付けている。

監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン | 撮影:レオンス=アンリ・ビュレル | 音楽:ジャン=バティスト・リュリ | スリ技術指導:カッサジ | 出演:マルタン・ラサール、マリカ・グリーン、カッサジ、ピエール・エテックス

1959年 | フランス | フランス語 | モノクロ | 76分 | 1.37:1 | モノラル | 原題:Pickpocket | 日本語字幕:高部義之 | 配 給:エタンチェ、ユーロスペース © 1959 AGNESD ELAHAIE PRODUCTIONS CINEMATOGRAPHIE


バルタザールどこへ行く 4Kレストア
聖人のようにバルタザールと名付けられた小さなロバは、幼いマリーに引き取られ可愛がられる。やがてバルタザールは他の飼い主たちの手に渡り、次々と人間の業に翻弄される。一方マリーは、幼馴染のジャックの求愛を退け、みずから求めるかのように苦難の道を歩んでいく。ドストエフスキーの長篇小説『白痴』の挿話から着想を得たブレッソンの異色作。ブレッソンによれば、バルタザールの生涯は二つの図式からなる。一つは、ロバも人間のような成長過程を辿るというもの。そしてもう一つは、ロバが人類の悪徳を象徴する人間たちに次々と苦しめられるというもの。職業俳優を使わないブレッソンだが、本作では、ロバも調教されていない動物が選ばれた。マリー役は、一時期ゴダールの伴侶でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキー。彼女は、この後、俳優、小説家となる。

1966年 ヴェネチア国際映画祭 [審査員特別表彰/イタリア批評家賞 国際カトリック映画事務局賞]
1966年 フランス映画批評家協会 [ジョルジュ・メリエス賞]

監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン | 撮影:ギラン・クロケ | 音楽:シューベルト「ピアノソナタ第20番」イ長調 D959、ジャン・ヴィエネル | 出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、フランソワ・ラファルジュ、ジャン=クロード・ギルベール、ピエール・クロソウスキー

1966年 | フランス・スウェーデン合作 | フランス語 | モノクロ | 96分 | 1.66:1 | モノラル | 原題:Au hasard Balthazar | 日本語字幕:高部義之 | 配給:エタンチェ、ユーロスペース ©1966 Argos Films – Parc Film – Athos Films – Swedish Film Institut – Svensk Filmindustri


少女ムシェット 4Kレストア
重病の母とアルコール依存症の父を持つ14歳のムシェットは、学校で友人もなく孤独で苦しい日々を過ごしている。ある日、森で道に迷った彼女は密猟者のアルセーヌに助けられるが、その夜、辛い出来事が起こる……。カトリックの作家ベルナノスの原作をもとに、ブレッソン自ら脚色した作品。この作品で音楽が使われるのは冒頭と最後のみで、劇中では背景音を組み立てた豊かな音響と切り詰められた台詞で緊張感が高められている。ジム・ジャームッシュは本作を映画史上のトップ10に選んでいる。

1967年 カンヌ国際映画祭 [国際カトリック映画事務局賞]
1967年 ヴェネチア国際映画祭 [イタリア批評家賞]
1967年 フランス映画批評家協会 [ジョルジュ・メリエス賞]

監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン | 原作:ジョルジュ・ベルナノス『新ムシェット物語』 | 撮影:ギラン・クロケ | 音楽:モンテヴェルディ、ジャン・ヴィエネル | 出演:ナディーヌ・ノルティエ、ポール・エベール、マリー・カルディナル、ジャン=クロード・ギルベール、ジャン・ヴィムネ

1967年 | フランス| フランス語 | モノクロ | 82分 | 1.66:1 | モノラル | 原題:Mouchette | 日本語字幕:高部義之 | 配給:エタンチェ、ユーロスペース ©1967 Argos Films – Parc Film


白夜 4Kレストア
こんな映画はない。永遠に新しい。 ――ヴィム・ヴェンダース
なぜ、あなたをとても好きなのかわかる?私に恋してないからよ
ドストエフスキーの原作では19世紀のペテルブルクが舞台だったが、ブレッソンは撮影当時のパリに移し、セーヌ河畔とポンヌフを背景に若き男女の出会いを見つめていく。70年代のパリの街、セーヌの夜を彩る歌や音楽、観光船の眩い美しさ……。さまざまな魅力に溢れる傑作が、ついに4Kレストアされ、鮮明な映像でよみがえる。

1971年 ベルリン国際映画祭 [国際カトリック映画事務局賞]
1971年 英国映画協会 [サザーランド杯]

監督、脚本、台詞:ロベール・ブレッソン | 原作:ドストエフスキー | 撮影:ピエール・ロム | 出演:イザベル・ヴェンガルテン、ギヨーム・デ・フォレ、ジャン=モーリス・モノワイエ

1971年 | フランス・イタリア合作 | フランス語 | カラー | 83分 | 1.66:1 | モノラル | 原題:Quatre Nuits d'un rêveur | 日本語字幕:寺尾次郎 | 配給:エタンチェ、ユーロスペース © 1971 Robert Bresson

まとめ(注目ポイント)

  • 「ロベール・ブレッソン傑作選」2026年4月18日(土)より公開『ラルジャン』『スリ』『少女ムシェット』など、映画史に屹立する伝説の5作品をユーロスペースにて一挙上映。
  • 最新の4K/2Kレストア版と新訳字幕による貴重な上映全作品を最新のレストア版で上映。4作品で新たな字幕翻訳を採用し、巨匠の息遣いを鮮明に再現。
  • 濱口竜介監督やゴダールら世界の映画作家による絶賛「フランス映画そのもの」と評したゴダールや、『ラルジャン』を「極北」と語る濱口監督の熱烈なコメントが到着。
  • 観客の感性を信頼する、極限まで削ぎ落とされた映像美職業俳優を起用しない独自の演出で映画の真実を追求した、時代を超越するブレッソン・スタイルの真髄。
上映情報

ロベール・ブレッソン傑作選
2026年4月18日(土)よりユーロスペースにて公開

配給:エタンチェ、ユーロスペース

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