『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督の長編2作目『トムボーイ』が、2021年9月17日より新宿シネマカリテほかで公開。ジェンダーとアイデンティティーを行き来する主人公のひと夏の挑戦を描いた本作より、瑞々しくもスリリングな予告編が解禁された。

2019年のカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督による2011年製作の長編2作目『トムボーイ』。2011年ベルリン国際映画祭でのプレミア上映では「思いがけない笑いと涙を誘われる。忘れがたい場面でいっぱい」(The Hollywood News)、「アイデンティティーの探求とその落とし穴を描いたエポックな作品」(Los Angeles Times)など絶賛と共に迎えられ、テディ賞審査員特別賞を受賞。 そのほかブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭や、オデッサ国際映画祭などの主要賞を獲得し、世界中で上映された。

低予算のインディペンデント作品ながら、本国フランスでの劇場公開時には30万人動員の大ヒットを記録するという異例の快挙を成し遂げた。主人公のロール/ミカエルをゾエ・エラン、愛らしい妹ジャンヌをマロン・レヴァナ、引っ越し先でロール/ミカエルと出会うリザをジャンヌ・ディソンが演じる。
本作の主人公は引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、新たに知り合った友人たちとの間で男の子として過ごそうとするロール。このたび解禁された予告編では、新しい街で同年代のリザから名前を尋ねられ「ミカエル」と答える姿や、新たな仲間たちに迎えられる様が描かれている。夏休みの間、新しい仲間と過ごす新しい自分。サッカーや海での遊びを楽しんだり、妹ジャンヌの協力のもと襟足を整えたり、ミカエルとして過ごすことに余念がなかったが、そんな日々も長くは続かない。ある日母親に「みんなに男の子だと言っていたの?なぜそんなことを?」と詰め寄られてしまう。

セリーヌ・シアマ監督は本作の構想について「女の子が男の子になりすますという物語は、長いこと私の頭の中にありました」とコメント。「映画のもたらす複雑な感情の部分と対照的に、太陽を感じさせるような作品を作りたいと思っていた」と述べている通り、スリリングながらも眩しく瑞々しいシーンの数々が切り取られている。
トムボーイ
2021年9月17日(金)より新宿シネマカリテ他にてロードショー
【ストーリー】
夏休み、家族と共に新しい街に引っ越してきた10歳のロール。引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、新たに知り合った少女リザたちに自分を男の子だと思い込ませることに成功する。やがてリザとは2人きりでも遊ぶようになり、ミカエルとしての自分に好意を抱かれていることに葛藤しつつも、お互いに距離を縮めていく。しかし、もうすぐ新学期。夏の終わりはすぐそこまで近づいているのだった…。
監督:セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』
出演:ゾエ・エラン、マロン・レヴァナ、ジャンヌ・ディソン
2011|フランス|カラー|フランス語|82分|原題:Tomboy
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ東京/ユニフランス
配給:ファインフィルムズ
© Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinéma 2011