ギリシャ最大のテッサロニキ国際映画祭で三冠を獲得し、世界中の映画祭から喝采を浴びた感動作『テーラー 人生の仕立て屋』が9月3日(金)新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開。このたび、“太陽の国ギリシャ”での映画撮影の舞台裏を捉えたメイキング写真が一挙11点解禁された。

監督ソニア自らカチンコを打つ姿や、大勢のスタッフによる集合写真なども

本作は、ギリシャ最大のテッサロニキ国際映画祭でギリシャ国営放送協会賞、青年審査員賞、国際映画批評家連盟賞の三冠に輝き、世界中の映画祭から喝采を浴びた感動の物語。寡黙なニコスはアテネで36年間、高級スーツの仕立て屋を父と営んできた。だがギリシャを不況が襲い、店は銀行に差し押さえられ、ショックで父は倒れてしまう。崖っぷちに立たされたニコスだったが、手作り屋台で「移動式テーラー」を始めることをひらめく。だが大きな屋台を背負って街に繰り出すも、道端で高級スーツは売れず…。途方に暮れるニコスにあるオファーが舞い込む。「ウェディングドレスは作れる?」紳士服一筋だったニコスは、世界にー着しかないオーダーメイドドレスを作り始めることに!

今回解禁されたメイキングスチールは11点。写真の向こうからも、その暑さと陽気な現場の雰囲気が伝わってくる。監督のソニア・リザ・ケンターマンが主人公ニコス役のディミトリス・イメロスと話し合う様子、ウェディングドレスで遊ぶ子役のダフニ・ミホプール、監督ソニア自らカチンコを打つ姿や、大勢のスタッフによる集合写真など仲睦まじい楽しげな様子が伺える。また、カメラを設置したクレーンを車に取り付けて、車の撮影に挑む様子などギリシャの珍しい撮影の舞台裏が垣間見られる。

「仕立て屋は古い時代に取り残されてしまった人物を体現しているのです」

本作はギリシャの陽気な明るい面とともに、職を失いかける主人公を通して、まさに現代のギリシャの現状を見ることができる。

監督ソニアは「本作は、経済危機の余波が残る現代のギリシャが舞台です。古い価値観と現在の経済が抱える課題がぶつかり、仕立て屋は現代社会に順応せざるをえなくなります。仕立て屋は古い時代に取り残されてしまった人物を体現しているのです。彼の慣習や倫理感、技術はもはや現実的ではなく、目まぐるしく変化する社会についていけません。我々はこの映画のように現在ギリシャのあちこちで職人技が消滅していくのを目の当たりにしています」と語る。

華やかなドレスや眩しいアテネの街並みとともに、本作の製作陣たちが伝えるのは、古き良き時代のギリシャや職人たちへのエールでもある。

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作品情報

テーラー 人生の仕立て屋
2021年9月3日(金)新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国公開

【STORY】
寡黙なニコスはアテネで36年間、高級スーツの仕立て屋店を父と営んできた。だが不況がギリシャを襲うなか、店は銀行に差し押さえられ、ショックで父は倒れてしまう。途方に暮れたニコスは、なんと手作り屋台で、移動式の仕立て屋を始めることを思いつく。だが店を飛び出してはみたものの、道端で高級スーツは全く売れず、商売は傾く一方。そんなある日、思いがけないオファーを受ける。「ウェディングドレスは作れる?」。これまで紳士服一筋だったニコスだったが、思い切って人生初めてのウェディングドレス作りに挑むことに!隣人の母子に手伝ってもらい、ニコスは女性服の仕立てを学び始める。そして青空の下、オーダーメイドのドレス作りを始めるが―!?

監督・脚本:ソニア・リザ・ケンターマン
出演:ディミトリス・イメロス、タミラ・クリエヴァ
2020年/ギリシャ・ドイツ・ベルギー/ギリシャ語・ロシア語/101分/スコープ/カラー/5.1ch
英題:Tailor 日本語字幕:星加久実 字幕監修:柳田富美子
後援:駐日ギリシャ大使館 配給:松竹

© 2020 Argonauts S.A. Elemag Pictures Made in Germany Iota Production ERT S.A.

公式サイト movies.shochiku.co.jp/tailor

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