大反響を呼んだ『ゲット・アウト』(17)、『アス』(19)のプロデューサー、ショーン・マッキトリックが新たに放つパラドックス・スリラー『アンテベラム』で映画初主演を飾ったジャネール・モネイの特別インタビュー映像が解禁された。本作への出演を決めた理由や、芸術が果たすべき役割について語っている。

本作は公私共に順風満帆の日々を送っていた主人公ヴェロニカが、突如として奈落の底に突き落とされていく様を描きながら、誰もが意表を突かれる仕掛けが用意されているスリラー映画。主演を務めたのは、共に全米賞レースを沸かせた『ムーンライト』(16)、『ドリーム』(16)で絶賛を博したジャネール・モネイ。グラミー賞候補の常連シンガーでもある実力派女優が、ひとり二役を演じ分けている。
1985年生まれのモネイが最初に脚光を浴びたのは、シンガーソングライターとしてで、人気ヒップホップデュオ「OutKast」のビッグ・ボーイに見出されて、2007年にソロ歌手としてデビューを果たした。
デビューアルバム『Metropolis』からシングルカットされた『Many Moons』は高く評価され、第51回グラミー賞にノミネート。さらにモネイは人気ブランドの広告塔にも抜擢されるなど、ニューソウルクイーンとして、またメッセージを発信する力強いアイコンとして羨望の眼差しを集める存在となっている。
初来日は2019年。「フジロック2019」に出演した彼女は、プリンスやマイケル・ジャクソンらブラックミュージックを血肉にして生まれた圧巻のパフォーマンスで日本の音楽ファンを魅了した。
また差別の犠牲となった黒人被害者の名前を連呼するプロテストソング『Hell You Talmbout』は、今年日本でもヒットを記録した映画『アメリカン・ユートピア』内でデイヴィッド・バーンがカバーするなど、モネイの才能やメッセージは多くのアーティストたちを刺激している。
歌手のみならず女優業も順調で、高い評価を得た『ムーンライト』や『ハリエット』など、自らの思想や心情と共鳴した作品に積極的に参加。映画初主演となった『アンテベラム』もその一つだ。

今回解禁された映像の中でモネイは本作出演について「黒人女性への敬意こそが本作に出演する決め手だった。過去と今、そして未来を形作る女性たち。そして私の祖母や先祖の女性のような。この映画は重要なことを描いていると思う。過去が現在や未来に直接的にどう影響しているか」と明かす。
本作が持つテーマにも惹きつけられたそうで「人種差別や無意識の攻撃、白人至上主義など、特に私たちが生きる今の時代こそ、もっと光を当てることが重要だと思うの。有害な問題にね」と熱弁。
また芸術の役割について「芸術には補助的な役割があると思うわ。人々になるほどと納得させる力がある。演説では人の心に届かないこともある。政治家の言葉では伝わらないときもある。引き込まれるような情熱が感じられないからよ。でも芸術にはそれができる。だから私は芸術家としてまっすぐでありたい。映画を世に生み出す苦しみを伴ってでもね。映像でイメージを見せることはものすごい力を持っている。人の心を変えられるの」と語った。
『アンテベラム』は11月5日(金)に全国ロードショー。(TOHOシネマズ シャンテのみ11月7日(日)より公開)。
アンテベラム
2021年11月5日(金) 全国ロードショー
※TOHOシネマズ シャンテのみ11月7日(日)より
出演:ジャネール・モネイ、エリック・ラング、ジェナ・マローン、ジャック・ヒューストン、カーシー・クレモンズ、ガボレイ・シディベ 脚本・監督:ジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツ
原題:ANTEBELLUM/2020年/アメリカ/英語/106分/カラー/スコープ/5.1ch/日本語字幕:大西公子
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
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公式サイト:antebellum-movie.jp