『エイリアン』『グラディエーター』などの名匠リドリー・スコット監督が、この秋公開された自身の最新作『最後の決闘裁判』の興行成績に失望していることを明かした。ただ、過去の監督作『ブレードランナー』の経験を踏まえて、前向きに「次のステップに進む」としている。

リドリー・スコット
"Ridley Scott" by Gage Skidmore is licensed under CC BY-SA 2.0
「良い映画は自分で見つけるものです」

『最後の決闘裁判』はリドリー・スコット監督がジョディ・カマー、マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレックという豪華キャストを迎えたミステリー。史実としていまだに真相不明な「フランス最後の決闘裁判」の行方を三者の視点から『羅生門』的構成で描き出す。1億ドルの予算で製作されたというこの作品は、国内ではわずか1,000万ドルの興行収入にとどまり、全世界でも3,000万ドルの興行収入に満たないという残念な結果に終わった。

The New York Times」紙の取材に応じたリドリー・スコット監督は、この成績に落胆していることを正直に語りつつ、自身の作品『ブレードランナー』を引き合いに出して次のように語った。

「非常に残念な結果になってしまいました。自分ではやったと思っていても、実際にはそうではないのが致命的です。『ブレードランナー』は成功すると私は思っていたのに、そうではなかったのです!『ブレードランナー』はポーリン・ケイル(ザ・ニューヨーカー誌の映画評で有名だった人物)という当時の大物批評家にこき下ろされました。だから、私は批評を絶対に読まないのです。自分で判断しなければなりません。観客が何を考えているのか、何を求めているのかを気にしていたら、それは致命的です。良い映画は自分で見つけるものです。今や『ブレードランナー』はアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されているのですから。自分のやったことが気に入っていれば、次のステップに進むことです」

監督の1982年の作品『ブレードランナー』も、全米興行収入が約2800万ドルと、当時期待される成績を大きく下回った作品だった。しかし時間の経過とともにSF映画の傑作のひとつとみなされるようになり、監督の言うように今ではアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されるほど高い評価を受ける作品となった。『最後の決闘裁判』が本当に成功か失敗かを今判断するのは早すぎると監督は言いたいのだろう。

「次のステップに進む」という言葉通り、スコット監督には早くも次の作品『ハウス・オブ・グッチ』の全米公開がもう間もなく控えている(日本は2022年1月14日公開)。アカデミー賞有力の一本ともいわれ、こちらもどのような成績を記録するのか注目だ。

『最後の決闘裁判』は日本公開中。

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