1970年代の名作『ラスト・ショー』や『ペーパー・ムーン』などでファンを獲得したピーター・ボグダノヴィッチ監督が2022年1月6日、ロサンゼルスの自宅で死去したことが米メディアで報じられた。自然死ということで、自宅に緊急救命隊が呼ばれたが蘇生できなかったという。享年82。

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ピーター・ボグダノヴィッチは1939年に米ニューヨーク州キングストンで生まれ、子供の頃からの映画マニア。演技を学びながら、映画パンフレットの編集、映画評論、舞台演出を経て、68年に『殺人者はライフルを持っている!』(日本はテレビ公開)で映画監督デビューした。
71年の『ラスト・ショー』でアカデミー賞監督賞、同脚本賞にノミネート。他に『おかしなおかしな大追跡』(72)、『ペーパー・ムーン』(73)、『ニッケルオデオン』(76)、『ニューヨークの恋人たち』(81、日本ビデオ公開)、『マスク』(84)、『ラスト・ショー2』(90)などで活躍した。また俳優としてもTV『ザ・ソプラノズ』などに出演していた。
Embed from Getty Images交際していた元プレイメイトのドロシー・ストラットンが、ボグダノヴィッチとの関係を妬んだ別居中の夫でマネージャーのポール・スナイダーに射殺されたスキャンダルは『スター80』(83)として映画化もされた。
彼の死を悼んで、同監督の『ラスト・ショー』などに出演した俳優のジェフ・ブリッジスは「心が折れそうです。私の親愛なる友人であるピーター、私は彼を愛していましたし、寂しく思っています。素晴らしいアーティスト。愛してるよ、ピーター」とSNSで追悼メッセージ。
また同監督の『ペーパー・ムーン』でアカデミー賞助演女優賞を史上最年少受賞したテイタム・オニールもSNSで「ピーターは私の天と地のような存在でした。父のような存在であり、友人でした。『ペーパー・ムーン』から『ニッケルオデオン』まで、彼はいつも私を安心させてくれました。愛しています、ピーター」と思いを綴った。
ほかにもバーブラ・ストライサンドらかつて一緒に仕事をした俳優たちがSNSなどで哀悼のメッセージを寄せている。