コロナ禍のインドで配信公開され、多くの視聴者が衝撃を受け、同時にSNSで多くの共感の声が広がった映画『グレート・インディアン・キッチン』(1月21日公開)。日本公開を目前に、ジヨー・ベービ監督からの撮りおろしメッセージ映像が到着した。

「世界でも自由や平等という面で女性は問題に直面しています」

2021年1月、コロナ禍のインドで配信により公開された『グレート・インディアン・キッチン』。センシティブな宗教問題を含んでいたため大手配信会社に拒絶され、無名の配信サービスで大掛かりな宣伝などなくひっそりと公開されたにもかかわらず、視聴者からのクチコミでSNSに共感の声が広がり、配信会社のサーバがダウンするほどの話題となった。

物語の主人公は、名前を持たない「妻」と「夫」。インド南西部のケーララ州で、古くからのインドの風習に従い、お見合いで結婚した高カーストの男女。中東で育ち、モダンな生活様式に慣れていた妻は、夫と義理の両親が暮らす由緒ある邸宅に入り、温和な姑の下で家事のあれこれを学んでいく。結婚後まもない時期に、姑は嫁いだ娘の出産準備のため家を離れる。舅は家電の使用を嫌い、夫は作りたての手料理を好む。通いの家政婦もいない家で、妻はミキサーや洗濯機を使うことを許されず、一人で家事全般を受け持つこととなる。「妻」が家事から解放されるのは、「穢れ」であるため、小部屋で一人隔離されて過ごす、生理の期間だけだった——。

本映像でジヨー監督は「本作の多くがキッチンと家の中での出来事で、キッチンそして家全体が女性にとって牢獄のようなもの」と作品の本質を説明。

そして「特にインド人女性には自由というものがない。世界でも自由や平等という面で女性は問題に直面しています。本作が描くのはそれらの問題や女性の生活、家父長制。『グレート・インディアン・キッチン』で女性の生活を感じてみてください」とメッセージを送っている。

日本でのイベント上映時にも多くの観客から「これはインドだけの問題ではない」と支持された本作は、1月21日(金)より新宿ピカデリー他全国順次ロードショー。

作品情報

グレート・インディアン・キッチン
2022年1月21日(金)より新宿ピカデリー他全国順次ロードショー

出演:ニミシャ・サジャヤン スラージ・ヴェニャーラムード 監督:ジヨー・ベービ
原題:The Great Indian Kitchen / 2021年/ マラヤーラム語/ シネスコ/ 5.1ch/ 100分

配給:SPACEBOX

©Cinema Cooks, ©Mankind Cinemas, ©Symmetry Cinemas

公式HP:tgik-movie.jp

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