ロシアが実効支配する地、北方領土の国後島の現実を、旧ソ連出身フランス在住の監督が映し出すドキュメンタリー映画『クナシリ』が、このたびのウクライナ情勢を受け、シネマ映画.comで緊急配信されることが決定した。

「それはすでに戦争の始まりでした」

本作は、日本人が容易に足を踏み入れることができない地、北方領土の国後島で暮らすロシア人島民らの生活や島の様子を捉えたドキュメンタリー。

北海道からわずか16キロに位置し、かつては四島全体で約17,000人の日本人が生活していたという北方領土。戦後76年を経て、現在の国後島の様子をありのままに映し出した本作から見えてきたのは、ロシア人島民の厳しい暮らしぶりや日本に対する本音。幼少期に強制退去の様子を目の当たりにした島民の当時を振り返る貴重な証言や、日本・ロシア間の平和条約締結への願い、生活苦を訴える切実な声などを、どちらにも偏ることなく客観的かつ淡々と映し出している。

両国の主張が膠着状態のまま政治に翻弄されてきた当事者たちの複雑な心境や実際の生活など、これまで我々が知らされることのなかった国後島の「真実」が明らかとなっている。

ウクライナでは、町が破壊され、子どもを含めた民間人も犠牲者となり、多くの人々が故郷を離れて近隣諸国へ避難せざるを得ない状況にある。ロシアとの間で領土問題を抱えているのはウクライナも日本も同様。この映画をきっかけに、北方領土の実情を知り、国益の対立に巻き込まれた人々に思いを寄せる機会になればということで、今回緊急で配信が行われることになった。

二国間の「国益」のぶつかり合いや外交問題に焦点が当たる中で、現地に暮らす人々の思いは、より生活に密着したものであることを感じられる作品となっている。このたび到着した監督からのコメントは以下の通り。

ウラジーミル・コズロフ監督のコメント

本作で予言めいたことですが、私はロシアの侵略と軍事化の成長について話しました。 それはすでに戦争の始まりでした。 私は2014年のウクライナの侵略に憤慨し、それが元で3年間ベラルーシに戻ることができませんでした。テレビがこの映画の上映を拒否するかもしれません。それはあまりにも敏感なトピックだからです。

収益の一部は、侵攻を受けたウクライナの人々の人道支援のために、国連UNHCR協会を通じて寄付されるという。

ロシアでは上映が拒否された話題のドキュメンタリー『クナシリ』は、3月11日(金)よりシネマ映画.comにて緊急配信。

作品情報

クナシリ
シネマ映画.comにて緊急配信

配信期間: 3/11(金) 00:00〜3/21(月・祝) 23:59
価格: ¥1,000(税込) 
シネマ映画.com視聴ページ: https://cinema.eiga.com/titles/339/

監督・脚本:ウラジーミル・コズロフ  撮影:グレブ・テレショフ  製作:デヴィッド・フーシェ 
2019年/原題:KOUNACHIR/ドキュメンタリー/フランス/74分/5.1ch/ビスタ  日本語字幕:松永昌子

配給:アンプラグド

© Les Films du Temps Scellé - Les Docs du Nord 2019

公式サイト kounachir-movie.com

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