ウクライナ情勢を受けて緊急上映中の『ひまわり』に問い合わせ殺到　劇場・自主上映は当初の10倍以上の規模に

このたびのウクライナ情勢を受け、改めて平和を願って緊急上映中の名作映画『ひまわり 50周年HDレストア版』。連日、全国の劇場ならびに自主上映主催団体やTV局等から問い合わせが相次ぎ、劇場・自主上映の規模は当初の約10倍以上に膨らんでいる。

イタリアを代表する名優ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが共演した『ひまわり』は、『靴みがき』(46)、『自転車泥棒』(48)などで知られるネオレアリズモの名匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督が、互いに思いながらも戦争によって引き裂かれた夫婦の姿を、ヘンリー・マンシーニによるあまりにも有名な甘く切ないテーマ曲に乗せて描き出す悲しき愛の物語。

有名なひまわり畑のシーンは、ウクライナの首都キエフから南へ500kmほど行ったヘルソン州で撮影されたものだと言われている。ひまわりはウクライナの国花でもあると、ロシアによる侵攻がはじまるとSNS上ではひまわりの絵や写真をアップし、ウクライナの安全と平和を祈る投稿が相次いだ。

戦争に引き裂かれた夫婦を描いた本作中には「イタリア兵とロシア兵が埋まっています。ドイツ軍の命令で穴まで掘らされて。ご覧なさい、ひまわりやどの木の下にも麦畑にもイタリア兵やロシアの捕虜が埋まっています。そして無数のロシアの農民も老人、女、子供……」とのセリフがあり、あたり一面に広がる美しいひまわり畑と、戦争の残酷さの対比が胸を苦しめる場面がある。

今、改めて戦争の恐ろしさと悲しみを教えてくれる永遠の名作『ひまわり 50周年HDレストア版』。3月12日(土)より先駆けて上映が始まったキネマ旬報シアターは連日多くの来場者で賑わい、3月15日(火)は平日にも関わらず満席に。

都内での上映も決定し、3月18日(金)からはkino cinéma立川髙島屋SC館、3月25日(金)からは新宿武蔵野館にて上映が始まる予定。現在上映の決まっている劇場、自主上映会のスケジュールは以下の通り。

なお、このたびの上映で得た収益の一部は、今回の戦禍に於ける人道支援のため寄付に充てられる。本素材は、2020年に日本劇場公開50周年を記念してレストアされたものでパッケージ化や配信はされていないため、上映は貴重な機会となる。

▼上映劇場

・3/12(土)～上映中　千葉 キネマ旬報シアター
・3/18(金)～ 東京 kino cinema 立川高島屋SC館
・3/19(土)～　大阪府 シアターセブン
　　　　　　　　　神奈川 チネチッタ
・3/25(金)～31(木) 東京 新宿武蔵野館
・3/25(金)～4/7(木) 京都　京都みなみ会館
・3/25(金)～ 広島 八丁座
・3/26(土)
フォーラム八戸・盛岡・東根・山形・福島・那須塩原（単発上映）
・3/27(日) フォーラム仙台（単発上映）
・3/28(月)～4/8(金)　新潟県 高田世界館
・4/1(金)～　岩手 DORAホール
・4/8(金)～　福島 まちポレいわき
・4/9(土)～4/22(金) 鹿児島 ガーデンズシネマ
・4/15(金)～4/17(日)　東京 シアターギルド
・4/15(金) 香川 ホールソレイユ
・4/16(土)～4/29(金)　神奈川県 横浜シネマリン
・4/22(金)～　大分　別府ブルーバード劇場
・5/27(金)～　東京 船堀シネパル　兵庫 シネ・ピピア
・順次 名古屋シネマテーク

▼自主上映会

・3/21(月・祝)　栃木　日光市今市文化会館
・3/24(木)　秋田　秋田市文化会館小ホール
・3/25(金) 広島 三次CCプラザ
・4/6(水) 島根 松江市市民活動センター 交流ホール
・4/16(土)　福岡　福岡市男女共同参画推進センター
　　　　　　　　　　　　アミカス（九州シネマ・アルチ)
・4/26(火) 茨城 ザ・ヒロサワ・シティ会館　小ホール
・5/5(木) 北海道 道新ホール
・6/11(土) 神奈川 旭区民センターサンハート