アカデミー賞作品賞を受賞した映画『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックイーン監督が初めて挑んだTVシリーズ『スモール・アックス』(全5話)が本日3月29日(火)から「スターチャンネルEX」にて日本独占配信開始。このたび配信が始まる『マングローブ』(第1話)の舞台裏動画&場面写真が解禁され、あわせて各界の著名人10名から本作への絶賛コメントが到着した。
ゴールデングローブ賞で最優秀助演男優賞(ジョン・ボイエガ)、ロサンゼルス映画批評家協会賞では『ノマドランド』を抑えて最優秀作品賞に輝くなど、世界中の映画賞で高い評価を獲得した『スモール・アックス』は、“BLM(ブラック・ライブズ・マター)”の叫びが世界を揺るがす今、絶対に見逃せない、鋭い社会的メッセージとエンタテインメント性を備えた作品。
映画『それでも夜は明ける』の俊才スティーヴ・マックイーン監督が、自身のルーツであるロンドンのカリブ系コミュニティの人種差別の歴史にスポットライトを当てた、5本の“映画” から成るアンソロジー・シリーズだ。
このたび配信がスタートした第1話『マングローブ』は、かつてロンドンに実在した黒人住民憩いのレストラン「マングローブ」が舞台。1970年代当時このレストランに不当な手入れを繰り返していた白人警官たちに対する裁判を起こした9人の黒人住民グループ “マングローブ9”の実話が描かれる。イギリス警察による黒人差別が初めて法の下で裁かれた、イギリスの黒人コミュティにとって歴史的なターニング・ポイントとなった事件でもある。
今回解禁となった舞台裏動画では、製作に10年の年月を要した事実に自ら驚きを見せる監督のスティーヴ・マックイーンやキャストがインタビューに答える姿が映し出されている。マックイーン監督は、「この作品のおかげで今の僕の存在意義がある」と、自身のルーツと現在が色濃く反映されている作品であると明かす。“マングローブ9”の中心的人物を演じるレティーシャ・ライトは「若者は人々が闘ってきたことを知らない」と、英国人にさえ知られていない史実であることを示している。
そして一足早く本作を観た各界の著名人から、絶賛コメントが続々と到着。英国出身のブロードキャスター ピーター・バラカンは「多くの英国人にさえ知られていない現実で、制度的な差別を理解するためにも必見」と本作のテーマの重要性、社会的意義を強調する。
日本人の父とジャマイカ人の母を持ち、ロンドンに留学経験もあるアーティストのDaichi Yamamotoは、「『マングローブ』は実話と思うと悔しくて涙を流さずにはいられなかった」と自身のルーツとも重ねて作品への共感を寄せる。
レゲエアーティストのChozen LEEは「全5話、異なるそれぞれのストーリー全てに心に刻まれる言葉と、流れる至極の名曲の数々!」と劇中の楽曲と物語の融合に賛美を送る。
ロンドン市長殺人事件に巻き込まれた青年と黒人刑事を描いたクライムストーリー「ロスト・ラッド・ロンドン」を執筆した漫画家のシマ・シンヤは「完璧な構図の連続、匂いまでしそうな質感で語られる密度の高い群像劇」と映像の質感や密度の濃さに注目。
またジャーナリストの大谷昭宏は、「世界がまたしても戦火に見舞われたいまだからこそ、いっそう心に染みてくる」と70~80年代のロンドンを舞台に描かれる本作が、まさに“今”に通じる瞬間を称えている。コメント一覧・全文は以下の通り。
推薦コメント一覧(五十音順)
歴史書や思想書を読むだけでは得られない、喜怒哀楽の激しい感情と、最高の音楽と、新しい気づき。
5つのエピソードで立体的に英国カリブ系コミュニティを描いた『スモール・アックス』で、スティーヴ・マックイーン監督は映画以上の「何か」に到達している。
宇野維正(映画、音楽ジャーナリスト)
イギリスに住むカリブ系黒人に対する白人社会の苛烈で暴力的、かつ陰湿な差別。だが、そこに一筋の光を差し込ませる5話のアンソロジー。世界がまたしても戦火に見舞われたいまだからこそ、いっそう心に染みてくる。
大谷昭宏(ジャーナリスト)
完璧な構図の連続、匂いまでしそうな質感で語られる密度の高い群像劇。無言の瞬間にも想像させられる、経験の様々、その痛み、希望。英国からあまり輸出されて来なかった方の、英国の物語です。
シマ・シンヤ(漫画家)
本編で使用されている音楽、登場人物のファッションがとてもツボで、イギリスに住むジャマイカ人(カリブ諸国)の文化が華麗に描写されていて存分に楽しめました。『マングローブ』は実話と思うと悔しくて涙を流さずにはいられなかったです。でも、そんな中でも時折訪れる安堵の時間が柔らかく力強く美しかったです。
『ラヴァーズ・ロック』は大学時代を思い出すようなシーンもあってノスタルジックな気分になりました。
Daichi Yamamoto(アーティスト)
全5話、異なるそれぞれのストーリー全てに心に刻まれる言葉と、流れる至極の名曲の数々!喜怒哀楽の感情を掻き乱され揺さぶられた人類史、記録、記憶、伝えるべきメッセージ!
今と昔、何が変わって何が変わらないのか。"今"この作品に出会えたことに感謝します。是非、良い音で観て感じて欲しい!
Chozen LEE(レゲエアーティスト(FIRE BALL・THE BANG ATTACK)
マックイーン監督はかつてインタビューで、『それでも夜は明ける』を撮った理由を「私の祖先は奴隷。その現実を描いた映画がそれまでなかった」と語り、「私は『黒人監督』と言い表されるが、その前に人間だ」と言った。その言葉の重みが、英国のカリブ系の現実をつづったこの5作品で迫り来るはずだ。
藤えりか(朝日新聞記者)
スティーヴ・マックイーンによる、愛と闘争とリディムで溢れかえった特濃アンソロジー。これを観たなら、UKブラックの作るレゲエやドリル、グライムがもっと好きになるはず!
長谷川町蔵(文筆家)
レゲェという音楽の世界的な人気は、そもそも第二次大戦後にイギリスに渡ったカリブ海からの大勢の移民の存在によるものです。彼らの立場から語ったこの見事な一連のドラマは多くの英国人にさえ知られていない現実で、制度的な差別を理解するためにも必見です。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
英国のカリブ系黒人たちの苦難の歴史の中に時折訪れる、祝祭的な場面の音楽性が涙が出るほど素晴らしい。
唯一無二の作品だと思います。
山崎まどか(コラムニスト)
1960年代後期から70年代初期にかけて、イギリスに住むアフリカン・カリビアン系の人たちが受けてきた弾圧、人種差別。それから50年を経ても世界中で分断が進み、人種差別はなくならない。不屈の意思でそれに立ち向かうマングローブの9人たち。叩かれても叩かれても立ち上がり、弾圧に立ち向かう彼らにいつの間にか感情移入していた。
吉岡正晴(音楽ジャーナリスト/DJ)
スモール・アックス
(全5話)
<配信>「スターチャンネルEX」
【字幕版】3月29日(火)より配信開始
作品ページ:https://ex.star-ch.jp/special_drama/W7iMz
<放送>BS10 スターチャンネル
【STAR1 字幕版】 4月19日(火)より 毎週火曜23:00 ほか
※4月16日(土)21:00 字幕版 第1話:『マングローブ』全編を無料放送!
公式ページ:https://www.star-ch.jp/drama/smallaxe
【監督・脚本・製作総指揮】スティーヴ・マックイーン(『それでも夜は明ける』)
【製作総指揮】トレイシー・スコフィールド(『堕天使のパスポート』)、ローズ・ガーネット(『ジュディ虹の彼方に』)ほか
【出演】ジョン・ボイエガ、レティーシャ・ライト、マラカイ・カービー、ショーン・パークス、ナオミ・アッキーほか
© McQueen Limited
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