90年代ニューヨークから生まれ、今では世界的にメインストリームとなったストリートカルチャーの誕生を追ったドキュメンタリー映画『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合』(10月21日公開)より、無名時代の若き日のバスタ・ライムスの姿を捉えた本編映像が解禁された。

1980年後期のニューヨーク。アンディ・ウォーホールやジャン=ミシェル・バスキアたちの時代が終焉を迎え、そこに空いた穴を埋めるかのようにヒップホップとスケートボードという2つのサブカルチャーが頭角を現し始める。当初ヒップホップは黒人の物、スケートボードは白人の物というイメージが強かったが、当時では珍しくヒップホップを流すクラブMarsのオープンから、Wu-Tang Clan、Nasやノトーリアス・B.I.G.などのラッパーの誕生、映画『KIDS/キッズ』の公開、スケートブランドZoo YorkやSupremeのローンチなどを経て、ライフスタイルが似ていた両者の文化は次第に交わり、ラッパーがスケートブランドで着飾るように、スケーターがヒップホップを聴くようになる。そして、不良と呼ばれていた若者たちの生き様が、今では世界的に最も影響力のあるストリートカルチャーを作り上げた。本作は90年代ニューヨーク、ストリートカルチャーの誕生を追ったドキュメンタリー映画。
このたび解禁されたのは、1990年10月にコロンビア大学のラジオ局WKCRでスタートした番組「ストレッチ・アームストロング&ボビート・ショー」での貴重映像。
このラジオ番組はラージ・プロフェッサーなど当時アンダーグラウンドで普通のラジオには呼ばれないアーティストを次々と出演させ、熱狂的なファンたちに支持されていた。ア・トライブ・コールド・クエストのジェロビ・ホワイトがゲスト出演した日、番組の様子を撮影していると、ゲストではない若者が突然マイクの前に立ち、最高なライムを刻み始めた。それこそが、若かりし頃のバスタ・ライムスの姿。おそらく、彼の初ラジオ出演の映像である。このラジオ番組は成功の象徴で、偉大なアーティストたちの登竜門となった。

『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合』は10月21日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。
All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合
2022年10月21日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
監督:ジェレミー・エルキン
ナレーション:イーライ・ゲスナー
音楽:ラージ・プロフェッサー
製作総指揮:デヴィッド・コー
製作:デイナ・ブラウン、ジェレミー・エルキン
原題:All the Streets Are Silent: The Convergence of Hip Hop and Skateboarding(1987-1997)
2021年/アメリカ/89分
日本語字幕:安本 熙生
配給:REGENTS
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公式サイト atsas.jp