チャイ売りから映画監督を目指した少年の驚くべき“実話”から生まれた感動作『エンドロールのつづき』(1月20日公開)に、山田洋次監督をはじめ映画を心から愛する著名人からのコメントと漫画家・流⽔りんこのイラストが到着した。また本作のストーリーにちなみ、それぞれの“映画に恋に落ちた、あの1本”も挙げている。さらに、伝説の映画『2001年宇宙の旅』にオマージュを捧げたシーンの本編映像が解禁された。
チャイ売りの少年が映画と出会い、やがて世界で活躍する映画監督になる―。監督自身の驚くべき物語を映画化した『エンドロールのつづき』は、トライベッカ映画祭ほか、世界中の映画祭で5つの観客賞を受賞し、さらにバリャドリード国際映画祭では最高賞にあたるゴールデンスパイク賞をインド映画として初めて受賞。そして世界中の映画祭から喝采を浴び、第95回アカデミー賞インド代表(国際長編映画賞)に決定している。
今回解禁された本編映像は、スタンリー・キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』にオマージュを捧げたシーン。フィルムのカタカタという音とともに、35ミリフィルムの映写機の細部を愛でるような映像が映し出される。合間にフラッシュバックのようにインド映画が挟み込まれ、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」とともに、アップになった主人公の少年サマイの顔には映写室の光が写り込む。
映画という宇宙にさまよっているかのような錯覚に陥る映像は、映画に心を奪われ学校を抜け出し映画館に通うサマイが、映写室で居眠りをしてしまった後にみた、夢と現実の合間のシーンだ。その印象的なテーマソングを耳にすれば、すぐに『2001年宇宙の旅』のオマージュだということに気づくだろう。サマイがマッチを擦って炎をじっと見つめるシーンは、デヴィッド・リーン監督の『アラビアのロレンス』に出演しているピーター・オトゥールへのオマージュだ。
パン・ナリン監督は伝説の映画のオマージュを作品に散りばめた理由として「世界で一番の映画ファンを自負する一人として、私の人生や仕事に大きな影響を与えてくれた映画監督たちに賛辞やオマーシュを捧げずにはいられませんでした」と語る。他にも、「本作に隠された魔法が減ってしまうのは残念ですが」と前置きをしつつリュミエール兄弟と、彼らが監督した『ラ・シオタ駅への列車の到着』、連続写真の先駆者で映画のような画像を作り出したエドワード・マイブリッジなど、監督が心から敬愛する人たちにオマージュを捧げたことを明かしている。
さらに今回、本作を一足先に鑑賞した山田洋次ほか日本の映画監督、映画を心から愛する著名人からのコメントが到着。「同じアジアの監督としてはエールを贈らないわけにはいかない」「この映画を愛さずにはいられない!」「この世に既に存在しているモノを、いま⼀度、慈しむ⼤切さに、気付かせてもらいました」とそれぞれに応援・絶賛のコメントを寄せ、映画の内容にちなんで「映画に恋に落ちた、あの一本」として自分自身の思い出の映画のタイトルを挙げている。コメント全文・一覧は記事下にて。
世界で一番の映画ファンだと語る監督が、世界中の映画ファンへ贈る映画へのラブレター。そして、今もなおインドに存在する階級制度や貧困というテーマを背景に、大きな夢を抱き未来を照らす光を追い続ける少年の姿に希望をもらえる、宝箱のような感動作『エンドロールのつづき』は1月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋 他全国公開。
著名人コメント
インドの⽚⽥舎に⽣きる貧しい少年を描きながら、フイルムへの愛を⾼々と歌い上げるという⼤胆不敵な作品。同じアジアの監督としてはエールを贈らないわけにはいかない。
⼭⽥洋次(映画監督)
映画に恋に落ちた、あの 1 本『路傍の⽯』(1938)
この映画を愛さずにはいられない!
少年たちのキラキラした瞳と⾏動⼒に、
初めて映画と出会った頃を思い出した。
映画ってやっぱりいいなぁー
前⽥ 哲(映画監督)
映画に恋に落ちた、あの 1 本『華麗なる賭け』(1968)
懐かしさ、優しさ、あたたかさ、そしてスクリーンから溢れ出す映画愛。
変わっていく時代と向き合い、⾃分の道を切り開いていく、少年の眼差しと、その光たちが美しかった。タイトル
の意味を知ったとき感情が揺さぶられた。
藤井道⼈(映画監督)
映画に恋に落ちた、あの 1 本『エターナル・サンシャイン』(2004)
サマイが教えてくれたフィルムの⾏⽅に涙した。とても美しかったから。
⼤九明⼦(映画監督)
わたしたちがウッカリ落としてアッサリ忘れてしまったアレコレを、
9歳の少年がドンドン拾い集めてピカピカに磨き上げる。
映写室からのびる光の中に舞うホコリだって、彼にとっては宝モノ。
この世に既に存在しているモノを、いま⼀度、慈しむ⼤切さに、気付かせてもらいました。
呉美保(映画監督)
映画に恋に落ちた、あの 1 本『少年時代』(1990)
ひたすらに⼿を動かし、映画という〝夢〟の仕掛けを捉えんとする少年の澄んだ眼差しと、彼を取り巻く世界の美しさに⼼揺さぶられる。
まるでフィルム映画史の幕開けから終焉を辿るかのような物語。
強烈な映画愛が滲むラストのモノローグは格別だ。
こがけん(芸⼈)
映画に恋に落ちた、あの 1 本『星の王⼦ニューヨークへ⾏く』(1988)
熱中出来る何かに出会った時に⼈⽣の扉が開く。
ラストシーンに誰もが⾃分の〝あの時〟を想い出し胸がキュンとするだろう!映画に乾杯!
⼩堺⼀機
映画に恋に落ちた、あの 1 本『素晴らしき哉、⼈⽣!』(1946)
すべてのシーンのすべての細部が、光に彩られ、さまざまな輝きを放っている。なんていとしい映画だろう。映画を愛するサマイくんを、愛さずにはいられない。
⾓⽥光代(作家)
映画に恋に落ちた、あの 1 本『ザ・コミットメンツ』(1991)
ノスタルジックな感涙ものかと思ったら、映画とはなんぞや?と⾃分に問いかけた少年が因数分解するようにその真髄に迫る映画だった。鑑賞後に⼭ほど映画が観たくなるし、チャイがどうしても飲みたくなってスーパーに⾛った。
村⼭章(映画ライター)
エンドロールのつづき
2023年1月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋 他全国公開
STORY
9歳のサマイはインドの田舎町で、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。厳格な父は映画を低劣なものだと思っているが、信仰するカーリー女神の映画は特別と、家族で街に映画を観に行くことに。人で溢れ返った映画館、席に着くと、目に飛び込んだのは後方からスクリーンへと伸びる一筋の光…そこにはサマイが初めて見る世界が広がっていた。映画にすっかり魅了されたサマイは、再び映画館に忍び込むが、チケット代が払えずつまみ出されてしまう。それを見た映写技師のファザルがある提案をする。料理上手なサマイの母が作る弁当と引換えに、映写室から映画をみせてくれるというのだ。サマイは映写窓から観る色とりどりの映画の数々に圧倒され、いつしか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめるが―。
監督・脚本:パン・ナリン 出演:バヴィン・ラバリ
2021 年/インド・フランス/グジャラート語/112 分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:Last Film Show/日本語字幕:福永詩乃 G 応援:インド大使館 配給:松竹
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