フィリピンに暮らす最貧困エリアの子どもたちとその過酷な不法労働を、声高に告発するのではなく、ストイックな映像で映し出すドキュメンタリー映画『子どもの瞳をみつめて』が4月29日(土・祝)よりK's cinemaにて公開されることが決定し、ポスタービジュアルと予告編が解禁された。

フィリピンの最貧困エリアにあるゴミ集積所パヤタス地区で8年以上の歳月をかけて撮影

来月3月に開催される第18回大阪アジアン映画祭特別招待作品に選出された本作は、第2のスモーキーマウンテンと呼ばれる、フィリピンの最貧困エリアにあるゴミ集積所パヤタス地区で8年以上の歳月をかけて撮影されたドキュメンタリー。過酷な環境に置かれた子どもたちの生活に密着。様々なエピソードが静かに祈るように展開する。

監督はフィリピンに在住して約40年の瓜生敏彦と撮影監督のビクター・タガロ、共に初監督作。瓜生敏彦は、小林正樹監督『東京裁判』の撮影助手を経て、黒沢清監督『神田川淫乱戦争』『ドレミファ娘の血は騒ぐ』や四ノ宮浩監督『スカベンジャー』『神の子』の撮影監督で知られる。

このたび解禁された予告編は、ゴミ集積所パヤタス地区で暮らす最貧困エリアの子どもたちの様子を映し出している。急斜面の岩山でハンマーを振りかざして岩を砕く少年の姿から始まり、ダイオキシンの影響で水頭症になった少年と少女、過酷な荷物運びで背骨が曲がってしまう少年など、様々な境遇を生きるフィリピンの子どもたちの眼差しが捉えられている。

瓜生敏彦監督は、実家が三里塚闘争の拠点となったことから、小川プロに所属してドキュメンタリー映画を学び、以降は多くの映画・TVに参加、次第に生活の拠点をマニラに移し撮影活動を行っている。撮影に協力してくれたスラム街・スモーキーマウンテンの子どもたちにお礼をしたいと思い、何か欲しいものは?と聞くと、「学校が欲しい」と答えた。

その答えをきっかけに、子どもたちの無限な可能性を信じて、2001年に自費で無償の学校を設立。現在はNPO法人クリエイティブ・イメージ・ファウンデーションとして、教育による生活向上や演劇、音楽などを通して才能の開花を支援し約5000人以上が卒業している。本作は瓜生敏彦が見つめ続けた子どもたちの世界の集大成であり、新たな第一歩となる。

作品情報

子どもの瞳をみつめて
2023年4月29日(土・祝)〜新宿 K’s cinemaにてロードショー

【監督】瓜生敏彦、ビクター・タガロ
【プロデューサー】井上和子【統括プロデューサー】山口千恵子【撮影・編集】ビクター・タガロ【録音】シーザー・ウサナ【音楽】ダイワ・デ・レオン

【配給】アウトサイド

2022 / フィリピン / カラー / ビスタ / DCP / 93分
英題 : YIELD Final Version

©︎ 2022 TAKION.INC

公式サイト https://子どもの瞳をみつめて.net

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