トルーマン・カポーティの小説を映画化した『冷血』(67)で殺人犯を演じて一躍有名になった米俳優ロバート・ブレイクが3月9日、心臓病で死去したことが米メディア「Variety」などで報じられた。享年89。

40年代に子役からスタートし、軍隊生活を経て、演技を勉強しなおし再び映画界へ。しばらく芽が出なかったが、リチャード・ブルックス監督がトルーマン・カポーティの同名小説を映画化した『冷血』で一家惨殺事件の犯人ペリー・スミス役を演じ注目を集める。アンソニー・ホプキンスは映画『羊たちの沈黙』でハンニバル・レクターを演じる準備として『冷血』でのブレイクの演技を何度も見たと言われている。
ニューシネマ時代に『夕陽に向って走れ』(69)『グライド・イン・ブルー』(73)『破壊!』(74)などでも人気を得た。その後75年からTVシリーズ「刑事バレッタ」に主演。同作でプライムタイム・エミー賞を受賞した。他に『マネー・トレイン』(95)『ロスト・ハイウェイ』(97)といった映画にも出演。
彼の名前が米国で大きく報じられたのは2001年に二番目の妻ボニーを射殺したという容疑で02年に逮捕された時だった。05年に証拠不十分で無罪を勝ち取ったが、その後夫人の父親違いの子どもたちから民事で訴えられ、こちらは有罪となり3000万ドルに支払いを命じられた。06年には自己破産を申告している。さらにその後、ブレイクは妻と不倫関係にあったクリスチャン・ブランド(マーロン・ブランドの息子)を真犯人として告発するが、クリスチャンが黙秘したため、真相は不明のままになっている。
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