本年度台湾No.1大ヒットの笑って泣ける「冥婚」コメディ『僕と幽霊が家族になった件』の特別上映が8月2日(水)に実施され、チェン・ウェイハオ監督とエグゼクティブプロデューサーのジン・パイルンによる舞台挨拶が開催された。
本作は『紅い服の少女』シリーズ(15・17)や『目撃者 闇の中の瞳』(17)を手掛けた台湾の大ヒットメーカー、チェン・ウェイハオ監督の新作で、台湾で古くから伝わる習俗・冥婚(生者と死者による結婚)がユーモアたっぷりに、またそこから生まれる家族の絆が感動的に描かれる。警察官ウー・ミンハンを、台湾で「新・国民的彼氏」と呼ばれているモデルで俳優のグレッグ・ハン(許光漢)が、ゲイの青年マオ・バンユーを実力派俳優のリン・ボーホン(林柏宏)が、ウー・ミンハンのバディで可愛らしい外見からは想像もつかないタフな警察官を、新世代を代表するワン・ジン (王淨)が演じ、大人気俳優陣の共演も話題を呼んでいる。
この日、グランドシネマサンシャイン 池袋での特別上映後に舞台挨拶に登壇したのは、チェン・ウェイハオ監督とエグゼクティブプロデューサーのジン・パイルン。チェン・ウェイハオ監督は「日本が大好きなのでこの作品を日本で公開できるのをとても嬉しく思っています」、ジン・パイルンは「私も日本のドラマや作品が大好きなので、今回台湾の作品を日本の皆さんに受け止めていただくことを楽しみにしています」と挨拶しトークショーが始まった。
チェン・ウェイハオ監督の過去作品には『紅い服の少女』シリーズや『目撃者 闇の中の瞳』、『The Soul:繋がれる魂』など重いテーマの作品が多いなか、今回コメディ作品であることについて「重い作品の撮影中は気持ちも重くなりがちですが、今回はスタッフ、俳優共に皆でとても楽しく撮影しました。これからも楽しい作品をたくさん作りたいと思っています」と語った。また手掛けてきた作品のテーマに死生観や魂、愛を描いたものが多いことについて「死生観や家族愛にとても興味があります。今回の作品には特にそのテーマを詰め込みました」と明かした。
『The Soul:繋がれる魂』(21)、『君が最後の初恋』(21)、本作『僕と幽霊が家族になった件』(23)とチェン・ウェイハオ監督とタッグを組むことの多いジン・パイルンは「監督とは目標が一致していて、笑いながら感動でき、世界の皆さんが共感できる作品を作りたいという思いで、何作も一緒に作ってきました。今後もこういった同じ理念と目標を持っている監督やスタッフがいたら、ぜひ一緒に、言葉を超えて全世界で楽しめる映画を作りたいと思っています」と話した。
撮影現場のエピソードとしては「笑えるシーン撮影中の現場は更に笑っていました。そして泣けるシーンは監督・プロデューサー共に俳優達と一緒に涙を流し感動していました。それだけ真心を込めてリアリティを大事にして作った作品です」と力を込めた。
また本作の、警察官が交通事故で亡くなったゲイの青年と冥婚をするという奇抜な設定に関してチェン・ウェイハオ監督は「実はこれは、とある短編のコンセプトとシナリオ募集の中で出会ったものなんです。元のコンセプトは清掃員が仕事中に偶然紅い封筒を拾って、同性愛の方と冥婚するという設定だったのですが、それを僕もプロデューサーもとても面白いと思い採用させてもらい、ブラッシュアップしていき、今の脚本になりました。また今回コメディですが、とても繊細なテーマでもあるので描き方を悩む部分もありましたが、『性別などに関係なく、愛の前ではみな平等』という一番伝えたいことを大切にして作り上げました」と本作への思いを語った。
台湾において現時点で歴代台湾映画興行成績7位のヒットを飛ばしていることについてジン・パイルンは「正直なところ、ここまでの成績は予想していませんでした。でも『どんな人でも平等に愛を受け取ることができる』という私たちが描きたかったものがちゃんと観客の皆さんに伝わって、クチコミでどんどん広げていただいてここまでの結果になったんだと思います。日本の皆さんにもこの温かさと想いを本作で感じていただければと思います」とメッセージを送った。
最後にチェン・ウェイハオ監督は「笑いあり涙ありの本作をぜひ劇場で楽しんでください」と話し、ジン・パイルンは「台湾でこの映画を宣伝する際に『この作品を観た人は家族になります』と言っていました。今日家族になっていただいた皆さんには、ぜひご感想などを発信していただけると嬉しいです」と呼びかけた。
退場後には来場者たちを廊下で見送るサプライズもあり、映画と同じように優しい愛に包まれた舞台挨拶が終了した。
『僕と幽霊が家族になった件』は8月4日(金)~10日(木)シネマート新宿・シネマート心斎橋にて上映(他劇場順次公開)。
僕と幽霊が家族になった件
2023年8月2日(水)グランドシネマサンシャイン 池袋にて特別上映、8月4日(金)~10日(木)シネマート新宿・シネマート心斎橋にて上映(他劇場順次公開)
監督・脚本:チェン・ウェイハオ キャスト:グレッグ・ハン、リン・ボーホン、ワン・ジン
2023/130 分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:關於我和鬼變成家人的那件事/字幕翻訳:本多由枝/配給:面白映画
©Calendar Studios Co., Ltd., Bole Film Co., Ltd.
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA