『エターナルズ』の監督であるクロエ・ジャオが、本作を撮影するにあたってロケーション撮影と自然光にこだった理由を明らかにした。彼女が求める「没入感」のためには、CGなどではない本物の質感が不可欠だったようだ。

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『エターナルズ』はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の26作目にあたる最新作。『アベンジャーズ/エンドゲーム』のその後の世界を舞台に、7000年にわたり人智を超えた力で人類を密かに見守ってきた10人の守護者“エターナルズ”の物語を描く。ジェンマ・チャン、リチャード・マッデン、クメイル・ナンジアニ、リア・マクヒュー、ブライアン・タイリー・ヘンリーといった豪華キャストが共演した。
本作がこれまでの『アベンジャーズ』シリーズと一線を画している要素の一つは、ほとんどの場面で実際の自然の風景を生かしたロケーション撮影が行われたこと。というのも、マーベル映画のようなCGや特殊効果を多用する作品では、シーンのほとんどをスタジオで撮影することが一般的。実際、出演者の一人であるキット・ハリントンは、 『エターナルズ』 の撮影がほとんどロケだったことに驚いたことを明かしている。
このロケーション撮影へのこだわりについて、「The Hollywood Reporter」のインタビューに応じたジャオ監督は次のように語った。
「私たちは『エターナルズ』が没入感のあるものでなければならないと考えていましたし、アクションからエターナルズの歴史に至るまで、すべてにリアリズムが必要だと考えていました。観客としては、この不死身の種族が数千年前から地球を歩いていたことを実際に信じなければならないわけです(※エターナルズは7000年にわたり人類を見守ってきたという設定)。観客の皆さんには、これらのキャラクターと地球との関係を発見してもらいたいのです。自然光で撮影することで、リアリティを高めることができました。多くの照明を設置するのを気にすることなく、ただ世界に入り込むことができました。俳優たちは実際にこの環境と対話することができ、彼らの衣装や古代バビロンに実際に存在していたことを信じることができます」
たとえアメコミ映画であっても、ジャオ監督が求めるのは徹底した「リアリズム」。それは同様の方法で撮影された監督の前作『ノマドランド』と同じだ。このようなこだわりが詰まった『エターナルズ』が、これまでのアメコミ映画とは異なる質感を獲得し、「クロエ・ジャオ監督にしか撮れない」作品に仕上がったことに疑いの余地はないだろう。
『エターナルズ』は11月5日(金)より公開中。