妻の故郷で男が出会う3人の女と3つの殺人——『海街奇譚』予告編、日本版ポスタービジュアル2種解禁

中国映画『海街奇譚』のメイン館シアター・イメージフォーラムでの公開日が2024年1月20日（土）に決定した。公開日の決定にあわせて、「昼版」と「夜版」に分かれた2種の日本版ポスタービジュアルと、日本版予告編が解禁された。

本作は1987年生まれでこれが長編デビュー作となる中国の新たな才能チャン・チー監督が、卓越した映像感覚と比類なきイマジネーションで描き出すアート・サスペンス映画。姿を消した妻の故郷の港町を訪れた男が遭遇する不可思議な事件の数々を描く。

第41回モスクワ国際映画祭審査員特別賞(シルバー・ジョージ)と第18回イスタンブール国際インディペンデント映画祭批評家協会賞(メインコンペティション)を受賞。また映像表現も高く評価され、第27回カメライメージ映画祭ではゴールデンフロッグ賞・撮影監督デビュー部門の2部門ノミネートを果たしている。

原題の「海洋動物（かいようどうぶつ）」が示すとおり、作中には海の生物をメタファーとした様々な演出が登場。いずれもチー監督自身が生まれ育った港町がモチーフとなっているが、それらの海の生き物たちが作中において何を意図しているのかを類推しながら楽しむことができるのも、本作の魅力の一つとなっている。

今回、新たに解禁された日本版のポスタービジュアルは、「昼版」と「夜版」の2種類。一見、のどかな海街の風景が一変することを予感させる「昼版」。そして「夜版」は、クジラを模したネオンサインが光る中、床に倒れた女性とそれを見下ろす男のカットが使用され、サスペンスを感じさせるとともにチャン・チー監督の卓越したビジュアルセンスを感じさせる仕上がりとなった。

日本版予告編は、ポスターの内容からさらに物語に踏み込み、「（妻を探しに訪れた）男が出会う3人の女と3つの殺人」というテロップが登場。約90秒の映像に、劇中に散りばめられた謎が凝縮された緊迫感あふれる内容となっている。ここでもポスター同様、昼と夜の場面の対比が美しく、こだわりぬかれた映像は、もはや「第○世代」という区切りでは括れない中国の新人監督の層の厚さも感じさせる。

また、キャスティングも本作のセールスポイントのひとつで、主演の妻を探す男を演じたチュー・ホンギャンは本業が機械技師という変わり種。その妻を演じたシューアン・リンは妻役以外にも2役を演じ、そのファム・ファタール的な存在感が新鮮な魅力に満ちている。

『海街奇譚』は2024年1月20日（土）よりシアターイメージフォーラムほか全国順次ロードショー。