「なら国際映画祭」オープニングセレモニーに河瀨直美監督、別所哲也、奈良美智らが登壇　三⽊道三によるスペシャルパフォーマンスも

2024年9月21日

今回で8回目となる「なら国際映画祭」が9⽉20⽇(⾦)に開幕し、レッドカーペットセレモニーとオープニングセレモニーには映画祭エグゼクティブディレクターの河瀨直美監督をはじめ豪華ゲストたちが登壇した。

寺島しのぶは「いつか（河瀨）直美さんと作品を作ってみたい」と熱いラブコール

「なら国際映画祭」は奈良の平城遷都1300年⽬となる2010年に、映画作家の河瀨直美をエグゼクティブディレクターに迎えて始まり、2年に1回開催される映画祭。インターナショナルコンペティションをはじめ、NARA-wave学⽣映画コンペティションを軸に、「ユース映画制作ワークショップ」作品、また、なら国際映画祭オフィシャルパートナーであるベルリン国際映画祭ジェネレーション部⾨推薦作品、ショートショートフィルムフェスティバル＆アジア2024受賞作品セレクションなど、魅⼒的な映画が集結する。

『なら国際映画祭2024』は「Dialogue with（対話）」をテーマに9⽉20⽇(⾦)に開幕。開幕を華やかに飾ったレッドカーペットセレモニーには、河瀨監督を筆頭に、アンバサダーを務める別所哲也や、コンペティションの審査員の奈良美智、寺島しのぶ、マテオ・ファチェンダ、三船美佳、⼭崎裕らが登場し、集まった観客たちから⼤きな歓声が沸き起こった。また、上映作品の監督やキャスト陣も次々と姿を⾒せ、会場は早くも熱気に包まれた。

続いて⾏われたオープニングセレモニーでは、奈良県出⾝のレゲエミュージシャン・DOZAN11 aka 三⽊道三によるスペシャルパフォーマンス「映画time Respect」が披露され、映画祭の雰囲気を⼀層盛り上げた。この曲は、彼の代表作「Lifetime Respect」に映画祭をテーマにした新たな歌詞が加えられたもので、「⼀⽣映画を⾒てくれや♪」と呼びかけた。

河瀨監督の「1300年の時を超えて、私たちの暮らす⽇本、そして奈良。今⽇ここに、2024年第8回なら国際映画祭を開幕いたします」という開幕宣⾔の後、上映作品の紹介や、審査員たちが登壇した。インターナショナルコンペティションの審査員⻑を務める奈良美智は「なら国際映画祭に来て、今⽇何度も『奈良、奈良』と聞くことになって、こんなに呼ばれることってあるんだなと思いました」とユーモアを交えたスピーチで会場を沸かせ、寺島しのぶは「世界の選りすぐりの映画を、夫と⼦供のいない⾃分ひとりの時間に、存分に⼼を込めて拝⾒したいです。そしていつか（河瀨）直美さんと作品を作ってみたいという野望でここに参りました」と熱いラブコール付きの抱負を語った。

1999年公開のドキュメンタリー映画『万華鏡』で河瀨監督作品に出演した三船美佳は、学⽣が⼿掛けた映画・映像作品を対象にしたコンペティション「NARA-wave」の審査員⻑を務める。観光⼤使を務める沖縄県座間味村で河瀨監督と今年再会したという三船は「河瀨監督の映画祭にかける思いを聞いて素敵だなと思いました」と語り、⺟親のお腹の中にいた頃にカンヌ国際映画祭に⽗・三船敏郎と参加した思い出を引き合いに「忘れられない特別な⽇になると確信しています。皆さんの作品を拝⾒するのを楽しみにしています」と審査員⻑という⼤役に興奮気味。同じく「NARA-wave」審査員の⼭崎裕も「孫世代の学⽣映画の審査ということで楽しみにしています」と挨拶すると客席にいた河瀨監督から「ひ孫かも」と突っ込まれ、「84歳の私が20歳前後の学⽣から刺激を受けられることを楽しみにしています」と、審査員としての喜びと期待を表明した。

映画祭のアンバサダーである別所哲也は、⾃⾝が代表である「ショートショートフィルムフェスティバル＆アジア」の審査員を河瀨監督に依頼したことが交流の始まりだと明かし、「なら国際映画祭に参加できることを嬉しく思っています」と、初代アンバサダーの斎藤⼯やアンバサダーの⼀⼈である永瀬正敏らとともに映画祭を盛り上げていくことを誓った。

その斎藤と永瀬からもビデオメッセージが到着。「なら国際映画祭ならではの世界中の映画が交差する素晴らしい時間が訪れることを願っています」と語る斎藤や、「観客の皆さん、審査員の皆さん、ノミネートされた作品の関係者の皆さん、そして映画祭関係者の皆さん、この映画のお祭りを⼗⼆分に楽しんでほしい」と語る永瀬に加えて、特別顧問の加藤雅也からも「映画祭を存分に楽しんでほしい」とビデオメッセージが届いた。

そして今回から新たにアンバサダーに就任した三船美佳は、「三船美佳ではなく“三船敏郎の代理⼈”として参りました。映画制作は、本当に映画が⼼から好きで、本当に情熱を持っていないと続かないと痛感しています。そのパッションを持っている⽅々がこのなら国際映画祭に集まられていることを⿃肌が⽴つほどに感じています。アンバサダー、⽗とともにしっかり務めさせていただきます！」と意気込みを語った。

最後のフォトセッションでは、審査員や映画祭の関係者たちが勢ぞろいし、映画祭初⽇のフィナーレを飾った。熱気を帯びたスタートを切った『なら国際映画祭2024』は9⽉23⽇（⽉・祝）まで開催。