イギリスの人気サイエンス・ライター、サイモン・シンの最新作『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』(青木薫・訳)の文庫版が新潮社より刊行。予約が開始された。7月28日発売となる。

アメリカの超人気アニメ『ザ・シンプソンズ』は、じつはハーバード大学の数学者たちがシナリオを書き、あちらこちらに「数学トリビア」がちりばめられていたことをご存じだろうか?
番組の熱狂的ファンであるサイモン・シンが、シンプソンズ一家が繰り広げるドタバタ風刺アニメに隠された数学の魅力とサブカル的ディテールを語り尽くす。アメリカの知性あふれる笑いと毒の粋を発掘する異色の科学ノンフィクションだ。
中田敦彦のYouTube大学で『フェルマーの最終定理』『宇宙創成』『暗号解読』(いずれも新潮文庫)が絶賛されたサイモン・シンの最新作。本書にも多くの著名人から賛辞が寄せられている。
朝井リョウ(作家)
数学者たちの粋なエピソードに悶絶。映画になりそう。(読売新聞〈読書委員が選ぶ「2016年の3冊」〉2016年12月25日)
宇多丸(ライムスター)
さすがサイモン・シン、僕の如き理系オンチにも飲み込みやすいよう、最大限ハードルを下げた語り口で愉快に読ませてくれるのだが、いやしかし、それにしても! どれだけ高度なエンターテインメントなんだよ! 自分がいかに「なんとなく」でしか画面を観ていなかったか、手痛く思い知らされる一冊となった……。(日経新聞、2016年6月16日)
竹内薫(サイエンス・ライター)
解説を書くよう依頼され、本を読み返していたら、ハマってしまい、〆切を大幅に過ぎてしまった。(文庫版解説より)
青山七恵(作家)
数学を扱ったノンフィクション『フェルマーの最終定理』でも知られる著者は、脚本家たちの興味深い生き様だけでなく、奇妙かつエレガントな数の世界自体の魅力も余すところなく伝えている。最後には数学ジョーク集のおまけつき。悲しいかな、文系の私が笑えたのはわずか数問だったけれど、脚本家たちが愛してやまない数の世界にはすっかり魅了されてしまった。もう一度十代の柔らかい頭脳を取り戻して、πや微積分を勉強しなおしたい!(読売新聞、2016年7年10日より)

著者 サイモン・シン(Singh, Simon)略歴
1964年、イングランド、サマーセット州生まれ。祖父母はインドからの移民。ケンブリッジ大学大学院で素粒子物理学の博士号を取得し、ジュネーブの研究センターに勤務後、英テレビ局BBCに転職。TVドキュメンタリー『フェルマーの最終定理』(1996)で国内外の賞を多数受賞し、1997年同名書を書き下ろす。『暗号解読』『宇宙創成』『代替医療解剖』など、科学分野で世界中から高い評価を得ている。ロンドン在住。
訳者 青木薫(あおき・かおる)略歴
1956年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。理学博士、翻訳家。訳書にサイモン・シンの主要作品のほか、エドワード・フレンケル『数学の大統一に挑む』、レナード・ムロディナウ『ユークリッドの窓』、アミール・D・アクゼル『無限に魅入られた天才数学者たち』など。著書に『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』がある。2007年度日本数学会出版賞受賞。
タイトル 数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち
著者 サイモン・シン
出版社 新潮社
ISBN 978-4102159774
定価 990円(税込)