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16mmフィルムが刻むざらついた質感、80年代ホラーへの偏愛に満ちた演出、そして後の「Xシリーズ」へとつながる独自の美学の萌芽——。現代ホラー映画界の中心を担うタイ・ウェスト監督の輝かしいキャリアの原点ともいえる『ハウス・オブ・ザ・デビル』が、本日3月27日(金)より公開中。このたび、『ロボコップ2』悪役俳優としても知られ、今年2月に逝去したトム・ヌーナンの出演シーンが解禁された。あわせてホラーに造詣の深い著名人たちのコメントが到着した。

1980年代のアメリカでは、「サタニック・パニック」と呼ばれる悪魔崇拝をめぐる前代未聞の集団ヒステリーが社会を席巻した。子どもの頃に儀式に参加させられ虐待を受けた、という証言が全土で噴出し、マスコミから司法、ついにはFBIまでが動く大騒動へと発展したという過去がある。本作は、そんな不穏な時代のアメリカ北東部を舞台に、全編16mmフィルムで撮影されており、セット、衣装、フォントデザイン、カメラワークに至るまで徹底して当時の空気を再現し、80年代スラッシャーへの愛情を詰め込んだ一作。

監督は、A24初のシリーズ化作品「Xシリーズ」で世界的ヒットを飛ばしたタイ・ウェスト。主人公サマンサを演じるジョスリン・ドナヒューは、本作を機に“80年代ホラーの正統的継承者”として高い評価を獲得し、『インシディアス 第2章』『ドクター・スリープ』など話題作へ進出。サマンサの友人メーガン役には、後に『レディ・バード』『バービー』で世界的監督となるグレタ・ガーウィグが出演し、彼女のキャリアの出発点でもある“マンブルコア映画”の流れを汲んだ自然体の魅力を発揮している。

本作は、惜しまれながら2月14日に逝去した俳優トム・ヌーナンが出演していることでも知られている。トマス・ハリス原作の『刑事グラハム/凍りついた欲望』の殺人鬼フランシス・ダラハイド役や、『ロボコップ2』の悪役・ケイン役で注目を集め、約196cmという長身で静かな威圧感を放ちながらも、繊細な表現力でハリウッドでも唯一無二の地位を築き、怪優と謳われていた名優だ。

今回解禁された出演シーンでは、主人公・サマンサを恐怖の世界へと誘う白髪老人・ウルマンという役で登場するトム・ヌーナンの怪演が確認できる。ブラックスーツと黒ネクタイを着用して、主人公を惨劇が起こる豪邸へと招き入れる老人が現れるが、握手する手のみを映し出すカメラワークが不安を誘う。しばらくするとカメラがパンアップし、喪服のような恰好をした長身の白髪老人という全貌が現れ、不気味さを増幅させる。

引っ越したばかりで天文学好きにぴったりな街だと語る老人に、若き日のグレタ・ガーウィグ演じるメーガンが「教師か何かですか?」「天文学者ですか?」と尋ねるも、「厳密には違う」という意味深な答えだけが返ってくる。サマンサを別の部屋へと連れていくシーンで映像が終わるが、このあと新聞の広告を見て訪問してきたサマンサに対し、ウルマンが「老いた母親の世話を頼みたい」と本当の依頼を明かし、一晩400ドルという高額報酬を物静かに提示するシーンへと続いていく…。皆既月食の影が空を覆うとき、“究極の邪悪”が解き放たれる。このキャッチコピーが示すものとは? 強烈なインパクトを残す、怪優の名演を感じられるシーンとなっている。

あわせて、氏家譲寿(ナマニク)、篠崎誠、高橋ヨシキ、末廣末蔵、人間食べ食べカエルからのコメントが到着。コメント全文・一覧は以下のとおり。

著名人コメント全文 ※敬称略

タイ・ウェストは時代を「引用」しない、物語にふさわしい時代を選ぶ。サタニック・パニックを描くなら80年代しかない、ただそれだけの話だ。退屈の一歩手前に観客を追い込み、じわじわと積み上げた緊張を一気に解放する。悪魔崇拝に震えたあの時代。誰もが信じた恐怖がこの映画に宿っている。
氏家譲寿(ナマニク)(映画評論・文筆家)

冒頭のテロップで不穏な空気が流れ、得体の知れない緊張感が観客を包みこむ。ボタンの掛け違いのような違和感とジワジワと迫る不安を静かに描くと見せかけ、突如ある場面で予測不可能な衝撃が襲いかかる。驚いた!こうなると何が起こってもおかしくないと身構えるこちらの予想をさらに超える展開。さすがタイ・ウェスト!
篠崎誠(映画監督・立教大学現代心理学部映像身体学科教授)

"マンブルゴアの至宝であり、『X エックス』シリーズのタイ・ウェスト監督の初期怪作が遂に日本で劇場公開…これは近年日本ホラー界の最大の僥倖であると言い切る!
無垢な80年代の田舎町を舞台に、若者達の日常的な会話で紡ぐ作劇により、ローファイなニュアンスを醸成、只の懐古趣味に留まらない必然としてのレトロ性でじわじわと”オカルト映画”の輪郭を浮かび上がらせ、しかしそれを現代的想像力で大胆に壊して行くモダンさ。
観ないという選択肢は…無い!"
末廣末蔵(ジャンル映画大好きツイッタラー)

『ハウス・オブ・ザ・デビル』はビジュアル的にも内容的にも、特定の時代性をなぞった「パスティーシュ映画」の頂点である。これほど誠実に、真正面からパスティーシュに取り組んだ映画は他にないし、そのことで本作は逆説的にパスティーシュを遥かに超えることに成功したのだ。
高橋ヨシキ(アートディレクター/映画評論家/サタニスト)

タイトルインでノックアウト!本当に2009年に撮った!?と疑うほど完璧なクラシック。タイ・ウエストのバック・トゥ・80sはこの時点で完成していた。スローバーンだけど全く飽きないストーリーテリングと惹かれるキャラクター性は、大好きな『インキーパーズ』にも通ずる。ようやく日の目を見た初期傑作を是非その目に焼き付けよう!
人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)

まとめ(注目ポイント)

  • 映画『ハウス・オブ・ザ・デビル』本日3月27日(金)公開『X』シリーズなどで知られるタイ・ウェスト監督の初期傑作。80年代ホラーへの偏愛に満ちた原点的一作。
  • 故トム・ヌーナンの不気味な怪演が光る本編映像解禁主人公サマンサを惨劇の豪邸へと招き入れる白髪老人ウルマンの、静かな威圧感と不穏な空気を捉えたシーン。
  • ホラーに造詣の深い有識者5名からの絶賛コメント到着「観ないという選択肢はない」など、独自の演出スタイルとレトロテイストを称賛する熱い声が集結。
作品情報

ハウス・オブ・ザ・デビル
2026年3月27日(金)より、シネマート新宿、池袋HUMAXシネマズ ほかにて全国公開

STORY
1983年、アメリカ・コネチカット州の田舎町。だらしないルームメイトとの寮生活にうんざりしたサマンサ(ジョスリン・ドナヒュー)は、小さなアパートを借りることにする。初月の家賃300ドルを至急用意しなければならないサマンサは、条件の良いベビーシッター募集の広告に応募する。電話に出た男は、今夜、妻とともに皆既月食を見るパーティに参加する間だけ子守りを頼みたいと言う。電話での様子はどこか奇妙だったが、金に困っているサマンサは依頼を受けることにした。サマンサの親友メーガン(グレタ・ガーウィグ)に森の中にある人里離れた家まで車で送ってもらうと、そこで広告主のウルマン氏(トム・ヌーナン)は、実際にはベビーシッターではなく、妻の老いた母親の世話を頼みたいのだと明かす。ウルマン氏に一晩で400ドルを提示されたサマンサは、メーガンの反対を押し切って引き受けることにするが…。 

【FESTIVALS】
トライベッカ映画祭 正式出品
富川国際ファンタスティック映画祭 国際コンペティション部門 正式出品
スクリームフェスト 最優秀女優賞、最優秀作曲賞 受賞
シカゴ国際映画祭 アフターダーク・コンペティション部門 正式出品

【CREDIT】
監督・脚本:タイ・ウェスト『X エックス』『Pearl パール』『MaXXXine マキシーン』
出演:ジョスリン・ドナヒュー、グレタ・ガーウィグ、トム・ヌーナン、メアリー・ウォロノフ
2009 年/アメリカ/英語/95分/カラー/1:1.85/5.1ch/原題:The House of the Devil
配給:OSOREZONE 配給協力:シンカ

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公式サイト https://synca.jp/osorezone/film/184/

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