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オペラの最高傑作「ラ・ボエーム」を大胆なアレンジをもって現代のニューヨークの街を舞台にミュージカルとして描く『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』が10月6日(金)より全国ロードショー。このたびレイン・レトマー監督のインタビューが到着した。

オペラ最高傑作のひとつ「ラ・ボエーム」の設定を1830年代のパリから現代のニューヨークに置き換え、メインキャラクターにアジア人を据えるなどの大胆なアレンジのもと、これまでにないまったく新しいミュージカル映画として生まれ変わらせた『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』。格差、貧困、マイノリティ、さまざまな生きづらさを抱えながらも、夢と情熱で青春の日々を謳歌しようとする若き芸術家たちの姿を、現役の新進オペラシンガーたちによる圧倒的な歌唱と独創的な映像美で情感豊かに魅せる。どんな苦境にも前を向き、儚くも情熱的な日々を懸命に生きる若者たちの青春群像劇は、パンデミックという底知れぬ不安を経験し、その影響でひろがった格差や貧困の余波に身を置く私たちに、今だからこそ響く、圧巻の歌声と感動を届けてくれる。
本作はビジュアル・アーティスト、オペラ監督としても活躍してきたレイン・レトマーの監督デビュー作。コロナ禍によって舞台上映の機会が奪われるなか、オペラの映画化に挑むことになったという。「映画監督はオペラの舞台とは違う神経を使います。難しさはありましたが、刺激的でとても楽しかったです。カメラの前で演じることに、慣れていない人たちを率いての演出だったので、そこも非常にチャレンジングなポイントでした。舞台上とは違うスタミナが要されるんですよね。観客がそこに居ない、観客からのエネルギーをもらえない中で、自分のスイッチをオンにしたりオフにしたりしないといけないので、そういった難しさを、自分が演出家としてリードしていかないといけないので、一つの新たな挑戦となりました」と初挑戦となった映画監督の感想を明かした。
『ラ・ボエーム』を題材に選んだ理由については「私が初めて演出した舞台がプッチーニの『ラ・ボエーム』で、自分にとって重要な作品です。音楽が圧倒的で、心を揺さぶり心身にも染みこむ作品だと思います。そして、若い芸術家たちがアートと素直な心でもって自分たちの道を切り拓いていこうとする様がドラマ的で、プッチーニの圧倒的な音楽がそこに加わる凄い作品です」と、その魅力を語った。
コロナ禍で行われた撮影については「コニーアイランドや、数多くの映画に使われているノム・ワー・ティー・パーラーという伝説的なロケ地など、パンデミックが無ければ絶対に撮影できなかった様々なロケ地で撮影することができてラッキーでした」という一方で、「ニューヨークではパンデミック中はアジアに対するヘイトが起きたので、こういうにっちもさっちもいかない状況では、人間の嫌な部分が出てくるというのも、根底に流れるテーマの一つとして映画に描きました。例えば、ロケ地のグラフィティ(落書き)にアジアンヘイト的なものが書かれているところを映していたり、(アジア人が演じる)ミミとロドルフと街ですれ違っていく白人が二人を押す場面もアジアンヘイトを示唆しています」と現実で起こった問題も映画に反映させているという。
オペラを映像化することについては、「今回は舞台ではなく、せっかくカメラで捉えることができるわけですから、よりニュアンスを細かく捉えていこうと思いました。鍵を探すシーンでは、ミミの表情がどうなっているのか、彼女の表情を捉えて、彼女が何を感じてどうしているのかということを、より細かく捉えていこうと。カメラでこそ捉えられる真理というのがあると思うので、そこを意識して脚色しています」とこだわりを明かした。
『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』は10月6日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他、全国公開。
ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌
2023年10月6日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他、全国公開
STORY
大晦日のニューヨーク。凍える寒さの屋根裏部屋で、その日暮らしの夢見る4人の芸術家たち。その中の一人、詩人のロドルフォが部屋に残っていると、隣人のミミが彼の火を借りにやって来て、2人はたちまち恋に落ちる。同じころ、店で仲間と新年パーティをしていたマルチェッロは、偶然やってきた元恋人ムゼッタと再会。最初は戸惑いつつも、2人の間にはかつての強い愛が蘇るのだった。運命的な出会いを果たした、ミミは重い病に侵され、ロドルフォはそんな彼女のもとを立ち去っていた。同じころ、ムゼッタとマルチェッロも嫉妬心から別れを迎えていた。すれ違う2組の恋人たち。そしてそれぞれ別の道を選んでいくのだが―――。
監督:レイン・レトマー 作曲:ジャコモ・プッチーニ/音楽監督:ショーン・ケリー 製作:モアザンミュージカル(長谷川留美子)
出演:ビジョー・チャン、シャン・ズウェン、ラリサ・マルティネス、ルイス・アレハンドロ・オロスコ、井上秀則、アンソニー・ロス・コスタンツォ、イ・ヤン
2022年/香港・アメリカ/スコープサイズ/96分/カラー/伊語/5.1ch/原題『La bohème: A New York Love Song』/日本語字幕翻訳:古田由紀子/配給:フラニー&Co. シネメディア リュミエール/映倫区分G
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公式サイト la-boheme.jp
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