巨匠ロベルト・ロッセリーニの代表的傑作『神の道化師、フランチェスコ〈デジタル・リマスター版〉』12月22日公開決定

ロベルト・ロッセリーニ監督の代表作として名高い伝説的作品『神の道化師、フランチェスコ〈デジタル・リマスター版〉』が12月22日（金）より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショーとなることが決定した。あわせてメインビジュアルが解禁された。

『神の道化師、フランチェスコ』は、『無防備都市』(45)、『戦火のかなた』(46)などでイタリア・ネオリアリズモの巨匠と称されるロベルト・ロッセリーニが、アッシジの聖人フランチェスコと彼を慕う修道士たちの事績を、ユーモラスな描写も交えながら峻厳なスタイルで撮り上げた1950年の作品。

14世紀頃に精選された名詩選「聖フランチェスコの小さい花」と「兄弟ジネプロ伝」から着想を得て、1210年から1218年までのエピソードを導入部と９つの章により構成、当時の生活の細部も丹念に描かれ、中世を舞台にしたネオリアリズモ映画とも謳われている。

アッシジの聖人のフランチェスコについてはその後も、『カサブランカ』でも知られるマイケル・カーティス監督による『剣と十字架』(61)をはじめ、フランコ・ゼフィレッリ監督(『ロミオとジュリエット』)『ブラザー・サン シスター・ムーン』(72)や、リリアーナ・カヴァーニ監督(『愛の嵐』)『フランチェスコ』(89)と多くの監督たちがその生涯を描く作品に取り組んでいるが、ロッセリーニは偉人伝としてではなくある時代を生きた生身の人間を実直に描くことに徹している。

脚本はロッセリーニとフェデリコ・フェリーニの共同執筆。撮影は『戦火のかなた』、フェデリコ・フェリーニの『道』(54)、『甘い生活』(60)などで数々の名作を世に送り出してきたオッテロ・マルテッリ。音楽はロベルトの弟で数々のロッセリーニ作品の音楽を手がけたレンツォ・ロッセリーニ。主人公のフランチェスコ役をはじめ彼と生活をともにする修道士は、実際のフランシスコ会修道士たちが演じている。

聖人フランチェスコ、そして彼と日々を共にするお人よしのジョバンニ、単純素朴なジネプロなど「小さき兄弟」たちの、苦悩と逡巡のなかにありながらもどこか伸びやかに生きる姿を映し出す本作。解禁されたメインビジュアルでは、“聖フランチェスコが肩にとまった小鳥に話始めると他の鳥たちも聞き入った”という一幕から、穏やかな表情で小鳥に優しく語りかけるフランチェスコの様子を見ることができる。