第96回アカデミー賞®助演女優賞ノミネートで注目を集める『カラーパープル』が2月9日(金)より日本公開されるのを前に、1月29日(月)にジャパンプレミアが開催され、「3時のヒロイン」のゆめっち、かなで、そしてタレントで映画コメンテーターのLiLiCoが登壇した。
20世紀初めの米国南部を舞台に、14歳の少女セリーが最愛の妹との別れ、望まぬ結婚など不遇の日々を送る中で、型破りな女性たちとの出会いによって変わっていく姿を40年にわたって描くヒューマンドラマ『カラーパープル』。本作のオリジナルは、ハリウッドの巨匠スティーヴン・スピルバーグが、ピューリッツァー賞受賞のアリス・ウォーカーによる同名小説を原作に、『E.T.』 の後初めてシリアスな作品に挑んだ『カラーパープル』(1985)。その不朽の名作が38年の時を経て、ミュージカル映画としてスクリーンに蘇る。1月23日(現地時間)に第96回アカデミー賞®のノミネーションが発表され、ダニエル・ブルックスが助演女優賞にノミネートされている。
ニッショーホールで本作のジャパンプレミアが行われ、ステージには、キャッチーな笑いと三者三様の個性が人気のお笑い芸人・3時のヒロインのゆめっち、かなで、そしてタレントのLiLiCoの3名が登壇。ゆめっち、かなでのふたりは、作品で描かれる1900年代初頭のアメリカを意識したレトロ風のワンピースとドレス姿で、LiLiCoは赤いチェックのセットアップで登場し、ガールズパワー全開のミュージカル映画にちなんだスペシャルゲストの華やかな姿に会場は大きな拍手に包まれた。
一足先に作品を鑑賞した3人は「見たら、あぁ…(溜息)映画によって満たされるというのはこういうことなんだなと。これから観るみなさん、期待している以上のものを期待して大丈夫だから。楽曲が素晴らしくて、曲をしらなくても毎回拍手したくなる。みんなの演技も素晴らしくて、女性がパワーをもらえる」(LiLiCo)、「本当に喜怒哀楽の感情があちこちにいきます。全体を通してパワフル。女性って素晴らしいっていうのを感じました。1曲目から立ち上がりたいくらいノリノリでした」(ゆめっち)、「我慢できずに体が動いちゃってました。ミュージカル作品がすごく好きで、ミュージカルってハッピーな作品が多いんですけど、『カラーパープル』は最初から心揺さぶられて最後には涙してしまう。2時間20分あっという間です。曲も素晴らしいしダンスもかっこいい」(かなで)と熱い感想を語った。
本作のオリジナル版となる、アカデミー賞10部門11ノミネートのスピルバーグ版の存在について尋ねられると、当時15歳だったというLiLiCoは「大人の作品だと思っていたのでのちに観ましたけど、ミュージカルにしたくなる気持ちがわかる。遠い国の遠い時代の話と思ってしまうかもしれないけど、私のおばあちゃんくらいの年代の話。私のおばあちゃんも知らない方と結婚して、それでも家族を築き上げたおかげで私も生まれている。すごく共感するところと、これはダメだ!って思うところと、時代によって人の考え方も変わってきているから、今この時代にミュージカル映画になってよかった」と、今改めてこの作品が世に出る重要性を語った。
作品に登場する魅力的な女性たちのなかでも特に印象的なキャラクターとしてLiLiCoが名前を挙げたのは、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞®で助演女優賞にノミネートされたダニエル・ブルックス演じるソフィア。「物語の中では強い女性という立ち位置にいる人ではあるんですけれども、彼女の心情を読み解いていくと、“笑ってないと崩れちゃう”という部分がみえる。疲れているときとか、私にも、みんなにも日によってそういう時はあると思う」と、ソフィアの力強く男性に立ち向かっていくが弱い部分も見えるキャラクターに感情移入したと熱弁。
オリジナル版でソフィアを演じ、今作にはプロデューサーとして携わるオプラ・ウィンフリーも紹介し、「彼女もスピルバーグも音楽のクインシー・ジョーンズも、オリジナル版のみんなが今作に携わっているのが、作品への強い愛と、手放せないほど力強い作品というのが読み取れますよね」と、時代を超えてなお人々を惹きつけるストーリーの素晴らしさを語った。
ゆめっちとかなでは、タラジ・P・ヘンソン演じるシュグをピックアップ。「自由奔放でみんなをメロメロにさせる人なんですけれども、自由に生きてきた私に似てるなって」(ゆめっち)、「みんなを引き込む小悪魔的要素もあると思ったんですけど、観ていくとどんどんシュグの心の優しさや思いやりが出てきて惹かれました。私だなって」(かなで)と、どちらが人々を魅了する歌姫に似ているかを張り合い、会場を笑いの渦に巻き込んだ。
主人公セリーが自由な女性たちとの出会いで人生を切り開いていく本編にちなみ、ゲストの運命の出会いについて尋ねられると、かなでは「運命の出会いは3時のヒロイン。芸歴もバラバラでみんな違うコンビを組んでいたけど、ピン芸人になったときに麻貴(福田)が誘ってくれて。最初はコンビが組みたかったので断ってしまって。トリオが自分の想像になくて、ゆめっちには内緒で、『コンビはどうなのかな?』ときいたこともあったんですけど…」と衝撃の事実を告白。ゆめっちは「風の噂できいたことはあったけど、今うまくいっているのでオールオッケー」と寛大な対応をみせ、さらに、「運命の出会いは江頭2:50さん。まだお会いしたことはないけど、小さい頃にテレビで見てお笑い芸人に憧れて今ここに立っている。嫌われ役を自ら買って出る姿に勇気をもらった。初恋の人は江頭さんなのでいつかお会いしたい!」と衝撃の告白をかぶせて会場の笑いを誘った。
ブロードウェイ版キャストなど実力派のそろう今作の中でも、特に印象的なミュージカルシーンを語る場面では、「実は今日シュグさんの格好をしているんですよ」というかなでが、歌姫シュグが酒場で圧倒的な歌唱力を披露するシーンをピックアップ。これから映画を鑑賞する観客にもぜひ注目して聴いてほしいと、サプライズで音楽を披露することに。シュグの歌う「Push Da Button」が流れ始めると、かなでが本編に匹敵するダンスを披露。「この曲が流れ始めると歌っちゃう。踊っちゃう」とLiLiCoとゆめっちも印象的なフレーズを口ずさみ、観客からは自然に手拍子が沸き起こるなど会場のボルテージは最高潮に。
最後は、「ミュージカル映画で歌もダンスも素晴らしいけど、それに負けないくらいストーリーの見応えがすごいので皆さん引き込まれてください」(かなで)、「主人公のセリーが最愛の妹と離れたりつらい思いをして本当に辛いんですけども、でも、女性の絆が本当にすばらしくて、3回泣きました」(ゆめっち)、「主人公の立場になって考えるとこっちも辛くなるような、主人公の夫のミスターの言動に信じられないようなところがあるんですけど。そんなに昔の話でもないし、今でも似たような状況の人もいるんじゃないかなと思っているんです。頑固な人は自分では気づかないから、身近にそういう人がいる人は一緒に観てほしい。この作品でメッセージをもらって、何かに気が付くことを願っています。この作品は本当に素晴らしい作品なので、楽曲やストーリーを楽しむのも良いし、行間を読んで、自分だったらと考えて、明日からの、今日の帰り道からのパワーになってくれたらいいなと思います」(LiLiCo)と、これから映画を鑑賞する観客にメッセージを送り、イベントを締めくくった。
『カラーパープル』は2月9日(金)ロードショー。
カラーパープル
2024年2月9日(金)より公開
STORY
優しい母を亡くし横暴な父の言いなりとなったセリーは、父の決めた相手と結婚し、自由のない生活を送っていた。さらに、唯一の心の支えだった最愛の妹ネティとも生き別れてしまう。そんな中、セリーは自立した強い女性ソフィアと、歌手になる夢を叶えたシュグと出会う。彼女たちの生き方に心を動かされたセリーは、少しずつ自分を愛し未来を変えていこうとする。そして遂に、セリーは家を出る決意をし、運命が大きく動き出す──。
製作総指揮:オプラ・ウィンフリー、スティーヴン・スピルバーグ、スコット・サンダース、クインシー・ジョーンズ 監督:ブリッツ・バザウレ 原作:アリス・ウォーカー
出演:ファンテイジア・バリーノ、タラジ・P・ヘンソン、ダニエル・ブルックス、コールマン・ドミンゴ、コーリー・ホーキンズ、H.E.R.、ハリー・ベイリー他
原題:Color Purple 配給:ワーナー・ブラザース映画 上映時間:141分
© 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
公式サイト colorpurple.jp
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