パトリック・ディキンソン監督、リリー・フランキー主演による日英合作映画『コットンテール』が3月1日(金)より全国公開。このたび、リリー・フランキーと木村多江の若かりし頃を演じた恒松祐里と工藤孝生による、兼三郎と明子の出会いのシーンの映像が解禁となった。あわせて二人のコメントも到着した。
本作は東京と、イギリスで最も風光明媚なリゾート地でとして名高い、イングランド北西部に広がる湖水地方・ウィンダミアを舞台に、家族の愛と再生を紡ぎ上げたロードムービー仕立てのヒューマン・ドラマ。学生時代にオックスフォード大学と早稲田大学で日本映画を学び、日本に非常に造詣が深いパトリック・ディキンソン監督が、自身の母親を看取った経験を元に脚本を書き上げた。その脚本に深く共鳴したというリリー・フランキーを主演に迎えた本作は、昨年開催された第18回ローマ国際映画祭で最優秀初長編作品賞を受賞した。
長年人生を共に歩んできた妻・明子(木村多江)に先立たれた兼三郎(リリー・フランキー)は、明子の「イギリスのウィンダミア湖に遺灰を撒いて欲しい」という最後の願いを叶えるため、長らく疎遠だった息子の慧(錦戸亮)とその妻・さつき(高梨臨)たちとイギリスへと旅立つ。しかし、互いに長年のわだかまりを抱えた兼三郎と慧はことあるごとに衝突してしまう。さらに兼三郎には、慧に言えない明子とのもう一つの約束があった。
このたび解禁された本編映像は、文芸誌に自身の作品を投稿しながら、普段は英語教師として暮らしている兼三郎(工藤孝生)が、とある寿司屋で初めて明子(恒松祐里)と出会い、一目で心を奪われるシーン。明子から目が離せないものの緊張でうまく話すことができない兼三郎と、そんな彼を気遣い優しく語りかける明子。明子が子供の頃に訪れたイギリス土産のウサギのペンダントをきっかけに、少しずつ心の距離を近づける姿は、その後の二人の関係性を表しているかのような微笑ましいシーンとなっている。
近年では『Gメン』(2023)、Netflixシリーズ『今際の国のアリス シーズン2』(2022)など数々の映画、ドラマ作品に出演している恒松と、Disney+『ガンニバル』や現在公開中の映画『罪と悪』などに出演している期待の次世代俳優である工藤についてパトリック監督は「兼三郎と明子の青年期を描くにあたって、観客の心を掴む演技ができる若い役者が必要でした。二人は、まだ人生の正しい道を見つけていない若者です。でも、出会って、恋に落ちて、二人で自分たちの道を切り拓いていきます。恒松さんと工藤さんは、完璧でした。若き日の明子については、チャーミングで強い意志を持った俳優が必要でした。恒松さんは、弱さを見せる勇気や決断力を明子に与えてくれる、まさに明子そのものでした。工藤さんは役に豊かな感受性とユーモアを与えてくれました。輝くような優しい笑顔も見せてくれています。リリーさんが演じた兼三郎にとても似ていたことにも満足しています。二人と一緒に撮影ができて、とても楽しかったです」と大絶賛している。
脚本を読んだ際、恒松は「静かな物語だけれど、大きな感情が渦巻いている作品だなと思いました。家族の中で決して口に出すことはないけれど、確かにそこにある愛を感じ取ることのできる作品」と受け止め、「時間が経っても色褪せることのない愛、楽しかった家族での記憶はまた次の世代にも受け継がれていく。どんなに悲しいことがあっても、記憶さえあれば、誰かが覚えていてくれれば、またあの日に戻ることが出来る。心に真っ直ぐ届く作品です」と、“家族の愛”を描いた本作の魅力を語った。
工藤は「名だたる俳優の方々との撮影でとても緊張していました。その緊張に耐えかねてパトリックに『何故僕を選んでくれたのか』と聞きました。その時に彼は『他の人は関係ないよ。貴方が受かったんだから。自信を持って。やりたいように。大丈夫。分かった?』と言ってくれたんです。この言葉は今も新しい撮影に臨むたびに思い出し、心の支えになっています」と撮影中の監督とのエピソードを明かし、また「家族は一番近いようで友人や恋人より複雑で実は知らない事が沢山あり、血が繋がってても赤の他人に思う事もあると思います。見て頂く方にもそう思う方が居ると思います。そんな家族の在り方、親子の関わりを偽りなく美しく映し出してくれている作品です」とメッセージを寄せた。二人のコメント全文は以下のとおり。
家族の愛と再生、贖罪と和解を描いた、清らかな情感がさざ波のように染み入る映画『コットンテール』は3月1日(金)より全国公開。
恒松祐里、工藤孝生 コメント全文
◆恒松祐里
(脚本を読んだ時の感想)
静かな物語だけれど、大きな感情が渦巻いている作品だなと思いました。家族の中で決して口に出すことはないけれど、確かにそこにある愛を感じ取ることのできる作品です。
(パトリック・ディキンソン監督の演出について)
パトリック監督は常にナチュラルな状態で現場に居させてくださいました。撮影中に生まれる雰囲気を大切にされていて、繊細にシーンを創り上げていく過程が心地良かったです。
(本作の魅力、メッセージ)
時間が経っても色褪せることのない愛、楽しかった家族での記憶はまた次の世代にも受け継がれていく。どんなに悲しいことがあっても、記憶さえあれば、誰かが覚えていてくれれば、またあの日に戻ることが出来る。心に真っ直ぐ届く作品です。映画館でお待ちしています。
◆工藤孝生
(脚本を読んだ時の感想)
監督は日本の文化をとても好きな方なんだと感じました。
僕は海外に出た事が無いので客観的に日本の事を見る事が無かったのですが、脚本から日本に住んでいたら気付けない他国の人から映る日本人の姿が描かれていてとても興味深く思いました。
(パトリック・ディキンソン監督の演出について)
初めての国外との撮影に加えて名だたる俳優の方々との撮影でとても緊張していました。
役が決まった後も、撮影が始まるまでずっと緊張していました。
その緊張に耐えかねてパトリックに『何故僕を選んでくれたのか』と聞きました。
その時に彼は『他の人は関係ないよ。貴方が受かったんだから。自信を持って。やりたいように。大丈夫。分かった?』と言ってくれたんです。
そこから自分に自信が持て積極的に撮影に臨むことが出来ました。
この言葉は今も新しい撮影に臨むたびに思い出し、心の支えになっています。
(本作の魅力、メッセージ)
2021年に撮影して数年経ち劇場で観て頂けることを本当に嬉しく思います。
家族は一番近いようで友人や恋人より複雑で実は知らない事が沢山あり、血が繋がってても赤の他人に思う事もあると思います。
見て頂く方にもそう思う方が居ると思います。
そんな家族の在り方、親子の関わりを偽りなく美しく映し出してくれている作品です。
コットンテール
2024年3月1日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
STORY
60代の作家、大島兼三郎(リリー・フランキー)の最愛の妻、明子(木村多江)が、つらい闘病生活の末に息を引き取った。埋めようのない喪失感に打ちひしがれた兼三郎は、生前の明子が寺の住職に託した一通の手紙を受け取る。そこには明子が子供の頃に訪れたイギリスのウィンダミア湖に、自分の遺灰をまいてほしいという最後の願いが記されていた。兼三郎は遺言を叶えるために、長らく疎遠だった息子の慧(トシ)(錦戸亮)とその妻さつき(高梨臨)、4歳の孫エミとともにイギリスへ旅立つ。しかし互いにわだかまりを抱えた兼三郎と慧は事あるごとに衝突し、単身ロンドンから湖水地方に向かった兼三郎は田園地帯で道に迷い、途方に暮れるはめに。やがて兼三郎は亡き妻に導かれたこの旅の果てに、人生の最も大切なことと向き合っていくのだった……。
出演:リリー・フランキー 錦戸亮 木村多江 高梨臨 イーファ・ハインズ / キアラン・ハインズ
監督・脚本:パトリック・ディキンソン
製作プロダクション:マグノリア・マエ・フィルムズ、オフィス・シロウズ
製作総指揮:ガブリエル・タナ
プロデューサー:押田興将、キャロリン・マークス・ブラックウッド、エレーヌ・テオドリー
配給:ロングライド
2022年/イギリス・日本/日本語・英語/シネマスコープ/カラー/原題:COTTONTAIL
©️2023 Magnolia Mae/ Office Shirous
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