ⓘ当サイトにはプロモーション(広告)が含まれています

現在開催中の「第2回新潟国際アニメーション映画祭」の開催4日目となる3月18日(月)、特別トークとして、片渕須直監督が制作中の新作『つるばみ色のなぎ子たち』を携えて登場。清少納言が枕草子を書いた平安時代中期を描く『つるばみ色のなぎ子たち』は当時の資料が他の時代に比べ圧倒的に少なく、悪戦苦闘の様子を明かした。

「源氏物語は、紫式部がこしらえたストーリーであるのに対し、枕草子は読んでみると記憶、ですね」

昨年も新潟国際アニメーション映画祭に登場した片渕須直監督。昨年9月に完成したパイロット版の上映からスタートした。本作は、清少納言によって枕草子が書かれた平安時代中期が舞台。平安時代は400年ほどと江戸時代よりも長く、初期や後期に比べて資料が圧倒的に少ない。学者すら「一番資料ないところじゃないの!僕は手を引きます」というほどだそうだ。今回紹介された衣装、十二単すら現存する彫刻や落書き、書物などから考証を重ねている。それは「下着を着ていたか着ていないか」といったところから始まり、女房衣裳の設定画も改訂を重ね、書き上げられたのは今年1月のことだったそうだ。

さらに、京都といえば盆地のイメージが強いが、実は内裏があった北の方角が標高が高く、1.8度傾斜があったことがわかったという。右京と呼ばれた場所は水はけが悪く人の住めない土地だったことも、当時の地形、等高線やロケハンなどから割り出していった。戦国時代この地は豊臣秀吉による工事が入り、さらに複雑になっているそうで「秀吉の杜撰な工事のせいで我々は苦労しているんですよ!」と会場を笑わせた。「後は何を復元すればいいのでしょうか!」と片渕監督がぼやくほど、まるでそこに平安時代の人々が生きているかのように緻密に繊細に考証を重ねて、今ようやく脚本段階に到着。

「思った以上に地形とかはかけ離れているんだけれども、やっていることは意外と現代的。(枕草子やその時代は)論文もあるし、本もたくさんあるし、“要出典”ってかかれない、疑わしくないと言われていることを1から調べ直すと違うイメージが湧いてくることがたくさんあります。清少納言自身、すごい活発で勝ち気な人だなんて、実は当時のものの中にどこにも見つからない。(清少納言が仕えた)中宮定子と清少納言が漫画で描かれると大体仲が良いわけですね、なんで仲が良かったのかな、なんていうのを実は考えないといけなかったりするわけです。そうやって『今までこうだったんじゃないの』ということにちょっと合理的な目を向け始めると、ずいぶんいろんなことが変わって見えてきたりするんですね。今まで書いてあったことを疑ってかかってるわけじゃないんだけど、再検証するっていうのが正しい道だと思っています。再検証を繰り返すとどんどん新しい可能性が、別の状況だったのかなと思えてくる」と、この地道で緻密な再検証こそが片渕監督の映画の持つ力の原点。「いろんな着ているものが違う、建物の様子が違えば行ったり来たりする様子も変わる。同じように見えているけれど、平面は同じでもそこに高低差があると色々違ってくるだろうな、なんて」。

「普通だったら脚本をまず書いてしまうんですけれども、大体清少納言が993年からの何年かは見えているわけですよね、すでに。でも細かなところで、この人たちは本当は何を考えていたのかな、あるいはどんなところにどんな格好をしていっていたのかな、なんてことを考えるのを先にやらないと進まない。そろそろそれが終わりの方まで見えてきたので、順番は逆なんですけど脚本という文字のかたちで起こし直すことをやりました。見えてきつつ、また最後の方は、登場人物がリアルな歴史の中ではこんなことをやっちゃって、このままだとお話終われないなと都合のいいセリフを自分で書き足してみて。それでもう一回当時の記憶にあたってみたら本当にその人が改心してたりして。当時の人のリアルなセリフ、そういうふうに生きてきたんだということがわかる」と、片渕監督がシナリオの束を掲げると場内からは「おお!」と感嘆の声が上がった。

「紫式部の源氏物語は、紫式部がこしらえたストーリーであるのに対し、枕草子は読んでみると記憶、ですね。自分が心の中に覚えたことを書き留めた、アルバムと言えるかもしれない。その中には本当にリアルな人間たちの気持ちがそのままこもっているような気もします」と語り、最後はタイトルの「つるばみ色」についても言及。「つるばみ色って、はっきりいうと喪服の色のことです。亡くなった人のリストを作ってみたんですけど、たくさんの亡くなった人の名前が出てきます。こんなに毎日。喪服は一回着ると近親者の中でも父・母・あるいは仕えている主人とかだと13ヶ月着ないといけない。もうずっと喪服着っぱなしじゃんという状況になる。このこと自体今まで思い描いていた枕草子の時代とは全然違っているわけですね」と題名に含まれた意味を語り、ますます新作への期待を高めた。

「第2回新潟国際アニメーション映画祭」は3月20日(水)まで開催中。

開催情報

第2回新潟国際アニメーション映画祭
2024年3月15日(金)~20日(水)開催

英語表記:Niigata International Animation Film Festival
主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会
企画制作:ユーロスペース+ジェンコ

公式サイト https://niaff.net

  • ブルーレイの売れ筋ランキング
  • DVD 外国映画の売れ筋ランキング
  • DVD 日本映画の売れ筋ランキング
  • ブルーレイ 外国映画の売れ筋ランキング
  • ブルーレイ 日本映画の売れ筋ランキング
  1. J-POP
  2. J-POP
  3. J-POP
  4. アニメ
  5. J-POP
  6. アニメ
  7. アニメ
  8. アニメ
  9. アニメ
  10. アニメ
  11. アニメ
  12. J-POP
  13. アニメ
  14. アクション
  15. J-POP
  16. アクション
  17. UM_all
  18. アニメ
  19. J-POP
  20. 日本のTVドラマ
    発売日 : 2023年12月27日
    価格 : ¥29,091
    新品最安値 :
    ¥29,091
  1. アクション
  2. アクション
  3. アクション
  4. アクション
  5. アクション
  6. アクション
  7. アクション
  8. アクション
  9. ミステリー・サスペンス
  10. アクション
  11. アクション
  12. SF
  13. アクション
  14. アクション
  15. SF
  16. ファンタジー
    発売日 : 2016年11月30日
    価格 : ¥4,612
    新品最安値 :
    ¥4,612
  17. アクション
  18. アクション
  19. 外国映画
  20. アクション
  1. アクション
  2. アクション
  3. アクション
  4. 日本映画
  5. アクション
  6. アクション
  7. ラブロマンス
  8. ラブロマンス
    発売日 : 2023年09月27日
    価格 : ¥3,436
    新品最安値 :
    ¥3,129
  9. アクション
  10. アクション
  11. ドラマ
    発売日 : 2024年02月21日
    価格 : ¥5,945
    新品最安値 :
    ¥5,945
  12. 日本映画
  13. ドラマ
  14. ドキュメンタリー
  15. アクション
    発売日 : 2024年01月17日
    価格 : ¥7,838
    新品最安値 :
    ¥7,838
  16. アクション
  17. 日本映画
  18. アクション
  19. 特撮
  20. ドラマ
    発売日 : 2017年09月27日
    価格 : ¥3,036
    新品最安値 :
    ¥6,688
  1. アクション
  2. アクション
  3. アクション
  4. アクション
  5. アクション
  6. アクション
  7. アクション
  8. アクション
  9. SF
  10. アクション
  11. SF
  12. アクション
  13. アクション
  14. 外国映画
  15. アクション
  16. コメディ
    発売日 : 2016年12月22日
    価格 : ¥15,607
    新品最安値 :
    ¥46,200
  17. アドベンチャー
  18. ドラマ
  19. アクション
  20. ドラマ
  1. アクション
  2. アクション
  3. 日本映画
  4. BiSHパネル展 特設ページ
  5. ラブロマンス
  6. アクション
  7. ドラマ
    発売日 : 2024年02月21日
    価格 : ¥5,945
    新品最安値 :
    ¥5,945
  8. BiSHパネル展 特設ページ
  9. アクション
    発売日 : 2024年01月17日
    価格 : ¥7,838
    新品最安値 :
    ¥7,838
  10. アクション
  11. 日本映画
  12. アクション
  13. 特撮
  14. ドラマ
    発売日 : 2017年09月27日
    価格 : ¥3,036
    新品最安値 :
    ¥3,036
  15. ラブロマンス
    発売日 : 2022年02月16日
    価格 : ¥3,328
    新品最安値 :
    ¥3,328
  16. 日本映画
  17. ミステリー・サスペンス
  18. アクション
  19. SF
    発売日 : 2023年12月20日
    価格 : ¥5,766
    新品最安値 :
    ¥5,766
  20. 日本映画

※表示されている情報・価格と異なる場合がございます。最新の情報・価格はAmazonの商品ページをご確認ください。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事