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映画『パラサイト 半地下の家族』で歴史を塗り替えた稀代の映像作家ポン・ジュノが贈るアカデミー賞®受賞後初となる最新作にして集大成『ミッキー17』が3月28日(金)公開。今回、落下事故に遭った主人公ミッキーが謎のモンスター“クリーパー”に引きずられ、絶体絶命に陥る、衝撃度MAXの本編映像が解禁された。ポン・ジュノ監督が宮崎駿監督のスタジオジブリ作品に大きな影響を受けたと明かす“クリーパー”の誕生秘話とは?

「宮崎駿監督の作品は尽きないインスピレーションの源になっていると思います」

今回解禁された本編映像は、ロバート・パティンソンが演じるミッキーが、本作に登場する“謎のモンスター”=“クリーパー”に引きずられている場面。

「ここはどこだ? 何が起きた? なぜ俺を食べない? 気絶してたのに…」と戸惑うミッキーは、自分を引きずる大きなクリーパーの背中を見つめる。「そうか、子どもに食べさせる気だな。優しいママだ」とクリーパーの心中を読もうとするミッキーに小さなクリーパーが近寄ってくる。

顔中をなめられ、手袋をくわえられ、観念したかのように目をつむると「早いとこ終わらせてくれ、ほらガブリとかじれよ」と覚悟を決める。だが、クリーパーは一向に食らいつくそぶりを見せずにどんどん進んで行く。「どこに連れて行くんだ?」と困惑するミッキーを、大クリーパーが尻尾を巧みに使って引き上げると、中小のクリーパーが総かがりで雪原に押し出す。ミッキーは「リプリントされた肉はまずいか? おい、俺はおいしいぞ、新鮮な肉だ、味は保証する」と叫ぶ。すると、大中小と3種類の大きさの異なるクリーパーがそろってミッキーを見つめ…。

今回ポン・ジュノ監督からのコメントも到着。この“クリーパー”と呼ばれる謎のモンスターは、その見た目から『風の谷のナウシカ』(1984)に登場する“王蟲(オ-ム)”を彷彿とさせ、宮崎駿監督からの影響も感じられるが、監督は「『Okja/オクジャ』(2017)のときも、主人公のミジャがオクジャのお腹の上で昼寝をするシーンがありましたが、あれはまさに『となりのトトロ』(1988)からインスピレーションを受けたシーンでした」と前置きし、「クリーパーはもう少し複雑で、様々なインスピレーションが混在しています。デザインそのものは、クロワッサンから着想を得たもので、パンが出発点です。動きに関しては、様々なアイディアが組み合わさっています」と続ける。「クリーパーは三種類ですが、ジュニアクリーパー、ベイビークリーパー、そして女王蜂のように一匹だけのママクリーパーがいます」と、大中小3種類存在すると説明する。

「ジュニアクリーパーがボールのように丸まっていく動きが登場します。それはアルマジロを参考にしています。出来上がったものを見て、ダンゴムシのようだと言う方もいましたが…」と微笑むと、宮崎駿監督作の「『風の谷のナウシカ』で王蟲が群れになって突進するシーンも、インスピレーションの源だったと言えます」と告白する。

さらに、「クリーパーが群れになって絡み合う姿は、アラスカのトナカイの動きのパターンがモチーフとなっています。動物ドキュメンタリーを見ると出てきます。サークルの中心部分に子供のトナカイを置いて、群れが時計の反対周りにらせん状を描いていく荘厳でスペクタクルな映像があります」と、クリーパーが宮崎駿監督作品のみならず、食べ物から、動物まで、ありとあらゆるものからインスピレーションを受けて完成したキャラクターだと語った。

そして「宮崎駿監督はいつも生態系や自然、環境に対するテーマを描かれていますが、私も大きな関心を持っているテーマですので、動物やクリーチャーを表現する際には、宮崎駿監督の作品は尽きないインスピレーションの源になっていると思います」と、宮崎監督の表現には常に影響を受け続けていると語っている。

更にロンドンで行われたワールドプレミアで主演のロバート・パティンンがアニメを参考にしてミッキーの役作りを進めたと語ったことについて、「ロバート・パティンソンはアニメをたくさん見ているようで、マニアックな性格ですね」と笑いながら、クリーパーのアクションについて解説。「先ほど3つのクリーパーについてお話しましたが、その中でアクションを担当しているのは、ダイナミックに飛び跳ねながらアルマジロのように群れになって動くジュニアクリーパーです。すべてのクリーパーが、ウルレーションと呼ばれる直立して鳴き声を発する姿を見ると、多くの脚があることが分かります。複数の脚を持つ生物は、走るときにとても不思議な動きをします。リズムが妙なんです。専門用語ではウォークサイクルといいますが、これを作るのが、クリーチャーを表現する上で最も重要な基本です。ジュニアクリーパーが勢いよく走るとき、ウォークサイクルをどうするべきか。短い脚がいくつもあって、それらを走らせなければなりません。レファレンス先を探している中、CGチームのほうから『となりのトトロ』に出てくるネコバスのアイディアが出ました。あのネコは足が4本ではなく、何本もあるんです。『となりのトトロ』ではその足が絶妙なリズムで動く様子が見事に描写されています」と、『ミッキー17』のCGチームは、全世界で愛される『となりのトトロ』を参考にクリーパーの造形、そしてその独特の動きを作り上げたと語っている。

これまで、予告映像にもその姿は映し出されていたものの、謎に包まれ続けていた謎のモンスター”クリーパー”、ミッキーの前に突如として現れる彼らの目的とは?スタジオジブリ作品に多大なる影響を受けた、クリーパーの姿に注目だ。

作品情報

ミッキー17
2025年3月28日(金)公開

監督・脚本:ポン・ジュノ 『パラサイト 半地下の家族』
出演:ロバート・パティンソン『TENET テネット』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』、ナオミ・アッキー『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』、スティーヴン・ユァン『NOPE/ノープ』、トニ・コレット『ヘレディタリー/継承』(アカデミー賞®助演女優賞ノミネート)、マーク・ラファロ『アベンジャーズ/エンドゲーム』

配給:ワーナー・ブラザース映画

© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
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Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories

公式サイト mickey17.jp

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