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第74回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で上映され、高い評価をうけた社会風刺を効かせたヒューマン・エンターテインメント『ラ・コシーナ/厨房』が6月13日(金)より全国公開中。このたび、職場恋愛中の恋人たちによる、示唆的なやりとりを捉えた本編映像が解禁された。

「“ロブスターを食え”とどこのバカが勧めた?」

本作の舞台は、スタッフの多くが移民で構成されたニューヨークの観光客向け大型レストラン「ザ・グリル」。その人間関係を時にユーモラスに、時に痛烈に描いたヒューマン・エンターテインメント。イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーが書いた1959年初演の戯曲「調理場」を原作に、舞台をニューヨークの観光客向けレストランに移し、まぶしく先進的な街と、レストランで働きながらアメリカン・ドリームを求めて滞在する移民たちの対比が全編ほぼモノクロームでスタイリッシュに描かれていく。

今回解禁された本編映像は、開店準備が進む「ザ・グリル」で、ウェイトレスとして働くアメリカ人のジュリア(ルーニー・マーラ)がお店のシンボルである大きな水槽を磨いているシーン。そこに何匹ものロブスターが投入され、彼女の恋人でメキシコ出身の料理人であるペドロ(ラウル・ブリオネス)が、「“ロブスターを食え”とどこのバカが勧めた? そいつのせいで、みんな必死にロブスターを食ってる」と語り始める。

高級食材になってまだ100年も経たないこの生き物や人間を巡るどこか滑稽な歴史が語られていく中で、彼をまっすぐ見つめ続けるジュリア。そっと近づきキスをして挨拶を交わし、以前から恋人同士であるふたりにしか分からないやりとりを繰り広げる。ペドロの話は本作で描かれる複雑な人間模様をどこか示唆するもので、水槽の中でうごめくロブスターを体を覆う毛や水泡まで見えるほどに大きく捉えるカメラワークも強い印象を残すシーンとなっている。

この会話からペドロは理知的な人物であると同時にロマンチストであることも伝わってくるが、演じたブリオネスは、「ペドロは社会的な闘士として戦い続ける存在です。彼は単なるキャラクターの枠に収まらず、その殻を破って本来の人間性を取り戻しつつあります。アメリカンドリームが映画の夢と重なるように、ペドロを通して、現代の私たちが生きる中で何が起こっているのか、そしてどう対抗すべきかと改めて考えさせてくれました」とその人物像を明かす。物語が進むにつれ、ふたりの恋模様のゆくえだけでなく、ペドロが起こすある行動にも注目。

当初からマーラにジュリアを演じてほしいと考えていたアロンソ・ルイスパラシオス監督は、本作の脚本執筆中、マーラの代表作の1本『キャロル』を鑑賞したという。「彼女のサブテキストを表現する力に驚きました。壊れそうなくらい繊細なのに、少ない言葉で多くを伝えられるんです。彼女は言葉こそ少ないけど、その分すごく強いエネルギーを持っている。その要素が、ジュリアというキャラクターには必要だったんです」とその魅力を語る。

マーラは、「今の私にとって大切なのは“体験”なんです。“これは意味のある体験になるだろうか? 自分が成長できる何かがあるだろうか?”と自問します。アロンソがこの映画を作ろうとしているやり方を知ったとき、私はすぐに“これはぜひ体験したい”と思いました。これまでやってきたどんな仕事とも違うものになると感じられたんです」と出演を決め、自身にとって初めてとなるメキシコでの本格的な撮影に臨んだ。

ブリオネスは、マーラとの共演を振り返り「ルーニー・マーラと共に仕事をするのは、シンプルでありつつ温かみのある体験でした。それは、ルーニーが私やチーム全体に対して本当に率直に、自然体で接していたからです。彼女は規律を保ち、プロとしての責任感を持って自分の役割を果たし、私たち厨房にいる全員と同じように働いていました。その肩書にもかかわらず、素晴らしい人間性を持ち、だからこそ素晴らしい俳優であると言えるのです」と明かす。

作品情報

ラ・コシーナ/厨房
2025年6月13日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開

STORY
NYにある観光客向けの大型レストラン。“いつも”通りドラマチックでカオスな一日に、とんでもない事件が起きる…。ニューヨークの大型レストラン「ザ・グリル」の厨房の、いつも通り目の回るような忙しい朝。店の従業員たち全員に売上金盗難の疑いがかけられる。加えて次々に新しいトラブルが勃発し、料理人やウェイトレスたちのストレスはピークに。カオスと化した厨房での一日は、無事に終わるのだろうか…。

監督・脚本:アロンソ・ルイスパラシオス 出演:ラウル・ブリオネス、ルーニー・マーラ 原作:アーノルド・ウェスカー

2024年|139分|モノクロ|スタンダード(一部ビスタ)|アメリカ・メキシコ|英語、スペイン語|5.1ch|G|原題:La Cocina |字幕翻訳:橋本裕充

配給:SUNDAE

© COPYRIGHT ZONA CERO CINE 2023

公式サイト sundae-films.com/la-cocina

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