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牡蠣の生態を通して環境、ジェンダーの未来を描くハイブリッド・ドキュメンタリー『水の中で息をする ―彼女でも彼でもなく―』が1月31日(土)より公開。このたび予告編が解禁された。あわせて各識者によるコメントが到着した。

「海のミルク」と呼ばれ人々の舌を惹きつけて止まない牡蠣。だが牡蠣の役割はそれだけではない。牡蠣は呼吸することによって⽔を濾過し⽔質を改善する。集団を好みくっつきたがる性質もあり、牡蠣が集まってできた「牡蠣礁」は微生物や甲殻類、小魚たちの住処となる。そして、更なる特別な性質として、繁殖の為に、自身の性別を変えることもあるのだ。本作は、食べ物としての牡蠣のイメージを大きく覆し、人類のありうべき未来を示唆する。

このたび解禁された予告編では、海底に沈められた列車に藻が覆い、小魚たちがその周りを泳ぐ様子、⽔が溢れだし洪⽔が予見される地下鉄の構内などの映像が映し出される。ニューヨークはかつて牡蠣の収穫量世界一を誇り、黒人奴隷たちがその産業を支えた。やがてその乱獲により牡蠣の数は激減し、浄⽔力を欠いた川や海の⽔は汚れ、さらに昨今の気候変動による海面上昇が度重なる都市の洪⽔を引き起こしている。しかし、それを食い止めるために牡蠣を海に戻す活動が、市民団体の動きによって始まっている。

本作はそんな状況を捉えるドキュメンタリーであると共に、フィクションフッテージや歴史映像を巧みに混ぜ合わせながら、環境危機とジェンダーの未来について思いを巡らせる作りとなっている。予告編ではその一部を垣間見ることができる。

あわせて識者4名のコメントも解禁。『PERFECT DAYS』(23)に出演し、『禍禍女』(2/6~)の公開も待たれるパフォーミングアーティスト、アオイヤマダは、ニューヨークで牡蠣を食べた時の経験を映画に照らして「あの一粒に詰まった物語、これからも、食べる度に呼吸を思い出す」と語っている。映画作家の小田香は「牡蠣にとっては男も女も古代のワードかもしれない」とコメント。クィア・スタディーズを専門とする社会学者の森山至貴は「牡蠣の意義を豊かに乱反射させることで、見知った「感動の実話」に回収されないクィアな未来を提示する」と本作を捉え、映画批評家の児玉美月は「あなたが息苦しい場所にいても少しでも息がしやすくなるように」と作家のメッセージを受け取ったことをつづった。コメント全文・一覧は以下のとおり。

各識者からのコメント ※順不同・敬称略

牡蠣に手を差し伸べられ、
牡蠣に手を差し伸べる。
彼女でも、彼でもない彼らに教わる生き方は
牡蠣の殻のように、きっと未来を切り拓いてくれる。
先日、ニューヨークで牡蠣を食べました。
在住の友達に、「ニューヨークを知るひとつ」と言われた理由がわかりました。
あの一粒に詰まった物語、
これからも、食べる度に呼吸を思い出す。
アオイヤマダ(パフォーミングアーティスト)

多くの人にとって、性別は2種類しかない。私はじぶんの性別に名前をつけることを諦めてしばらく経つ。この映画を観ながら、環境によって性別を変えられる牡蠣のような柔軟さがあれば楽なのかな?と考えていたが、なんだか人間ぽい発想だなと思った。牡蠣にとっては男も女も古代のワードかもしれない。常に進化の途中。みな個として、くっつくのだろうし、くっつかないやつもいるだろう。
そしてそれが末には小魚の住処として在れるかもしれないのだから、どんなに素晴らしいだろう。
小田香(映画作家)

男と女、白人と黒人、自然と人工…いくつもの二項対立を乗り越える地点に存在する牡蠣は、ともすると安易な美談の象徴になりうる。このことに自覚的な本作は、ドキュメンタリーとフィクションを巧みに混淆させ牡蠣の意義を豊かに乱反射させることで、見知った「感動の実話」に回収されないクィアな未来を提示する。
森山至貴(社会学者)

牡蠣は一生のうちに性別を変化させる生き物として知られる。
ノンバイナリーの映画作家が手がけたこのドキュメンタリー作品は、
人間と牡蠣の境界線を撹乱する独創的な語り口で、わたしたちの社会の在り方を問う。
そしてそこでは、あなたが息苦しい場所にいても少しでも息がしやすくなるように、という作家の祈りが波のように寄せ返す。
児玉美月(映画批評家)

作品情報

水の中で息をする ―彼女でも彼でもなく―
2026年1月31日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開 以降全国順次

監督:エミリー・パッカー プロデューサー:トレイ・テルーオ 撮影:ジョン・マーティ 編集:リンジー・フィリップス、ベン・スティル

アメリカ|2023 年|77 分|英語|原題:Holding Back the Tide

字幕翻訳:⻄⼭敦子 デザイン:中野⾹ 配給協⼒:野崎敦子

配給宣伝:ブライトホース・フィルム

© Marginal Gap Films 2023

公式サイト mizunonaka.brighthorse-film.com

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