第81回ヴェネツィア国際映画祭にて最優秀イタリア映画賞(アルカ・シネマ・ジョヴァーニ部門)およびFEDICアワード最優秀作品賞をダブル受賞し、世界各地の映画祭を席巻した感動の実話『ヴィットリア 抱きしめて』が4月10日(金)より全国公開。このたび、本日4月4日の「養子の日」(日本財団が、特別養子縁組制度の普及と理解促進を目的として制定)に寄せて、主演&監督の特別インタビューが解禁された。本作のモデルであり自ら主演を務めたマリレーナ・アマートの実体験と、彼女を導いた監督たちの言葉から、現代における「家族の選択」を紐解く。

本作の舞台は、イタリア・ナポリ南部。3人の息子と夫に囲まれ、ヘアサロンを営むジャスミンが「娘が欲しい」という強い衝動に突き動かされ、周囲の反対を押し切りながら養子縁組に挑む姿を描く。驚くべきは、主人公ジャスミンとその家族を、プロの俳優ではなく、モデルとなったマリレーナ・アマートとその家族本人が演じている点だ 。
監督のアレッサンドロ・カッシゴリとケイシー・カウフマンは、前作の撮影中に偶然出会った美容師のマリレーナから、彼女自身の「養子縁組」の実体験を聞き、その強烈なキャラクターと物語に即座に映画化を確信したという。監督は「プロの俳優ではない彼女たちに、自分自身以外の人物を演じさせることはできない」と語り、実際の美容室や仕事の合間を縫って撮影を敢行。徹底的な「リアル」を追求した。

出演の打診を受けた当初、マリレーナは「かなり驚き、緊張した」と振り返る。撮影は、単なる再現を超えた「感情の追体験」となった。「リハーサルを繰り返すたびに、まるでその瞬間に戻ったかのようだった。再現だと理解していても、感情はリアルだった」と語る通り、劇中では夫との激しい衝突や、養子縁組の厳しい現実を前に挫ける様が、剥き出しの言葉と表情で表現される。
監督によれば、撮影現場では想定外の現象も起きたという。「彼らは自分たちが経験した場面を演じることで、過去の問題や未解決の葛藤に向き合った。まるでカメラが存在しないかのように、本気で問題を解決しようとしていた」と、映画制作が家族の絆を再確認するプロセスになったことを明かしている。
イタリア国内の養子縁組は、親の年齢が20歳から45歳までという制限があり、三親等以内の家族・親戚全員の同意が必要など、非常にハードルが高い。劇中でも、費用面や待機期間を伝えられたジャスミンが絶望する場面が何度もある。また、国際養子縁組という方法もあることや、養子となる子どもたちが厳しい環境に置かれている現実も描かれている。
マリレーナは「イタリアのプロセスは経済的にも負担が大きく、大変だった。でも、準備さえできていれば『恐れないで』と伝えたい。養子縁組を考えているカップルたちに『あなたたちは一人じゃない』と感じてほしくて、この映画に出る決心をしました」と語る。
映画のタイトルにもなっている娘のヴィットリアは、今や13歳の賢く美しい少女に成長。「初めて会ったとき、彼女は5歳で栄養失調の状態でしたが、目にした瞬間から愛していました。彼女が我が家に来たとき、喜びも一緒にやってきたのです。父が他界してから祝うのをやめていたクリスマスが、ヴィットリアのおかげで再び始まりました。養子は、計り知れない幸せを運んできてくれます。それこそが、私が一番伝えたいメッセージです」と、同じ境遇の人々へエールを送っている。
世界的には、養子の対象となる子には、家族をもつ権利があるとされている。ある家族の切実な願いと大きな決断を描いた物語は、単なるドラマを超えて、私たちに「家族とは何か」を深く問いかけてくる。
まとめ(注目ポイント)
- 本日4月4日は「養子の日」日本財団が制定した記念日にあわせ、養子縁組のリアルな葛藤を描いた本作から特別インタビューが到着。
- 映画『ヴィットリア 抱きしめて』4月10日(金)公開ヴェネツィア国際映画祭でW受賞を果たし、世界各地の映画祭を席巻した感動の実話。
- プロの俳優ではなく“実際の家族”が本人役で出演モデルとなったマリレーナ・アマートとその家族が自分自身を演じ、徹底的なリアルと感情を追体験。
- 当事者が語る「家族とは何か」という問いかけ「養子は計り知れない幸せを運んできてくれる」という生きた言葉とともに、子どもの権利と家族のあり方を紐解く。
ヴィットリア 抱きしめて
2026年4月10日(金)新宿武蔵野館、HTC 渋谷ほか全国順次公開
STORY
イタリア・ナポリ南部でヘアサロンを営むジャスミンは、夫と3人の息子に囲まれ、満ち足りた人生を送っていた。しかし40歳を迎えた頃、父の死をきっかけに異変が起きる。金髪の少女を父から託される夢を繰り返し見るようになり、「自分の人生には娘が必要だ」という想いに囚われるようになる。ジャスミンは娘を迎えるために養子縁組を決意するが、イタリアの養子縁組はハードルが高く、性別も選べない。さらに夫と息子の反発で家族が疲弊していく中、一家は大きな決断を迫られる――。
監督・脚本:アレッサンドロ・カッシゴリ、ケイシー・カウフマン
出演:マリレーナ・アマート、ジェンナーロ・スカーリカ、ヴィンチェンツィオ・スカーリカ、アンナ・アマート、ニーナ・ロレンツァ・チャーノ
メイク・ヘアデザイン:アン・ノシュ・オールダム
2024年/イタリア/イタリア語/84 分/カラー/ヴィスタ/5.1ch/原題:VITTORIA/日本語字幕:関口英子
©2024 Zoe Films, Sacher Film, Scarabeo Entertainment, Ladoc
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム



