18世紀初頭、ヴェネツィアに実在したピエタ院でヴァイオリン教師として赴任したアントニオ・ヴィヴァルディと、才能を開花させていく一人の孤児を描く師と愛弟子の物語『ヴィヴァルディと私』が、アップリンク吉祥寺ほか全国順次絶賛公開中。「ミニシアターランキング」では4週連続ベスト3以内に入るなど、クラシック音楽ファンを中心に静かなブームを呼んでいる。

5月22日(金)よりシネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺他にて公開された本作は、興行通信社発表の「ミニシアターランキング」では4週連続ベスト3以内に入るなど、2026年上半期のミニシアター上映作品としてヒットを記録している。アップリンク吉祥寺では、公開週の日曜日から木曜日までの5日間連続初回満席が続き、4週目の日曜日も満席を記録した。
Xでは「面白かった!!音楽は素晴らしく。1700年代の苛烈さが良くわかる」「どのシーンも絵画のような構図と光。やるせない哀しみに溢れている。女性同士の連帯も機微のある描写。良かった」「ヴィヴァルディの音楽に溢れてる時点で俺得。音楽に忠実なヴィヴァルディの楽曲や主人公の選択、決断、その事由が強く響く良作」などのポストで溢れ、SNSでの口コミも広がりを見せている。
幼少期から名手として有名だった父からヴァイオリンを学んでいたヴィヴァルディは25歳で司祭となるが、ソナタ集などを出版し、音楽家としての道を歩んでいた。同年、ヴェネツィアのピエタ院でのヴァイオリン教師に任命され、少女たちに音楽を教え始めると、彼女たちの演奏は輝き、世界最高のオーケストラと賞され、ヨーロッパ各地の貴族や知識人を魅了していった。そして、ヴィヴァルディはピエタ院で奉職中、彼の代表作となる「四季」やオラトリオ「勝利のユディータ」を生み出した。
“静かなブーム”を巻き起こしている本作について、クラシック音楽の専門家は次のように語っている。
■タワーレコード渋谷店クラシックフロアスタッフ
・衣装や舞台、楽器の時代考証がしっかりされていて、画面にリアリティがある。個人的には、ピエタ院の中での演奏の様子が史料をうまく映像化していると感じられた。
・日本においてヴィヴァルディという作曲家の生涯は、「四季」などその音楽の知名度に比べると取り上げられることが少なく、今回の映画はフィクションとはいえ、史実に基づいている部分があるので、一般の方々はもちろん、音楽家の方々にとってもヴィヴァルディの生涯を知る上でも興味を持つ方が多いと感じた。
・映画内で「四季」の旋律のヒントになるチェチリアの即興はフィクションですが、意外とそんな発想から曲が作られたかもしれないと感じたことがクラシック音楽ファンには響いたのでは。

■クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」副編集長
・ヴィヴァルディの生涯を語る際に必ず登場するピエタ養育院について、名前は聞いたことがあるものの、どのような施設であったのかは未知の部分も多く、クラシックファンにとって映画の舞台そのものが興味をそそるものであった。
・オペラ演出家として知名度の高いダミアーノ・ミキエレットの初長編映画作品ということで注目を集めたが、18世紀ヴェネツィアの時代観やその時代を生きた人々の息遣いが伝わってくる映像は期待通りで、音楽ファンにとっても見応えのあるものだったのではないか。
・楽器や奏法などについての時代考証もなされており、さまざまな弦楽器やシャリュモー(クラリネットの前身)など当時の楽器の話も出てきて、特に演奏シーンは、古楽マニアには興味深いものがあったと感じられた。
まとめ(注目ポイント)
- 『ヴィヴァルディと私』全国順次公開中 5月22日より公開。アップリンク吉祥寺などで上映され、全国で順次公開が続く話題作。
- ミニシアターランキング4週連続ベスト3入り 興行通信社発表ランキングで4週連続ベスト3以内を記録。2026年上半期のヒット作品として存在感。
- 口コミで広がる支持 SNSでは映像美や音楽、女性たちのドラマへの評価が相次ぎ、クラシック音楽ファンを中心に話題拡大。
- 専門家も高く評価する時代考証 衣装や楽器、演奏法など細部まで再現。ピエタ院の描写や古楽器表現も見どころ。
ヴィヴァルディと私
2026年5月22日(金)シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
STORY
1716年、ヴェネツィアのピエタ院。赤ちゃんポストに置き去りにされたチェチリア(テクラ・インソリア)は、母の姿も愛情も知らずにこの院で育ち、毎晩こっそりベッドから抜け出してはろうそくの灯りで、宛名のない母への手紙を綴っていた。院から出て外の世界で暮らすには、母親が迎えに来るか、貴族に見出され結婚するかしかなかった。そんな中、ピエタ院にアントニオ・ヴィヴァルディ(ミケーレ・リオンディーノ)がヴァイオリン教師として赴任すると、卓越したヴァイオリンの技術を持つチェチリアを見出し、第一ヴァイオリンのリーダーに任命する。ヴィヴァルディからの厳しい練習に耐え、ヴァイオリンの腕があがっていくチェチリア。いつしか二人は心を通わせるようになる。そんな折、ピエタ院が決めたチェチリアの結婚相手である将校がトルコとの戦争から戻り、結婚が迫ったある日、事件が起こる……。
監督・脚本:ダミアーノ・ミキエレット
原作:ティツィアーノ・スカルパ 「ヴィヴァルディと私」(河出書房新社刊/中山エツコ訳)
出演:テクラ・インソリア、ミケーレ・リオンディーノ、アンドレア・ペンナッキ
2025/イタリア・フランス/イタリア語/110分/1.85:1/5.1ch/原題:PRIMAVERA/G 字幕翻訳:関口英子 後援:イタリア文化会館
配給:彩プロ
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