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南米ドキュメンタリー映画の巨匠、パトリシオ・グスマン監督最新作で、2019年カンヌ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞・インディペンデント批評家賞をW受賞した『夢のアンデス』が10月9日(土)公開。このたびグスマン監督自らナレーターを務める予告編が完成した。

「⼭々は歴史の⽬撃者だ」

1973 年 9 ⽉ 11 ⽇、チリ・軍事クーデター。世界で初めて選挙によって選出されたサルバドール・アジェンデの社会主義政権を、⽶国 CIA の⽀援のもと、アウグスト・ピノチェトの指揮する軍部が武⼒で覆した。ピノチェト政権は左派をねこそぎ投獄し、3000 ⼈を超える市⺠が虐殺された。

南⽶ドキュメンタリーの巨匠パトリシオ・グスマン監督は、40 年以上にも渡りチリの弾圧の歴史を描いてきた。「光のノスタルジア」(10)「真珠のボタン」(15)に続く⼀⼤叙事詩最終章となる本作は、かつて「チリの闘い」(1975-1978)で映像に残した、永遠に失われた輝かしいアジェンデ時代の歴史と、クーデター後、新⾃由主義の実験の場となってしまった祖国の現状を、アンデスのように俯瞰した視座から改めて⾒つめ直す。

このたび完成した予告編は、グスマン監督の幼少時の記憶に残るマッチ箱に描かれたアンデス⼭脈から始まり、「⼭々は歴史の⽬撃者だ」と語るグスマン監督⾃⾝のナレーションが⾒るものに静かに問いかけてくる。

1973年9⽉11⽇、チリ、軍事クーデターから独裁政権への移⾏、ピノチェトが主導する独裁に反対する⼈々の反抗、その後、新⾃由主義の実験場となってしまったチリの悲劇を映像は映し出す。

「私たちの⼈⽣を永遠に変えた」とグスマン監督が語る、チリの光と影の記録と記憶。そしてただ静かにそこにあったアンデス⼭脈の存在。映像は「この詩的なドキュメンタリーは、世界から隔絶された⼭々を介して、チリの過去と未来を表現している」という sight&sound誌の批評と、「絶望をこえ、過去と未来を見据え、どう生きるべきか、私たちの「今」を問う」というメッセージで締めくくられる。

作品情報

夢のアンデス
2021年10月9日(土)より岩波ホールほか全国順次公開

【監督・脚本】パトリシオ・グスマン【撮影】サミュエル・ラフ【音楽】ミランダ&トバー【編集】エマニュエル・ジョリー、パブロ・サラス
【録音】アルバロ・シルヴァ・ウス、アイメリク・デュパス、クレア・カフ
【出演】フランシスコ・ガシトゥア、ビセンテ・ガハルド、パブロ・サラス、ホルヘ・バラディットほか
【配給】アップリンク

(チリ、フランス/2019 年/85 分/16:9/スペイン語/原題:The Cordillera of dreams)

Ⓒ Atacama Productions - ARTE France Cinéma - Sampek Productions - Market Chile / 2019

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