スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリの素顔に迫ったドキュメンタリー映画『グレタ ひとりぼっちの挑戦』の本編映像の一部が解禁された。SNSでの誹謗中傷や殺害予告を受けてもなおグレタが行動をやめない理由が明かされている。『グレタ ひとりぼっちの挑戦』は10月22日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国公開。

ニュースで取り上げられる強気な姿の裏にある、グレタの葛藤と覚悟

本作は、2019年のフォーブス誌にて“世界で最も影響力のある女性”に選出、同年のタイム誌でも“今年の人”として紹介された、世界でもっとも有名な若き環境活動家グレタ・トゥーンベリの素顔に迫ったドキュメンタリー映画。

気候問題に関する専門的知識と揺るぎない覚悟を持ち、国連総長アントニオ・グテーレスやフランスのマクロン大統領、ローマ教皇など世界のリーダーらと議論を重ねていく様をもっとも身近なところで寄り添うように捉えていくと同時に、世界から注目を集める1年以上前から彼女に密着し、犬や馬と戯れるリラックスした姿のほか、アスペルガーの症状について冷静に自身で分析する姿、重圧と向き合い葛藤する姿、彼女の様々な行動を支える家族の姿も映し出していく。

このたび公開となった本編映像の一部は、SNS上でグレタに向けられた誹謗中傷を自身で読み上げる場面。彼女は、世界中での学校ストライキの火付け役となって注目を浴び、環境活動家のリーダーとして称えられる一方で、その強い口調から反感をもたれることも少なくない。

グレタのもとには「アスペルガーの人は1つのことに固執しがち」、「ママの書いた原稿と泣き落としで訴えてもグレタの茶番なんて誰も気にしない」などのヘイトが容赦なく向けられる。

彼女は取り乱すこともなく冷静に向き合うが、父・スヴァンテは大きな不安を感じている表情を捉えている。スヴァンテは彼女の意思を尊重し活動を支えているが、時には殺害予告にまで及ぶ手紙が届くようになり、応急手当講習を受けるほど危機を感じている。

グレタは、両親が活動の継続を心配していることを理解した上で、批判の声に対して「私は気にしません。活動をやめて生じる結果の方が怖いからです」と語っている。ニュースで取り上げられる強気な姿の裏にある、グレタの葛藤と覚悟に胸が締め付けられる映像となっている。

彼女が活動を始めるに至った経緯や素顔、周囲の反応や広がりなどを捉えた本編を観れば、印象が変わり、決して他人事ではない本質が見えてくること間違いないだろう。彼女が伝えたいことは何なのか。彼女は世界から注目される状況をどう感じたのか。私たちはこれからその思いにどのように向き合い、生きるべきか。SDGsへの関心が高まる今だからこそ、知りたい。爽やかな余韻の中に深く思いを巡らせるドキュメンタリーだ。

作品情報

グレタ ひとりぼっちの挑戦
2021年10月22日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開

2018年8月、気候変動に対する政府の無関心に抗議するため、15歳のグレタはたったひとりでストックホルムにある国会議事堂前に座り込み、学校ストライキを始めた。自作の看板を掲げ、リーフレットを配りながら通行人の質問にも丁寧に答えるグレタ。毎週金曜日に行っていたこの行動は「Fridays For Future(未来のための金曜日)」と名付けられ、世界中の若者たちにも次第に浸透。たったひとりで始めたストライキは、数か月のうちに国内外へ広がる一大ムーブメントになっていった。その後、2019年にニューヨーク国連本部で開かれた気候行動サミットで涙ながらに強く訴えたスピーチでグレタはさらに世界的な注目を浴びる存在となっていく……。

出演:グレタ・トゥーンベリ、スヴァンテ・トゥーンベリ、アントニオ・グテーレス、エマニュエル・マクロン、アーノルド・シュワルツェネッガー、ドナルド・トランプ
監督・脚本:ネイサン・グロスマン  製作:セシリア・ネッセン、フレドリク・ハイニヒ  編集:ハンナ・レヨンクヴィスト、シャーロット・ランデリウス
音楽:レベッカ・カリユード、ヨン・エクストランド  脚本:ペール・K・キルケゴー、ハンナ・レヨンクヴィスト

2020年/スウェーデン/ドキュメンタリー/101分/ビスタ/5.1ch/原題:I AM GRETA 日本語字幕:石塚香

配給:アンプラグド 

© 2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.

公式サイト:greta-movie.com

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