ドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督が、マサチューセッツ州ボストンの市役所を捉えた『ボストン市庁舎』の予告編が完成した。ボストンの美しい建築物や⾵景を挟み込みながら、ボストン市⺠の幸せのため、懸命に多種多様な仕事をする市⻑や市役所職員たちの姿が映し出されている。

本作は『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』で知られるドキュメンタリー界の⽣ける伝説、フレデリック・ワイズマン監督が、⽶マサチューセッツ州ボストンの市役所を撮影した最新作。 カイエ・デュ・シネマの 2020 年ベスト1をはじめ、世界も絶賛する仕上がりとなっている。
ワイズマンが⽣まれ、現在も暮らす街であるボストンは、多様な⼈種・⽂化が共存する⼤都会。映し出されるのは、警察、消防、保険衛⽣、⾼齢者⽀援、出⽣、結婚、死亡記録など、数百種類ものサービスを提供する市役所の仕事の舞台裏。そして、マーティン・ウォルシュ市⻑をはじめ、真摯に問題に対峙し奮闘する職員たちの姿だ。「⼈々が共に幸せに暮らしていくために、なぜ⾏政が必要なのか」(ワイズマン監督)を紐解いていく。
このたび解禁された予告編は、マーティン・ウォルシュ市⻑のスピーチから始まる。「ボストン市は繁栄しているが、6人に1人が飢えている。私たちが協力して飢えをゼロにしましょう」
フードバンクや同性カップルの結婚式、NAACP(全⽶⿊⼈地位向上協会)との話し合いや看護師の⽀援、野良⽝のクレームに⾄るまで次々と寄せられる市⺠からの電話への対応……。ウォルシュ市⻑は、「もし困ったことが発⽣したら、市⻑の私に電話を。通りで私を⾒かけたら声をかけて」と市⺠に呼びかける。そこには、“誰⼀⼈取り残さない政治をしたい”という市⻑らの気概が確かに存在している。

2018 年秋から 2019 年冬にかけてのトランプ⼤統領在任時期に撮影された本作は、トランプ政権下でいかにアメリカ⺠主主義を守るかと⾔うボストン市庁舎の挑戦の記録でもある。しかし、トランプがいなくなっても、コロナ禍で新たな分断が⽣まれている今⽇、⽇本に暮らす私たちにも無縁ではない「市⺠のための市役所」は必⾒と⾔えるだろう。
ボストン市庁舎
2021年11月12日(金)より Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
監督・製作・編集・録音:フレデリック・ワイズマン/2020年/アメリカ/英語/272分/カラー/1.78:1/モノラル/DCP
原題:City Hall 字幕:齋藤敦子
配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ
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公式 HP: https://cityhall-movie.com/