ドキュメンタリー映画界の巨匠フレデリック・ワイズマン監督が、⽶マサチューセッツ州ボストンの市役所を撮影した最新作『ボストン市庁舎』に、想⽥和弘監督や町⼭智浩ら各界著名⼈から絶賛コメントが寄せられた。ボストン市⺠の幸せのため、懸命に多種多様な仕事をする市⻑や市役所職員たちの姿を映し出す本作に、ボストン滞在経験のある著名⼈や政治の専⾨家たちからも熱い感想が相次いでいる。あわせて、新ビジュアルと新場⾯写真も解禁となった。
本作は『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』で知られるドキュメンタリー界の⽣ける伝説、フレデリック・ワイズマン監督が、⽶マサチューセッツ州ボストンの市役所を撮影した最新作。マーティン・ウォルシュ市⻑をはじめ、真摯に問題に対峙し奮闘する職員たちの姿を通して、「⼈々が共に幸せに暮らしていくために、なぜ⾏政が必要なのか」(ワイズマン監督)を紐解いていく。本作は、先⽇開催された⼭形国際ドキュメンタリー映画祭 2021 で優秀賞を受賞し、“ワイズマンの集⼤成的⼀本”と国内外で絶賛を呼んでいる。
公開を前に、本作をいち早く鑑賞した各界の著名⼈よりコメントが到着。⽇本のドキュメンタリー界を牽引する映画作家の想⽥和弘はワイズマンの過去作を振り返りながら「⼤巨匠が繰り出したのは“告発”や“批判”ではなく“祝福”である。撮影時88歳。彼は実は熱い⼈だったのだと、僕の胸も熱くなる」、映画評論家の町⼭智浩は「格差や差別と戦い、“市を変えて国を変えよう!”と訴えるボストン市⻑たちはアメコミ以上のヒーロー。(略)⽇本よ、これが市政だ!」と映画ファンにお馴染みのアメコミ映画のキャッチフレーズを思わせる⾔葉で⼤絶賛。
また俳優の古舘寛治は「これを観た⽇本の若者がたくさん政治家を⽬指し始めるという希望さえ持つ」、ボストンへの留学経験があるタレントの関根⿇⾥は街の⾵景が「ボストンの歴史や多様性」を表しているとコメント、OECD 及びフォード財団の「チャンピオン・メイヤー(市⻑チャンピオン)」に選ばれた経験を持つ元⼤津市⻑の越直美は⽇本との共通点とともにボストン市⻑の伝える姿勢に「共感と感動」、その他にも、『息の跡』『空に聞く』の映像作家の⼩森はるか、TV のコメンテーターとしても活躍するジャーナリストの浜⽥敬⼦、アメリカ政治を専⾨にする早稲⽥⼤学教授の中林美恵⼦らが本作に熱いコメントを寄せている(コメント全文は以下にて)。
また、あわせて本作の新ビジュアル&新場⾯写真も解禁。新ビジュアルには、市役所の建物を中央に、市⻑らと市⺠が向き合う様々な表情が並ぶ。新たな場⾯写真からは、建築の街としても⼈気の⾼いボストンの街の⾵景や、様々な⽂化を背景にもつ市⺠、多種多様な市役所の仕事がより⼀層⾒えてくる。
コロナ禍を経験し、どんな⾏政が⾏われている地域に暮らすのかが⼤きな関⼼事になった⽇本に暮らす私たちにも無縁ではない「市⺠のための市役所」の可能性を⾒せてくれる『ボストン市庁舎』は11⽉12⽇(⾦)より Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開。
著名⼈コメント全⽂(順不同・敬称略)
50 年以上、世界をクールに観察し描写してきたワイズマンだが、世界中でデモクラシーが危機に瀕する中、ついに極めて「政治的」な映画を撮った。ただし、⼤巨匠が繰り出したのは「告発」や「批判」ではなく「祝福」である。撮影時88歳。彼は実は熱い⼈だったのだと、僕の胸も熱くなる。
想⽥和弘(映画作家)
“すべての声を聞く”ことを、はなから諦めない⼈たちが写っていた。その姿を押し付けがましく提⽰しない。⼀⼈の訴えを、共に解決に尽くす時間を、街の実景と同じよう、そのままに⾒る・聞くことへと私たちを促す。“すべての声を聞く”ことを、作り⼿も信じているからだと思った。
⼩森はるか(映像作家)
市⺠と⾏政があらゆる問題について各所でガチンコの対話をしている。⾯⽩い。こんなに政治が近いなら誰もが政治に興味を持つのではないのか?これを観た⽇本の若者がたくさん政治家を⽬指し始めるという希望さえ持つ。
古舘寛治(俳優)
ボストン市庁舎のウォルシュ市⻑やスタッフの活動を細かく⾒ることができ、市⺠に寄り添う市⺠のための姿勢がとてもよく伝わりました。このドキュメンタリーから私たちも多くを学ぶことができると思います。それぞれのシーンの合間に映される街の⾵景は、ボストンの歴史や多様性を表していて、ボストンに留学していた頃を思い出し、とても懐かしく感じました。
関根⿇⾥(タレント)
格差や差別と戦い、「市を変えて国を変えよう!」と訴えるボストン市⻑たちはアメコミ以上のヒーロー。保健所や図書館や職員を減らし、⾮正規職員をコキ使い、カジノで儲けようとする地⽅⾃治体とは⼤違い。⽇本よ、これが市政だ!
町⼭智浩(映画評論家)
公がどんどん細るこの国で、改めて公の役割を考えた。誰のために、何のために政治や⾏政は存在するのか。その全てはまさに「聞く」こと、「対話する」ことから始まる。
浜⽥敬⼦(ジャーナリスト)
ドキュメンタリーという⼿法が持つパワーに圧倒されました。フィクションではないからこそ、⽇常の中の⺠主主義のリアルさが地響きのように伝わります。⽇本の政治や⾏政の在り⽅と⽐べると、更にいろんなことを考えさせられます。
中林美恵⼦(早稲⽥⼤学教授)
⽇本の⾃治体の仕事と驚くほど似ている。しかし、市役所の仕事は市⺠からは⾒えにくい。それを伝えるため、様々な場⾯で市⺠に語り掛けるボストン市⻑に共感と感動。
越直美(元⼤津市⻑)
フレデリック・ワイズマン監督の集⼤成的な⼀本でした。この映画で語られる「違いは分断を⽣まない」という意思に⼼から賛同します、
⼭形国際ドキュメンタリー映画祭 2021 審査員講評(抜粋)
ボストン市庁舎
2021年11月12日(金)より Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
監督・製作・編集・録音:フレデリック・ワイズマン/2020年/アメリカ/英語/272分/カラー/1.78:1/モノラル/DCP
原題:City Hall 字幕:齋藤敦子
配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ
© 2020 Puritan Films, LLC – All Rights Reserved
公式 HP: https://cityhall-movie.com/
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA