『ゼロ・グラビティ』『ROMA/ローマ』でアカデミー賞監督賞を2度受賞している名匠アルフォンソ・キュアロンが『ラストナイト・イン・ソーホー』を観た後、エドガー・ライト監督に次の作品ではミュージカルを作ってほしいとリクエストしたという。エドガー・ライト監督がインタビューで明かした。

アルフォンソ・キュアロン
"Campus Party Iberoamérica - Alfonso Cuarón" by Pixel y Dixel is licensed under CC BY-NC-ND 2.0
「私はミュージカルという形式がとても好きです」

エドガー・ライト監督の最新作『ラストナイト・イン・ソーホー』はロンドンのソーホー地区を舞台にしたタイムリープ・サイコ・ホラー。60年代のイギリスのポップ・ミュージックが全編に散りばめられ、ミュージカル映画ではないものの、海外メディアからは「今年最高の音楽映画」という賛辞も寄せられている。

「Screen Rant」のインタビューの中で、 ライト監督はいつかミュージカル作品を手がけたいという願望を語り、『ラストナイト・イン・ソーホー』を鑑賞したキュアロン監督から「ミュージカル映画を作ってほしい」というリクエストを受けたことも明かした。

「アルフォンソ・キュアロンは早い段階で『ラストナイト・イン・ソーホー』を観て、その後に“おい、もうミュージカル映画を作ってくれよ!”と言っていました(笑)。私はミュージカルという形式がとても好きです。『ショーン・オブ・ザ・デッド』には明らかにその要素がありますし、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』ではより強く、『ベイビー・ドライバー』や『ラストナイト・イン・ソーホー』ではさらに強くなっています。ええ、ミュージカルをやってみたいですね。ただそれには、適切なもの、映画用に書かれた何かを見つけなければなりません。ミュージカル舞台を映画化するのは厄介で、いつもうまくいくとは限りません。ボブ・フォッシーの『キャバレー』などは素晴らしい例のひとつですが。ご存知かもしれませんが、私は30年代のバスビー・バークレー(“ミュージカル映画の魔術師”と呼ばれた監督・振付師)の映画が大好きなんです。だから、もし適切なものが見つかれば、それはスリルに満ちたものになるでしょう」

音楽の使い方に定評のあるライト監督は、本人も言うように以前からたびたび自作にミュージカル調のシーンを取り入れてきたが、全編にわたるミュージカル映画はまだ撮っていない。彼の手がけるミュージカル映画は映画ファンの夢の一つかもしれない。近いうちに「適切な題材」が見つかることを祈るばかりだ。

ライト監督の最新作『ラストナイト・イン・ソーホー』は12月10日(金)、TOHO シネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開。

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