韓国ノワールの傑作と語り継がれる『新しき世界』のコンビ、ファン・ジョンミン&イ・ジョンジェの7年ぶりの共演が話題を呼んでいる『ただ悪より救いたまえ』(公開中)の特別映像が解禁された。3か国をまたぐ壮大なロケーションのこだわりをキャストやスタッフたちが語っている。

『チェイサー』『哀しき獣』などで類まれなるストーリーテリングの腕を知らしめたホン・ウォンチャンが脚本・監督を務めた本作は、本編の80%以上を日本やタイなど海外で撮影し、韓国ノワールとしてかつてないほどの規模で製作。暴走する暗殺者と狂暴な殺し屋の運命の対決が描かれる。主人公インナム役は、韓国が誇る名優ファン・ジョンミン。インナムの命を執拗に狙うレイ役は、現在Netflixで配信されている『イカゲーム』で話題沸騰中のイ・ジョンジェが演じる。
東京・仁川・バンコクが舞台となる壮大なスケールで撮影された本作。3か国を舞台にした理由について脚本・監督を務めたホン・ウォンチャンは「インナムとレイという非日常的なキャラクターをより現実的に見せるために異国の空間に設定した。それぞれ全く異なる雰囲気を漂わせ、はっきりとした色を持っているこの3つの都市を選んだ」とインタビューで明かしている。今回3か国のロケーションについてファン・ジョンミン、イ・ジョンジェとスタッフ陣が語る特別映像が解禁となった。
ロケ地の割合は日本が20%、タイが60%、韓国が20%とそのほとんどが海外で、「日本から韓国 そしてバンコクへというふうに空間を分けることを重視しました」と語るのは撮影監督のホン・ギョンピョ。色調を変化させ3か国の個性を見事に引き出している。
工夫されたロケーションについてレイを演じたイ・ジョンジェは「“こんな背景で映画が終わるなら、より素晴らしい形で作品をお見せできるな”と」確信を得ている様子。
韓国のロケ地は見慣れた空間ではなく、濃い人生の香りがする空間である必要があったため、ロケハンに一番苦労したようだ。ただその苦労によって異世界のような夕暮れが映し出され、インナムの心情が汲み取れるようなシーンとなっている。

続いて登場するのは日本・東京。ヤクザのレイの兄を演じた豊原功補が登場する日本パートのキーワードは、“鋭さ”“空虚”“非人間的”。暗殺者の生活に嫌気がさし、足を洗うことに決めたがどこか生気を感じないインナムを表現している。
そして本作のメイン舞台となるのはタイのバンコクだ。南米のような雰囲気もあり異国的な情緒あふれるバンコクで派手な銃撃と爆破シーンを撮影したことで、ホン・ウォンチャン監督が望んだ今までの韓国映画にないアクションに仕上がっている。

また、主人公インナムを演じたファン・ジョンミンも「映画を見たら新鮮に感じると思います」と太鼓判を押す。新たに誕生した韓国ノワール・アクション『ただ悪より救いたまえ』は現在公開中。
ただ悪より救いたまえ
2021年12月24日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開
【STORY】
腕利きの暗殺者インナム(ファン・ジョンミン)は、引退前の最後のミッションで日本のヤクザ、コレエダ(豊原功補)を殺す。コレエダは冷酷無比な殺し屋レイ(イ・ジョンジェ)の兄弟だった。レイは復讐のため、どこまでもインナムを追いかけ、関わった人間を次々と手にかけていく。一方、インナムの元恋人はインナムと別れた後ひそかに娘を生み、タイで暮らしていたが、娘が誘拐され元恋人も殺されてしまう。インナムは、初めてその存在を知った娘を救うためタイに向かい、誘拐に関わったもの達を拷問し居場所を探す。レイもまたインナムを追ってタイにやってくる。そして二人の通った後には死体の山が出来上がる…。タイの犯罪組織や警察まで巻き込み壮大な抗争へと発展する。果たして、暴走する暗殺者と狂暴な殺し屋の運命の対決の結末は一体!
監督/脚本:ホン・ウォンチャン 『チェイサー』『哀しき獣』(脚本)
出演:ファン・ジョンミン『ベテラン』、イ・ジョンジェ『新しき世界』、パク・ジョンミン『それだけが、僕の世界』
2020年/韓国/韓国語、英語他/シネコン/カラー/108分/提供:ツイン、Hulu PG-12
英題:Deliver Us from Evil
配給:ツイン
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