金貨を拾った男の「美談」がSNSをきっかけに大事件へ――『英雄の証明』不穏な物語の行方を示唆する新場面写真が解禁

本年度・第94回アカデミー賞国際長編映画賞ショートリストに選出されアカデミー賞最有力候補との呼び声も高い『英雄の証明』（4月1日公開）の新たな場面写真が解禁となった。家族との幸せなひと時から一転、SNSで広まった噂をきっかけに追い詰められた主人公はどこへ向かうのか…？　物語の不穏な行方を示唆する場面写真となっている。

本作はベルリン、カンヌ国際映画祭にて数々の賞に輝き、『別離』と『セールスマン』で米アカデミー賞外国語映画賞を２度も制した世界的な巨匠アスガー・ファルハディが、ソーシャルメディアの功罪を問う、極上のヒューマン・サスペンス。日常の中に生じた小さなひび割れのような出来事が、人生を根底から揺るがす事態に発展していく様を、サスペンスフルかつ情感豊かに描出してきた巨匠が、本作ではいまや絶大となった SNS やメディアの影響力に着目。主人公の振れ幅の大きな運命を通して、真実というものの曖昧さや、社会に潜む欲望とエゴを現代的な切り口であぶり出していく。

物語の舞台はイランの古都シラーズ。ラヒムは借金の罪で投獄され服役している。そんな彼の婚約者が偶然にも17枚の金貨を拾う。借金を返済すればその日にでも出所できる彼にとって、まさに神からの贈り物のように思えた。しかし、罪悪感に苛まれたラヒムは落とし主に返すことを決意。そのささやかな善行は、メディアに報じられると大反響を呼び“正直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。ところが、SNSを介して広まったある噂をきっかけに状況は一変。周囲の狂騒に翻弄され、無垢な吃音症の幼い息子をも残酷に巻き込んだ大事件へと発展していく。

このたび解禁された場面写真では、借金のため刑務所に服役しているラヒムが休暇で家に戻った際に、驚きと喜びの表情を浮かべる姉マリの姿や、床に座って食べるイランの一般家庭の食事シーンでは、家族で囲む夕飯を用意するラヒムの嬉しそうな笑顔が切り取られている。

そして幸せから一転、周囲から金貨を拾ったのは嘘ではないかと SNS で広められ、追い詰められたラヒムを、婚約者のファルコンデが心配そうに見つめるシーンなど、物語の不穏な行方を予感させる場面写真も解禁となった。

また、アスガー・ファルハディ監督の実の娘で、本作で重要な役を演じるサリナ・ファルハディの姿も確認できる。父が監督した『別離』で主人公夫婦の娘を演じたサリナは、ベルリン国際映画祭では女優陣のアンサンブルを称える銀熊賞を受賞した。本作は『別離』以来の出演作となる。

『英雄の証明』は4月1日（金）Bunkamura ル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテにて公開。

作品情報

ソーシャルメディアの功罪を問う極上のヒューマン・サスペンス『英雄の証明』予告編が解禁

2022.1.27

２度の米アカデミー賞受賞監督アスガー・ファルハディが放つ、ソーシャルメディアの功罪を問う極上のヒューマン・サスペンス『英雄の証明』（4月1日公開）の予告編が解禁された。美談の英雄に...

美談の“正直者”は本物の英雄かペテン師か？　ソーシャルメディアの功罪を問う問題作『英雄の証明』4月1日公開決定

2022.1.20

2度の米アカデミー賞受賞監督アスガー・ファルハディが放つ、ソーシャルメディアの功罪を問う極上のヒューマン・サスペンス『A HERO』（英題）が邦題『英雄の証明』として4月1日（金）...