『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督長編遺作『ゴヤの名画と優しい泥棒』(2月25日公開)から本編映像が解禁された。オスカー俳優ジム・ブロードベントとヘレン・ミレンが夫婦喧嘩を繰り広げるシーンだ。あわせてふたりから共演の感想を語るコメントも到着した。

ヘレン・ミレン「老夫婦を演じる場合、観客にその関係を信じてもらうことが非常に重要」

1961年に実際に起きた、ロンドン・ナショナル・ギャラリー史上唯一にして最大の事件、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件の知られざる真相を描いた本作。主人公となる前代未聞の大事件の犯人は、戯曲家を夢見る60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)。彼は長年連れ添った妻ドロシー(ヘレン・ミレン)と優しい息子ジャッキー(フィン・ホワイトヘッド)とイギリス北部ニューカッスルの小さなアパートで暮らしていた。

今回解禁された映像は、雨の中ドロシーが、「年金老人に無料テレビを」とプラカードを掲げ、嘆願書を集めるケンプトンとジャッキーを見つけてしまうシーンから始まる。

帰宅後、「ジャッキーが悪の道に進んだら、あなたの責任よ。嘆願書や戯曲は刑務所で」「私はもう我慢の限界よ」とまくし立てるドロシー。ケンプトンは、最近まで受信料未払いの罪で懲役刑に服していたのだった。

妻の怒りを収めるべく、紅茶とビスケットで「仲直りしよう」と話しかけるケンプトン。英国人にとって紅茶とビスケットが欠かせないことがわかる描写だ。

夫には見向きもせず編み物を続けるドロシーに、ケンプトンは「2日間ロンドンへ。その後は仕事を見つけ静かに暮らす」と持ち掛ける。「私は騙されません」と一蹴するドロシー。2人の攻防戦は続き、ドロシーが「お願いだから妙なマネはやめて」と真剣な眼差しで説得するも、ケンプトンは食い下がる。「最後のチャンスだ」と訴え、呆れ顔のドロシーは根負けしてしまうのだった。

場面は変わって、ケンプトンがロンドンを闊歩するシーンへ。彼は、まずBBC本社を訪れ、以前送った戯曲がどうなったかを知ろうとするが、呆気なく追い返されてしまう。ケンプトンのロンドン旅行の行方はいかに―!?

オスカー俳優ブロードベントとミレンが演じるバントン夫妻の軽妙なやり取りが見どころでもある本作。ブロードベントは、ミレンとの共演について「彼女と一緒に仕事をするのはすばらしい経験でした。セットでは大笑いすることもありました」と和やかな現場だったことを明かしている。

一方でミレンは、「老夫婦を演じる場合、観客にその関係を信じてもらうことが非常に重要なこと。ジムの場合、私は簡単に彼の妻の役に入り込むことができました」とブロードベントとの相性の良さについて語っている。

映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』は、2月25日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。

作品情報

ゴヤの名画と優しい泥棒
2022年2月25日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

【STORY】1961年。197年の歴史を誇る世界屈指の美術館・ロンドン・ナショナル・ギャラリーから、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。ロンドン警視庁はその巧妙な手口から、国際的なギャング集団による周到な計画による犯行だと断定。しかし、この前代未聞の事件の犯人は ケンプトン・バントン、60歳。長年連れ添った妻と優しい息子とニューカッスルの小さなアパートで年金暮らしをするごく普通のタクシー運転手だった。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもうひとつの隠された真相が…。当時、イギリス中の人々を巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは!?

監督:ロジャー・ミッシェル『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード
後援:ブリティシュ・カウンシル 
2020年/イギリス/英語/95分/シネマスコープ/5.1ch/原題:THE DUKE /日本語字幕:松浦美奈

配給:ハピネットファントム・スタジオ

©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020

公式サイト happinet-phantom.com/goya-movie/

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