『ドライブ・マイ・カー』が第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督の唯一の著作にして、その演出論の全てがつまった『カメラの前で演じること 映画「ハッピーアワー」テキスト集成』が現在好評発売中。

第45回日本アカデミー賞でも8部門で最優秀賞、第79回ゴールデングローブ賞で非英語映画賞(旧・外国語映画賞)、第74 回カンヌ国際映画祭においても日本映画初の脚本賞を含む4 冠を受賞するなど、現代日本映画を牽引し、いま世界が注目する濱口竜介監督。
濱口竜介・野原位・高橋知由著『カメラの前で演じること 映画「ハッピーアワー」テキスト集成』は、監督の「ハッピーアワー」の成立過程を明らかにする、書き下ろし演出論。4万字超の圧倒的な書き下ろし演出論に加え、「ハッピーアワー」シナリオ+サブテキストを完全収録している。
2015年に公開、演技経験のない4人の女性を起用した「ハッピーアワー」は第68回ロカルノ国際映画祭最優秀女優賞、第37回ナント三大陸映画祭観客賞、第26回シンガポール国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した。
「ハッピーアワー」で追求し、国際的にも評価を受けた演出論、演出法が「ドライブ・マイ・カー」にいかに引き継がれ、アップデートされているのか。濱口竜介監督の映画手法とはいかなるものか。映画「ドライブ・マイ・カー」をより深く知るために必読の一冊となっている。
2015年に刊行された本作は根強い人気とともに現在5刷出来。
著者
濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ)
1978年、神奈川県生まれ。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後、東日本大震災の被災者へのインタヴューからなる『なみのおと』『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(共同監督:酒井耕)、5時間を越える長編『ハッピーアワー』、柴崎友香の同名小説が原作『寝ても覚めても』、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した『偶然と想像』のほか、2021年に公開した『ドライブ・マイ・カー』では第94回アカデミー賞®国際長編映画賞など多数の賞を受賞。
野原位(のはら・ただし)
1983年栃木県生まれ。2007年に東京藝術大学大学院映像研究科の第三期監督領域に入学し、黒沢清監督に師事する。在学中に伊坂幸太郎原作のオムニバス映画『ラッシュライフ』中の一編、『京子』(主演寺島しのぶ)を監督(第23回高崎映画祭招待作品)。また大学院修了作品として、初長編映画『Elephant Love』を監督。その後は、CS放送の番組AD、CGプロダクションマネージャーなどの職を経た後、『talk to remember』(第2回広島国際映画祭「若手監督特集」にて上映)を監督。現在、「三度目の、正直」が全国公開中。
高橋知由(たかはし・ともゆき)
1985年生まれ。2010年日本大学大学院芸術学研究科修士課程修了(映像芸術専攻)。大学在学中からシナリオを学び、卒業後は自主制作映画にスタッフとして参加する一方、ホラー系OVやウェブ配信ドラマなどのシナリオを書く。主な脚本作に『不気味なものの肌に触れる』(監督濱口竜介)、『螺旋銀河』(監督・共同脚本草野なつか)など。
濱口竜介・野原位・高橋知由
『カメラの前で演じること 映画「ハッピーアワー」テキスト集成』
カメラの前で演じること | 濱口竜介, 野原位, 高橋知由 - アマゾン
(本体価格:2750円(税込)/四六判並製/308頁/978-4-86528-134-7 C0074/左右社)