本年度ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金熊賞を受賞した日仏共同製作によるニコラ・フィリベール監督最新作『On the Adamant』(英題)が邦題『アダマン号に乗って』として4月28日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国公開されることが決定した。あわせてビジュアルと特報、場面写真も解禁された。

今年2月、第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で俳優クリステン・スチュワートら審査員たちが華々しい作品群のなか最高賞「金熊賞」を贈った『アダマン号に乗って』。「人間的なものを映画的に、深いレベルで表現している」と賞賛された本作を手掛けたのは、世界的大ヒット作『ぼくの好きな先生』(02)で知られる、現代ドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督。多様性が叫ばれる以前から、多様な存在や価値が共にあることを淡々と優しい眼差しで映し続けてきた。また、監督に惚れ込み20年来の交流を持つ配給会社ロングライドが、『人生、ただいま修行中』(18)に続き日仏共同製作で参加。
本作は本年度コンペティション部門のなかでも唯一のドキュメンタリーであり、これまで金熊賞の名誉に輝いた数少ないドキュメンタリーの一つ。金熊賞受賞時のスピーチで「ドキュメンタリーとフィクションを区別せずに賞を与えてくれたことに感謝している。精神疾患への人々が抱く偏見を変えたいし、生産性が無い人々に税金を使うのは無駄という風潮に抗いたい」と呼びかけたニコラ監督。

当初、来春日本公開予定だったが、ニコラ監督の「日本の観客にいち早く届けたい」という強い思いと、金熊賞受賞後の国内外のメディアや映画ファンからの大きな反響を受け、4月のフランス公開から日をあけず、4月28日(金)に急遽時期を早めての公開が緊急決定した。






5年ぶりの新作の舞台は、パリの中心地・セーヌ川に浮かぶ木造建築の船。ユニークなデイケアセンター「アダマン号」。精神疾患のある人々を迎え入れ、文化活動を通じて彼らの支えとなる時間と空間を提供し、社会と再びつながりを持てるようサポートをしている。運営するのは、精神科医療の世界で起こる“質の低下”や“非人間化”の波にできる限り抵抗しようとするチームだ。患者もスタッフも区別なく、誰しもにとって生き生きと魅力的なこの場所を、監督は「奇跡」だという。そして本作でもニコラ監督は、ここにやってくる人たちに寄り添い、優しい眼差しで捉え見つめ続ける。






あわせてビジュアルと特報、場面写真も解禁。「今日もここにはいろんな人たちがやってきます」のコピー通り、絵画を制作したり、ダンスを踊ったり、ピアノを弾いたり、誰しもにとって生き生きと魅力的なこの場所とここにやってくる人々の姿が映し出されている。

アダマン号に乗って
2023年4月28日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
監督:ニコラ・フィリベール
2022年/フランス・日本/フランス語/109分/アメリカンビスタ/カラー/原題:Sur L’Adamant/日本語字幕:原田りえ 共同製作・配給:ロングライド 協力:ユニフランス
© TS Productions, France 3 Cinéma, Longride – 2022