アジアを中心に世界から新進気鋭の監督たちの作品を集め、どこよりも早く、ここでしか観られない注目作品を上映する国際映画祭「第24回東京フィルメックス」が11月19日(日)~11月26日(日)に開催。本日10月4日(水)にラインナップ発表記者会見が実施された。
昨年、審査員特別賞を受賞した『ソウルに帰る』(Return to Seoul)、『あしたの少女』(Next Sohee)、特別招待作品で上映された、ジャファル・パナヒ監督『熊は、いない』(No Bears)など、フィルメックスで上映された作品の劇場公開が続々続いており、世界にまだたくさんある映画作品たちと出会える場として、人と人、人と映画をつなぐ場として開催されている「東京フィルメックス」。
今年は、「東京フィルメックス・コンペティション」に8作品、「特別招待作品」に7作品、「メイド・イン・ジャパン」に4作品、そして、プレイベント「Filmmakers’ Homecoming」(12作品)、関連企画としてジョアン・セーザル・モンテイロ特集を予定している(※10月4日(水)現在)。
オープニング(※メイン会場の朝日ホールが開幕する11月22日(水)上映)を飾るのは、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作『About Dry Grasses(英題)』 。第74回カンヌ国際映画祭(2023)コンペティション部門で、メルヴェ・ディズダルが最優秀女優賞を獲得した話題作が、日本初上映される。
また、今年の国際審査員を務めるワン・ビン監督の最新作『黒衣人』も上映。ワン・ビン監督作は、第18回(2017)の特別招待作品『ファンさん』以来となるが、今年は審査員としてもカムバック。また、日本でもファン層が広がり高い人気を誇る、ホン・サンス監督最新作『水の中で』、濱口竜介監督との共作で生まれた石橋英子によるライブ・パフォーマンス『GIFT』の特別上演も予定されている。
新たな才能との出会いにより期待が膨らむコンペティションには、イラン、マレーシア、ベトナム、モンゴル、中国、日本から作品が登場。「次世代の巨匠」になる可能性を秘めた「才能(=Talents、タレンツ)」を育成することを目的としたプログラム「タレンツ・トーキョー」の修了生や、第21回(2020)に東京フィルメックスとシマフィルム(特別協賛)が実施した「New Director Award」を勝ち取った山本英監督作品など、映画祭に見いだされた監督たちが新作を携えて戻ってくる。8作品中、5作品が長編デビュー作となっており、新鋭たちの作品はどれも見逃せない。
今年の「メイド・イン・ジャパン」には、タレンツ・トーキョー修了生監督による、日本を含む5か国共同制作の作品や、相米慎二監督『お引越し』4Kデジタルリマスター版、4人の監督のオムニバス作品など、各年代に渡って広がりつながる、日本映画の面白さを改めて体感できる作品が並ぶ。
また、今年の本映画祭のプレイベントとして、「Filmmakers’ Homecoming」を実施。東京フィルメックスの提携企画「タレンツ・トーキョー」の修了生の監督・製作作品の特集上映となっており、これまでの東京フィルメックスでも上映された作品もあり、見逃してしまっていた人も、新たな出会いとなる人にとっても、“興奮の映画体験”となる作品たちが集まっている。
数々の才能が発掘されているプログラム、「タレンツ・トーキョー」は今年も開催。コロナ禍を経て今年は、メイン会場の有楽町朝日ホールで実施を予定。
今年のメインビジュアルは、昨年に引き続き、IKKI KOBAYASHIが担当。「映画の鑑賞中、わたしたちの表情は物語の進行とともに移ろいます。映画を観終わった後の表情も一人一人違うように、物語をわたしに投影しながら余韻に浸り、明日のことを考える人を描いています。」という思いを込めたと話しており、青と黄色でデザインされた”表情“が印象的なビジュアルが第24回を彩る。
プログラム・ディレクターを務める神谷は、「今年は開催自体が危ぶまれたが、多くの人の支えにより、今こうして開催準備を進められる状態に至ることできた」と支えてくれた人々への感謝の気持ちを明かし、「今年は、TIFFから間を空けずに、プレイベントを実施して、本会期へとつなげていくスケジュールになっているが、より多くの観客の皆さんへ足を運んでもらえたら」と、今年の開催への意欲を明らかにした。
「第24回東京フィルメックス」は、11月19日(日)から11月26日(日)まで開催される。
神谷直希(プログラム・ディレクター) プロフィール
1976年生まれ。大学院在学中の2000年に第1回東京フィルメックスに関わり、第2回目以降は作品・プログラム担当のスタッフとして上映作品の選定やゲストの招聘業務に携わる。2019年10月にいったん同映画祭を離れ、株式会社木下グループにてキノフィルムズやキノシネマの洋画配給作品のマーケティング業務や買付け業務に携わるが、2021年5月にプログラム・ディレクターとして東京フィルメックスに復帰する。
これまでに、『ドラキュラ 乙女の日記より』(ガイ・マディン監督)、『デルタ』(コーネル・ムンドルッツォ監督)、『メコン・ホテル』(アピチャッポン・ウィーラセタクン監督)、『 山〈モンテ〉 』(アミール・ナデリ監督)、『見えるもの、見えざるもの』(カミラ・アンディニ監督)、『あなたの顔』(ツァイ・ミンリャン監督)、『死ぬ間際』(ヒラル・バイダロフ監督、第21回東京フィルメックス・最優秀作品賞受賞)等、20作品以上の映画祭上映作品の日本語字幕翻訳を手掛けている他、共著書に『この映画を見れば世界がわかる』(言視舎刊)がある。
第24回東京フィルメックス
会期:2023年11月19日(日)~11月26日(日)
会場 :
有楽町朝日ホール 11/22(水) ~ 11/26(日)
ヒューマントラストシネマ有楽町 11/19(日)~11/26(日)
上映プログラム:東京フィルメックス・コンペティション、特別招待作品、メイド・イン・ジャパン
*第24回東京フィルメックスプレイベント:Filmmakers’ Homecoming
期間:11/3(金・祝)~11/13(月) 会場:ヒューマントラストシネマ渋谷
*【関連企画】ジョアン・セーザル・モンテイロ特集
期間:11/17(金)~11/18(土) 会場:アテネ・フランセ文化センター
*【提携企画:人材育成ワークショップ】
期間:11/20(月)~11/25(土)
公式サイト https://filmex.jp/
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