『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のアレックス・ガーランド監督がA24と再びタッグを組み、イラク戦争の実話を基に映画化した『ウォーフェア 戦地最前線』が2026年1月16日(金)より公開。「伝統的な戦争映画のお決まりの手法を破った」と監督が語る本作から、まるで戦場のドキュメンタリーのような本編映像が解禁された。
今回解禁された本編映像は、チームが潜伏する民家に、突如手榴弾が投げ込まれ爆発するシーンから始まる。一瞬、何が起きたのか理解できず混乱する隊員たちが、瞬時に体勢を立て直すが、そのわずかな猶予すら許さないかのように、外からは激しい銃撃が。
統率力は一瞬で試され、極限の緊張がその場を支配、一瞬にして生死の境に追い込まれる兵士たち。彼らの浅くなっていく呼吸、動揺しておぼつかない手足、焦点を失っていく視線を克明に捉えた映像は、観る者を“戦場にいる兵士の一人”へと引きずり込む、戦場ドキュメンタリーのようなワンシーンとなっている。
海軍を退役後、ハリウッドでスタントマンとして働き、キャリアを積んでアクション演出やスタント・コーディネーター、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』軍事シーンの監修などを務めたレイ・メンドーサ監督。彼が実際に体験した記憶を観客と共有するために、アレックス・ガーランド監督は「伝統的な戦争映画のお決まりの手法を破った」と語る。「現実では、人々は簡単に窮地を抜け出したりしない。状況が厳しいとき、解決策も、“カット”の声も、景気のいい音楽もない。状況が許し、緊迫感から解放されるその瞬間まで、人はその状態に居続けるんだ。それが本作のやり方だ」と述べ、「映画的な安心感ではなく、あくまで現実に固執した」ことを重視した制作姿勢を明かしている。
そんな本作の臨場感を演出している“音”について、個人装備及び軍、特殊部隊について数多く執筆、ミリタリーライターとしても活動する土居克臣も「銃撃シーンでは、敵味方が使う銃器によって発する音が違い、壁や道路に当たった弾の音なども被弾した素材に応じて音が変化している」と戦闘シーンへのリアルさについて太鼓判を押す。
「アルファワン小隊のシールズ隊員と海兵隊隊員がそれぞれ使用していたM4A1カービンは、セミオート(単発発射)による連続して引き金を引いて撃っている『タン・タン・タン』と比較的高めの音が特徴のアサルトライフル」「シールズ隊員が使う機関銃は、どちらも短い間隔で規則的に『タ・タ・タ・タン』という発射音がするが、小口径高速弾である5.56×45mm NATO弾は高めの音で、小銃弾である7.62×51mm NATO弾は低めの音」「イラク陸軍兵士と過激派が使う武器は『トン・トン・トン』という低めの発射音が特徴の7.62×39mm弾を撃ち出すAKMは、AK-47アサルトライフルの改良型。AK-47を始祖とするAKシリーズは、発展途上国の軍隊と過激派が同じ武器を使うほど、世界で最も流通をするアサルトライフル」「それぞれが使う銃器の差による音の違い以外にも、過激派が遠くから撃ってくるアサルトライフルの弾の飛来する音とシールズ隊員たちが近くで撃つ音の強弱の違いなども気にしていただけたらと思う」と本作ならではの「音」の楽しみ方を語った。
全米屈指の実力派&ネクストブレイク勢が一挙集結したキャストにも要注目。「SHOGUN 将軍」シーズン2への続投が発表されたコズモ・ジャーヴィスをはじめ、『デトロイト』『ミッドサマー』で知られるウィル・ポールター、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」や『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップ』のジョセフ・クイン、「HEARTSTOPPER ハートストッパー」や『ロケットマン』で注目を集めるキット・コナーら実力派が集結。彼らが自らの使命に向き合う姿を捉えた、貴重な映像にもなっている。

まとめ(注目ポイント)
- A24製作『ウォーフェア 戦地最前線』が1月16日公開。
- 『シビル・ウォー』のアレックス・ガーランド監督がイラク戦争の実話を基に映画化。
- チームが潜伏する民家での爆発などを捉えた、臨場感ある本編映像が解禁された。
- ガーランド監督らは従来の手法を破り、戦場の現実を追求。
- 専門家も戦闘シーンへのリアルさに太鼓判。銃撃音など細部にも注目。
ウォーフェア 戦地最前線
2026年1月16日 (金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
STORY
2006年、イラク。監督を務めたメンドーサが所属していたアメリカ特殊部隊の小隊8名は、危険地帯ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務についていた。ところが事態を察知した敵兵から先制攻撃を受け、突如全面衝突が始まる。反乱勢力に完全包囲され、負傷者が続出。救助を要請するが、さらなる攻撃を受け現場は地獄と化す。混乱の中、本部との通信を閉ざした通信兵・メンドーサ、指揮官のエリックは部隊への指示を完全に放棄し、皆から信頼される狙撃手のエリオットは爆撃により意識を失ってしまう。痛みに耐えきれず叫び声を上げる者、鎮痛剤のモルヒネを打ち間違える者、持ち場を守らずパニックに陥る者。彼らは、逃げ場のないウォーフェア(=戦闘)から、いかにして脱出するのか。
脚本・監督:アレックス・ガーランド(『シビル・ウォー アメリカ最後の日』)
レイ・メンドーサ(『シビル・ウォー アメリカ最後の日』『ローン・サバイバー』軍事アドバイザー)
キャスト:ディファラオ・ウン=ア=タイ、ウィル・ポールター、ジョセフ・クイン、コズモ・ジャーヴィス、チャールズ・メルトン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2025/アメリカ/95分/英語/カラー/ビスタ/5.1ch/原題『WARFARE』/日本語字幕:佐藤恵子/PG12
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