A24製作・配給、ダーレン・アロノフスキー監督がブレンダン・フレイザーを主演に迎えた『ザ・ホエール』が4月7日(金)より全国公開。このたび、プラダとのコラボや数々の映画ポスターなどで知られるアーティスト、ジェームズ・ジーンによる大迫力のアートポスターが解禁された。
本作は、『ブラック・スワン』などの鬼才ダーレン・アロノフスキーとA24が贈る、異色の室内劇にしてヒューマンドラマ。恋人を亡くしたショックに打ちひしがれ、現実逃避をするように過食を繰り返し、272キロの巨体となったチャーリー(ブレンダン・フレイザー)。歩行器なしでは移動もままならず、病状の悪化で自身の死期が近いと悟った彼の、人生最期の5日間を描く。272キロの巨体の男チャーリーになり切り、圧巻の存在感を見せつけるのは、スター俳優として『ハムナプトラ』シリーズや『センター・オブ・ジ・アース』の主演を務め、本作で本年度アカデミー賞で主演男優賞を初受賞したブレンダン・フレイザー。
このたび解禁されたアートポスターは、既成概念を打ち破るコラボレーションを発表し続ける台湾出身のアメリカ人アーティスト、ジェームズ・ジーン(James Jean)によるもの。ダーレン・アロノフスキー監督とは『マザー!』(17)に続き2度目のコラボレーションとなった『ザ・ホエール』のポスターでは、ブレンダン・フレイザー演じるチャーリーの顔が全面に配され、得も言われぬ表情に「僕は信じたかった」というコピーが添えられインパクトを与えている。
様々な形式や美術史上の手法を実験的に用いて想像力に富む多様なアプローチで生み出すジェームズ・ジーンの展覧会はニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン他世界各国で巡回され、過去にはプラダのコレクションとのコラボレーション、2021年には韓国の複合文化空間HYBEミュージアムで「BTS X JAMES JEAN」として、世界的人気を誇るアイドルグループBTSのメンバー7人を描き、彼らのキャラクターをデザインした作品を発表。映画界では「ハリウッドが愛した作家」とも呼ばれ、ギレルモ・デル・トロ監督最新作『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』や、最近ではA24作品『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でのコラボレーションポスターが記憶に新しい。
ダーレンは今回のポスターについて、「僕とジェームズは古くからの友人。今までもコラボレーションしていますが、アーティストとして彼は超多忙なので『公開前に映画を観ないか』という誘い方で、ある意味、罠を仕掛けました(笑)。すると彼は『ああ、この映画のために絵を描かなくちゃ』って言ってくれたんです」と語っている。
様々な手法を用いながら、個人的な体験、内面にフォーカスしながら唯一無二の世界観を描き出すジーンによって描かれた紙の質感などの細部に至るまで深くストーリーと結びつけられたビジュアルは、カメラで捉えられた姿よりも奥深く、主人公の心の深淵を描き、観る者の想像を掻き立ててくれるのかもしれない。恋人を亡くしたショックに打ちひしがれ、現実逃避をするように過食を繰り返してきたチャーリーの人生最期の願いとはなんだったのか―。ブレンダン・フレイザーの“生涯最高の演技”と称されるほどの熱演、魂の叫びからますます目が離せない。
さらに、日本公開に合わせてのブレンダン・フレイザー緊急来日が発表されたが、都内劇場での公開記念舞台挨拶「ブレンダンを祝福・応援しよう!」オンライン参加者の募集が本日3月29日(水)18:00よりスタートとなる。
大学のオンライン講座の講師であるチャーリーの役柄にちなみ、壇上では ZOOM 画面が投影されブレンダンとともに参加できる貴重なチャンス(!?)となっている。上映付き舞台挨拶のチケットは3月31日より先行抽選販売。詳細は公式サイト(https://whale-movie.jp)をチェック。
『ザ・ホエール』は4月7日(金)TOHO シネマズ シャンテ他全国ロードショー。
ジェームズ・ジーン インスタグラムでのコメント
昨年『ザ・ホエール』を観て、ダーレン・アロノフスキーからポスター制作の依頼を受けた時、私はすぐに画家のルシアン・フロイドが描いたリー・バウリー(パフォーマンス・アーティスト)の肖像画や、キキ・スミス(アーティスト)の自画像“My Blue Lake”を思い浮かべました。
後者は、キキ・スミスが自分の胴体の表面を特別なカメラで撮影し、皮膚の立体地図のようにもみえるイメージを作り出したものです。
ブレンダン・フレイザーが演じるチャーリーを描く間、私はフロイドに倣おうとしました。モデルであるバウリーに対して親しみを込める一方で、情け容赦のない―彼の観察眼です。
映画の中で、チャーリーの苦悩の深さは彼の肥大した体で表現されています、そこにすべての感情を押し込めるように。
皮膚は外部と内部の単なる薄い境界線で、彼の苦悩は画面いっぱいに余白をも超えて広がる。そして彼の人間性や楽観性が顔の凹凸において破壊します。しわくちゃの紙の繊細な質感がその肖像に組み込まれ、それはチャーリーが長い間大切にし、ぎりぎりの彼を支え握りしめていた、娘エリーのエッセイを思わせます。
――James Jean
ザ・ホエール
2023年4月7日(金)TOHO シネマズ シャンテ他全国ロードショー
STORY
ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー。アランの妹・看護師のリズの助けを受けながら、オンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てているが心不全の症状が悪化し、命の危険が及んでも病院に行くことを拒否し続けている。しかし、自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった娘エリーに再び会おうと決意。彼女との絆を取り戻そうと試みるが、エリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた…。
監督:ダーレン・アロノフスキー(『ブラック・スワン』『レスラー』)
原案・脚本:サム・D・ハンター
キャスト:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ
【2022 年/アメリカ/英語/117 分/カラー/5.1ch/スタンダード/原題:The Whale/字幕翻訳:松浦美奈】PG12
© 2022 Palouse Rights LLC. All Rights Reserved.
公式サイト whale-movie.jp
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