ナショナルジオグラフィックやディズニーネイチャーのドキュメンタリー作品を手掛け、タイムラプス映像のパイオニアと言われる映像作家ルイ・シュワルツバーグが、きのこ・菌類の秘めたる力に迫った驚異と希望のドキュメンタリー映画『素晴らしき、きのこの世界』が、9月24日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開される。まだまだ謎多き“きのこ”と“きのこ”に魅了されたマニアたちの「妖しさ」が漂う新場面写真が解禁された。

人と目を見て話すことが出来ない内気な少年は「いつも地面を見ていたからこそキノコを見つけた」

きのこは、食物としてだけでなく、様々な生命の再生や維持、アルツハイマーやがんなどの治療、環境汚染の浄化にまで役立つことから、地球上の様々な問題への応用が期待されている。本作は、幻覚作用をもたらす一方で、人間の命を救うほどの力も持っていると言われる、きのこ・菌類の可能性を提示する。

わたしたちの足もとにあるのは、知られざる宇宙。土の中には地球を守るために菌類のネットワークが張り巡らされており、菌類によるその広大なネットワークは、物質を腐らせ分解し、菌類同士や他の生物と栄養素を共有、つながりを形成し、それを生きた土壌に変えてきた。我々の目に留まるきのこは土の上にある部分にすぎず、その本体のほとんどは地下に広がる菌糸体。動物でも植物でもない不思議な生物なのだ。

本作の主役は間違いなく“きのこ” “菌類”だが、人間サイドで主役に当たるのが、菌類学者のポール・スタメッツである。幼い頃、ひどい吃音症だった彼は、人と目を見て話すことが出来ない内気な少年だった。しかし、「いつも地面を見ていたからこそキノコを見つけたんだ」と笑顔できのことの出会いを語る。むらさき色のきのこをみつけて夢中になったという彼はその後、マジックマッシュルームで意識を高揚させた経験から菌学の研究を始めた、科学界の異端者として知られている。

そんな彼を、「幻覚剤は役に立つのか」の著者マイケル・ポーランは、「型破りな市井の学者。学者の典型じゃないが対象に恋してる。まるで19世紀の偉大なシロウト科学者ダーウィンのようだ」と表現した。

本作は、マジックマッシュルームの幻覚作用を称賛しているわけではなく、人間の体にどんな影響を及ぼすか、まだまだ謎だらけであるきのこの生態に関する研究が今アメリカで進められていることにも触れる。謎に包まれた妖しい部分=未知なる可能性も含めて、マニアたちを魅了してやまない“きのこ”。映画は、きのこ模様のファッションに身を包む、きのこマニアたちの様子も捉えている。

また、ポール・スタメッツと言えば、「スタートレック:ディスカバリー」に同姓同名の宇宙菌類学者ポール・スタメッツ大尉というキャラクターが登場するが、これは彼がモデルとなっている。映画のおまけとして、人気TVシリーズ「スタートレック」に自分の名前のキャラクターが登場することについてスタメッツ自身が話す場面も出てくる。

ヒッピー文化の象徴ラム・ダスに関するドラマ制作の発表も先日あった、オスカー俳優ブリー・ラーソンがきのこの声としてナレーションを担当、様々な専門家が登場し、医療や治療、環境問題などに対する菌類を使った知られざる解決策を明かしていく。偉大で神秘的なきのこの力を知ることで、鑑賞後には誰もが未来への希望を感じるはず。きのこが地球上の生命へどれだけの貢献をもたらすか。パンデミックを経験し、希望をなくしがちな今だからこそ、心に響く一作だ。

本国アメリカではなんと20週にわたる超ロングラン上映が行われ、予想をはるかに超えるヒットを記録。アメリカの映画批評サイト、ロッテントマトでも100点を獲得するなど高評価を受けている注目作の登場だ。

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作品情報

素晴らしき、きのこの世界
2021年9月24日(金)、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

ナレーション:ブリー・ラーソン/出演:ポール・スタメッツ、マイケル・ポーラン、ユージニア・ボーン/監督:ルイ・シュワルツバーグ/脚本:マーク・モンロー

2019年/アメリカ/英語/ドキュメンタリー/81分/アメリカンビスタ/原題:Fantastic Fungi/日本語字幕:畑アヤ子/字幕監修:保坂健太郎(国立科学博物館 植物研究部)

配給・宣伝:アンプラグド

© 2018, Fantastic Fungi, LLC

公式サイト:kinoko-movie.com

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