⽶インディーズ界のカリスマとして⼀世を⾵靡したアレクサンダー・ロックウェルの 25 年ぶりの⽇本劇場公開作『スウィート・シング』が10⽉29⽇(⾦)より公開されるのを前に本作のメイキング写真が解禁された。また各界の著名⼈から絶賛コメントも到着した。
ジョン・カサヴェテス監督に始まり、90 年代にジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、クエンティン・タランティーノらを輩出した⽶インディーズ。本作は、その代表的な存在であったアレクサンダー・ロックウェル監督の 25 年ぶりの⽇本公開となる最新作だ。
頼る⼤⼈がいない 15 歳の姉ビリーと 11 歳の弟ニコ、そしてその家族の物語を、監督の実の娘ラナと息⼦ニコを主⼈公に描き、スーパー16 ミリフィルム撮影したモノクロとパートカラーの映像の質感など、⼀貫してインディーズにこだわり続けてきたロックウェル監督らしい、映画愛溢れる⼀編となっている。
このたび公開されたメイキング写真では、16 ミリフィルムカメラで有名な AATON のカメラを担ぐロックウェル監督⾃⾝のカットもあり、インディーズでなければできなかった本作の魅⼒の⼀端が⾒えてくる。
そんな本作を絶賛する各界の著名⼈からコメントも到着した。クエンティン・タランティーノ監督は、“この数年に観た新作で、最もパワフルな作品の⼀つ”と、⼀⾒、スウィートな本作の中にあるパワフルな魅⼒を語る。
またロックウェル監督の『イン・ザ・スープ』を愛し、シーモア・カッセル演じる“ジョー”から名前をとったという俳優のオダギリジョー、⼈気ロックバンドクリープハイプのフロントマンで、昨年発表した『⺟影』が芥川賞候補となるなど執筆活動もしている尾崎世界観、その⾳楽性とアイコニックなキャラクターから⽀持を集めるミュージシャンの塩塚モエカ(⽺⽂学)、世界のアートシーンを代表する美術作家の奈良美智、他にもピーター・バラカン、役者・映像作家・執筆家の⼩川紗良、翻訳者・ライターの野中モモ、タレント・映画コメンテーターの加藤るみ、映画監督の⼭中瑶⼦、歌⼿のゆっきゅんなど幅広い世代の著名⼈が、ロックウェル監督が久々に思い出させてくれた“映画の喜び”に⼼のこもった⾔葉を贈っている。コメント全文・一覧は以下の通り。
著名人コメント *順不同・敬称略
この数年に観た新作で、最もパワフルな作品の⼀つだ。
クエンティン・タランティーノ(映画監督)
どんな業界、仕事にも⾔える事だと思うが、
『お⾦の為』なのか『本質を極める』ことなのか?
その意思がはっきり⾒える映画は、真に⼼を打つ。
『映画』に⽴ち向かっている⼈。
やっぱり憧れる。アレクサンダー・ロックウェル。
オダギリジョー(俳優)
⼤⼈になった今、もう⼤⼈を⼤⼈として⾒ることはできない。
だからこそ、この映画の中にある⼦供のまなざしに⼼を打たれた。
久しぶりにあんな⾵に世界を⾒ることができて、とても嬉しかった。
尾崎世界観 (クリープハイプ)
⼼を許し信じることは、その⼼を悲しくもさせたりもするが、
愛や想いで満たしてもくれる。
流れる⾳楽と共に僕は思春期の⾃分に戻っていく。
⼈を信じていたあの頃の⾃分に・・・涙。
奈良美智(美術作家)
複雑なこの世界にも⼩さな光があるとすれば、
それはただ、隣にいる⼈の幸せを思う⼼ではないかと、
囁くように教えてくれました。
塩塚モエカ(⽺⽂学/ミュージシャン)
現実とファンタジーの境⽬がぼやけた
ジャームッシュ的なモノクロの世界をさまよう 3 ⼈の⼦ども。
切なさの中に、バンクシーの⾔葉を借りるなら「必ず希望がある」。
ピーター・バラカン
世界が⾊づくのは夢の中ばかりでも、
ビリーのまぶたのきらめきや、ファーストピアスの⾎液に、
彼⼥の祈りの⾊が確かに⾒えた。
⼩川紗良(役者・映像作家・執筆家)
映画が終わってタイトルを再確認、「これしかない」と思った。
悲しみも寂しさもタフネスも知っていてなお
スウィートな⼦供たちがそこにいました。
野中モモ(翻訳者・ライター)
家族の形は、複雑だ。
けれど、家族の愛は本物だ。
ビリーの歌には⼒がある。
願いを託したその歌声は⼼を掴んで離さない。
加藤るみ(タレント・映画コメンテーター)
⼼から嬉しくなるラスト。これでいいのだ!
悲しみを⾒つめて早々と⼤⼈にさせられるのではなく、
どうか安⼼して⼦どものままでいてねと祈りながら。
⼭中瑶⼦(映画監督)
ビリーの優しさ、悲しみ、喜び、慈しみ、諦め、友愛、忌避。
あなただけが持つことのできたまなざしが思い出のように裏返る。
泣いた。
ゆっきゅん(歌⼿)
アレクサンダー・ロックウェルは、
ジム・ジャームッシュやハル・ハートリーとも繋がりの深い、
今こそ再発⾒されるべきニューヨーク派の映画作家だ。
その久しぶりの新作『スウィート・シング』は、
映画愛に溢れた「カミング・オブ・エイジ映画」の珠⽟の傑作となった。
⼩柳帝(ライター・編集者)
モノクロームの⽇常のなかで、突然溢れ出す⾊彩に胸が踊る。
ビリー・ホリデイやヴァン・モリソンの名曲が⼦守唄のように聞こえる。
US インディー映画の名匠が贈る、ビターな世界に微笑みかけるようなスウィートな物語。
村尾泰郎(映画/⾳楽ライター)
カサヴェテス、ジャームッシュ、リンクレイター……
アメリカン・インディーズのその系譜に連なる、
優しくて、暖かくて、ただそれだけで泣きたくなる映画を久しぶりに観た。
⾨間雄介(ライター・編集者)
スウィート・シング
2021年10月29日(金)より、ヒューマントラスト渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開
【ストーリー】15 歳のビリーと 11 歳のニコ。
このうえなく悲しいけれど、このうえなく幸福なファンタジー。
頼る⼤⼈をなくした姉弟2⼈は、あてのない旅へ――
⽢美で切ない、現代版『スタンド・バイ・ミー』。
マサチューセッツ州・ニューベッドフォード。普段は優しいが酒のトラブルが尽きない⽗アダムと暮らす、少⼥ビリーと弟ニコ。
ある⽇、⽗アダムが強制的な⼊院措置となり、⾝寄りのないビリーとニコは、家を出て⾏った⺟親イヴのもとへ⾏くのだが……。
⼦どもたちの、悲しいけれどどこか希望に満ちた、ひとときの冒険が始まる。
原題:Sweet Thing |監督・脚本:アレクサンダー・ロックウェル|2020 年|アメリカ|91 分|DCP|モノクロ+パートカラー 日本語字幕:高内朝子
配給:ムヴィオラ
©️2019 BLACK HORSE PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED
この記事が気に入ったらフォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow WEEKEND CINEMA