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数々の映画作品、話題のドラマ解説などで人気の赤ペン瀧川が、第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた話題作『皮膚を売った男』を注目ポイント3か条から徹底解剖する解説動画が解禁された。さらに画家・大竹伸朗、現代美術作家・加賀美健、このミスグランプリ受賞作家・平居紀一、さらには映画好きのお笑い芸人・レイザーラモン HGら著名人からのコメントも到着した。

「恵まれた人間と呪われた人間との、恐ろしく残酷な世界の縮図」

本作は第77回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門でプレミア上映が行われ、主演のヤヤ・マヘイニが男優賞を受賞。他にも第26回リュミエール賞合作賞の受賞や第31回ストックホルム国際映画祭脚本賞の受賞など、賞レースを席巻した話題作。恋人に会うため、自分自身がアート作品となった男の数奇な運命を描き、日本でも東京国際映画祭で上映されるや「大傑作」「監督は天才か?」「最大級の驚き」「予想もつかない結末」と評判を呼んだ。

今回解禁されたのは、赤ペン瀧川が、本作『皮膚を売った男』を注目ポイント3か条から徹底解剖する解説動画。「これが、まあ、めちゃくちゃ面白かった!」と本作を大絶賛な赤ペン瀧川。第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされチュニジア映画として初の快挙となった本作のあらすじを、一般の人なら体験するはずもない波乱万丈なストーリーで人生が激変した男の物語だと説明し、すかさず「そんな人間現実にはいないわ」と的確なつっこみまで披露。

本作の監督カウテール・ベン・ハニアが着想を得たアーティスト、ヴィム・デルボアの紹介も丁寧に解説している。さらには「見逃さないでほしい!注目ポイント3か条」と題して、本作を読み解く重大なキーポイントをわかりやすく解説。その注目ポイントとは以下の通り。

注目ポイントその1:国内は内戦状態に突入!主人公の故郷は激動のシリア
注目ポイントその2:自由を求めて辿りついた!男の運命を変える悪魔の契約
注目ポイントその3:怒涛のラストを見逃すな!作品となった男の衝撃の結末

締めでは、「恵まれた人間と呪われた人間との、恐ろしく残酷な世界の縮図。主人公サムが辿り着く結末をぜひ劇場で見届けて頂きたいと思います!」と、視聴者の興味をさらに煽っている。

また本作『皮膚を売った男』に著名人からも続々と絶賛コメントが寄せられている。日本を代表する画家のひとりとして名を馳せている大竹伸朗、数々のファッションブランドとコラボを果たし度々話題な現代美術作家の加賀美健、第19回「このミステリーがすごい!大賞」文庫グランプリを受賞し、今年4月にデビュー作「甘美なる誘拐」を発表した作家平居紀一、お笑い芸人としても活躍しさらには独特の作風で画家としても定評のあるレイザーラモン HG、同じくお笑い芸人だが迫力のあるイラストでSNS等でバズりをみせているミサイルマン岩部彰と西代洋、第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家の茜灯里、作家や映像プロデューサーと幅広く活躍する亀野仁、作家の北原真理、同じく作家の城戸喜由、現代アートを中心に様々なジャンルの展覧会を開催している森美術館館長の片岡真実、といった豪華布陣のコメント全文は以下の通り。

『皮膚を売った男』は11月12日(金)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町 ほか全国公開。

著名人コメント

◆大竹伸朗(画家)
最先端芸術界のなんともやり切れない空気の中、サムの笑顔がふと浮かびその「無意味」が「絵を描く」ことの喜びに色を灯す・・・それが救い。

加賀美健(現代美術作家)
アートは自由なものだなんて言葉を良く聞きますが実は不自由なものなんじゃないか?
不自由だからこそ面白いものなのか?自由って何だろう?

平居紀一(作家/このミス文庫グランプリ受賞)
国家と自由、自由と芸術、芸術と市場、そしてすべてを支配するシステム。
精緻なストーリーの導く驚愕のラスト。逃れる道はある、のか

レイザーラモン HG(お笑い芸人)
アートは際限がなく、「これはアートだ」と言ったもん勝ちだと思う。観ないとセイでしょう〜。
あと主人公の背中の筋肉は程よく隆起し、シンメトリーが取れていて僕にとってはアートでした!

◆ミサイルマン岩部彰(お笑い芸人)
究極の芸術作品とは?と考えさせられる映画。
本編に出てくる一枚の絵はシーン毎に価値と作品のタイトルが変わる不思議な絵でした。

◆ミサイルマン西代洋(お笑い芸人)
自由な今の日本にいると身近に感じれない紛争、難民問題
そんな中この作品は現代美術と恋愛というフィルターを通してポップに奇抜にお洒落に感じさせてくれた
自由のために背中に背負った「自由」
「自由」が自由を苦しめる。
オシャレなカットもたくさんあって美術館に行ったような上質な時間を味わえた
そしてまさかのエンディング!?
この監督も背中に作品を掘る様な狂気の類いの監督や。
エンディングを見た時のこちらのリアクションすら作品の一部にしてるんちゃうか!?
そっか我々は監督に自分の顔を買われていたのかも(笑)♪

茜灯里(作家・科学ジャーナリスト)
チュニジア発、変格ミステリ誕生。シリア難民の背に刻まれた“ビザ”は、幸・不幸のどちらへ導くのか。
ラスト20分間は、ミステリ通でも予想できぬ展開。

◆亀野仁(作家・映像プロデューサー)
社会派でありながら、娯楽性も十二分のエンタメ作品。
この広い幅と深い内容を一本の映画で完璧に表現しているのは、すごい。

◆北原真理(作家)
誰かと共に観たい映画だ。必ず、語りあいたくなる。人生の意味とは。自由とは。持てる者と持たざる者の相克とは。そして、気づく。恋人に逢うために背中を売ったサム・アリは、シリアから遠く離れた極東のこの日本で、今日を生きる私達の似姿でもある。私達も、自分の一部を切り売りして、日々、生きている。流石に、陳列され、オークションにかけられることはないだろう。けれども、時間、体力、能力、容姿、信条、etc.売れるものは何でも売る。
大昔、“人間は、決して、目的のための手段にされてはならない”と語った哲学者がいたけれど、現代の社会で、私達自身が経済的な手段にならずして、どうやって、食べていけるというのだろう。
ねえ、愛する人のために、何を売れる?仕事も家もなかったら、どうやって稼ぐ?映画を見ながら、問い続けていた。世界には、サムのような持たざる人々が、何千万人もいる。祖国を追われ、仕事も住む家もなく、明日、何を食べればいいのかと悲嘆にくれるとき、私には、一体、何ができるだろう。
本当に、すごい映画だった。浅薄な言葉では語りつくせない。最後の場面が、私は一番、好きだ。
人生の意味を売ると豪語するジェフリーと、本当は、最初から人の生きる意味を看破していたのではないかと思わせるサムとの、静かな対話が火花を散らす。「自由の身だな」と言うジェフリーに、「Yes, I am. 今までと同じくね」とサムが返したのに、思わずクスッと笑ってしまったのは、きっと私だけではないだろう。人間性を阻害され、皮膚=外面だけの価値を認められていたサムと、世間(システム)が認める内面の価値は 偽物(イミテーション)で、実は外面だけの存在だったジェフリーとの、痛快な、逆転劇である。カウテール・ベン・ハニアから、スクリーン越しに渡された”魔法の絨毯“は、きっと、どこにも飛んでいけない絨毯だ。何某かの代償を魔物に差し出さずとも、最初から、人は、”自由と愛“を携えている存在なのである。戦乱の地にあっても、流浪の民となっても、それは変わらない。
多くの人に、是非、観てほしい映画である。

◆城戸喜由(作家)
タトゥーを彫ったら何かが変わるだろうか? そりゃ変わるだろう。何が変わる? そう。人間から、アートへ
と。

◆片岡真実(森美術館館長)
現代アート界や市場の循環構造に、国境、難民差別、人権問題、テロ、フェイクニュースなど世界の今日的課題が絡み合い、そこに古典的な“貫く愛”と人間の多様な欲望が通底する、異色の映画。

作品情報

皮膚を売った男
2021年11月12日(金)  Bunkamuraル・シネマ ヒューマントラストシネマ有楽町 ほか全国公開

監督:カウテール・ベン・ハニア(「Beauty and the Dogs(Aala Kaf Ifrit)」(17)第91回アカデミー賞国際長編映画賞チュニジア代表)
キャスト:ヤヤ・マヘイニ、ディア・リアン、ケーン・デ・ボーウ、モニカ・ベルッチ、ヴィム・デルボア
2020年/104分/チュニジア・フランス・ベルギー・スウェーデン・ドイツ・カタール・サウジアラビア/アラビア語、英語、フランス語
The Man Who Sold His Skin(英題)
L'Homme Qui Avait Vendu Sa Peau(仏題)

配給:クロックワークス

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